※言ノ葉プロジェクトの楽曲『洗脳』に関しては、該当するリンク先を参照のこと。
概要
現実の洗脳
特にカルト宗教や政治思想などについて、身体的拘束や、ときに拷問などを伴い対象の思想信条を行使者の意に添わせる行為。
かつて朝鮮戦争期に中国共産党の行ったものがきっかけで一般に知られるようになった。
ここから、メディアによる消費者の誘導など、他者を思い通りに操る様々なことにも例えて使われるようになった。
フィクションの洗脳
フィクションにおいては、より広義に行使者の望むように他者を操ることを指す。多くの場合、精神力の強さで抵抗できる表現がなされる。
洗脳された人間は瞳に光がない虚ろ目・レイプ目や、ぐるぐる目、あるいは瞳の色が変わる、光るなどの形で表現されることが多い。
洗脳の手法
これらの中には洗脳に類さない物もあるが、フィクションにおいては洗脳と呼ばれる事もあるため紹介する(実際に存在し、かつ洗脳に該当しない項目を「関連項目」に記す)。
身体改造・ロボトミー(精神外科)
対象の肉体そのものに手を加えることで、対象を意に従うようにする。
ポピュラーなものでは脳そのものに何らかの改造を加えるもので、
ロボトミーは性格を穏やかなものにする目的で前頭葉を切除するという手術で、過去、総合失調症患者などに対して現実に行われたものである。その非人道性や深刻な後遺症が大きく問題視されているため、現在では行われることのないものである。
日本国内では70年代に、とあるスポーツライターが一方的に精神疾患とみなされ、半ば騙される形で施されたロボトミー手術の深刻な後遺症に苦しんだ末、自分に施術した主治医夫妻を殺すという殺人事件(ロボトミー殺人事件)が発生した他、漫画家の手塚治虫が著書「ブラックジャック」の中でロボトミーを扱ったエピソードを用いた際、美化しているとして大きくバッシングされるという出来事も起きた。
フィクションにおいては、脳を改造したり、機械を埋め込む事で性格を自由自在に変えるという表現がなされる。その他、脳そのものを他人と入れ替える表現や、怪人化やヴァンパイアの眷属化のように種族自体を人外にしてしまうものもある。
関連キャラ等
※作品名50音順
関連タグ
薬物(ドラッグ)
フィクションにおいては直接洗脳効果を発揮する媚薬(惚れ薬)も多く使われ、飲ませるタイプもあれば、煙状にしたものを吸っただけで効果を発揮するタイプもある。
関連キャラ等
※作品名50音順
関連タグ
電子ドラッグ
映像や音声の視聴覚情報から深催眠状態に誘導し暗示を与える。同時に何らかの命令を暗示に組み込む事で対象を自在に操る。電子麻薬やサイバードラッグとも呼ばれる。
シンクロ・エナジャイザーという、実際に電子ドラッグの作用を試みた装置も実在する。
音声で人を操る手法は古くから語られており、ハーメルンの笛吹き男やセイレーンの例がある。フィクションでは、HMDによって映像を強制的に見せるような表現が用いられる。また、催眠アプリなどにも、特殊な画面を見せることで効果を発揮させる表現が多く用いられ、これの亜種のようになっている。
関連キャラ等
※作品名50音順
関連タグ
魔術(魔法)・超能力
なんらかの魔力や、魔力を秘めた道具を用いることで相手を自在に操る。相手の頭に手を振りかざしただけで相手の意識を操作したり、呪物を身につけただけで人格が変わってしまう。
フィクションでは、催眠術やマインドコントロールがこの意味で使われる事も多い。
ギリシャ神話にも登場する洗脳方法であり、ナルシストの語源であるナルキッソスは自分を愛する呪いをかけられる。その効果は絶大で、彼は水面の自分の顔の前から離れられなくなり、餓死してしまった(詳しい展開については諸説ある模様?)。
関連キャラ等
※作品名50音順
※色仕掛け要素を含むタイプについては「誘惑」を参照。
- メフィラス星人、ゴーロン星人他(ウルトラシリーズ)
- エマ・フロスト(X-MEN)
- ハイグレ魔王、ハイグレ(クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王)
- セイン(経験値貯蓄でのんびり傷心旅行)…自分よりレベルが低い女性にしか効果がない
- ルルーシュ・ランペルージ(コードギアス 反逆のルルーシュ)
- ゾフィス(金色のガッシュ!!)
- ミスティ(スーパードール★リカちゃん)
- 緑魔(スターオーシャンEX)…吸血した相手を洗脳する
- 鬼丸(星獣戦隊ギンガマン)
- アルバート・マーベリック(TIGER&BUNNY)…記憶操作
- バラクローズ(超力戦隊オーレンジャー)
- ジャミル・バイパー(ツイステッドワンダーランド)
- デスノート(DEATH NOTE)…死亡とセット
- メダパニ(ドラゴンクエストシリーズ)
- 湯島良朗、曽根崎道夫、三雲玄吾(NIGHT HEAD)
- 操作系念能力(HUNTER×HUNTER)
- コンフュ、ゴルベーザ、ゼムス(ファイナルファンタジーシリーズ)
- 穴沢虹海、水蓮寺清春(魔法少女サイト)
- 平清盛、孫悟空(無双OROCHI2)
- “男”(MONSTERZ モンスターズ)
- マリク・イシュタール、アクナディン(遊☆戯☆王)
電波
シナプスの電気信号を外部からの作用で操作する。頭に取り付けた端子や、アンテナから発振される信号で対象を操る事ができる。無差別に広い範囲に効果を及ぼすことが出来るため集団洗脳の手段として描かれる事が多い。外傷が及ばないためコミカルな表現としても扱いやすい。
自分が電波で操られていると思い込んでいる統合失調症患者が描かれる場合は「ジグジグ」という擬音が用いられる。 例):脳がジグジグ犯される。
マドリード自治大学医学部のホセ・デルガード博士は、実際に人間の脳に電極を埋め込む事で人間の思考を電波で操作する装置スティモシーバーの実験に成功している。実験が公になったあとに「知らぬ間に脳に電極を埋め込まれた」と主張する人間が多数現れた。
関連キャラ等
※作品名50音順
色仕掛け
性的魅力を利用する(この意味では主に「魅了」タグが用いられている)。
RPGなどにおいては、こういう手法で洗脳する技は「誘惑」等と呼ばれ、それによって洗脳された状態は「魅了状態」等と呼ばれる。これらには性的で無い意味もあるが、pixivにおいては性的な意味として使われいる例の方が圧倒的に多い。魔法や薬物を組み合わせている場合や、魔法なのか何なのか判らない場合も有るが、逆に純粋な色仕掛けが魔法に例えられる事も多い。投げキッスやウィンクによって発動する場合が多く、その際ハートマークが現れる事が多い。「悩殺」「糸屋の娘は目で殺す」という表現にも見られるように、古くから殺人に例えられ恐れられている洗脳方法である。
関連タグ
憑依・寄生・乗っ取り
対象に自ら入り込んで内部から操る。この手法は現実でもハリガネムシなどの寄生生物が使用する。
フィクションにおいては、宿主の人格は眠らせるなり殺すなりして、あくまで肉体のみを乗っ取るタイプが多いが、徐々に精神を蝕んでいくタイプなどもある。いわば体内と言う超零距離から上記のいずれかの手段を用いて洗脳する形である。自らではなく、別の生物や自身の身体の一部を寄生させ、それを受信機代わりとするなどして操るタイプもある。
関連キャラ等
※作品名50音順
- バルタン星人、テンペラー星人、メドウーサ星人、ダークザギ他(ウルトラシリーズ)
- 六道骸、D・スペード(家庭教師ヒットマンREBORN!)
- プリミティブドラゴン(仮面ライダーセイバー)
- ベビー(ドラゴンボールGT)
- スペースマフィア(ブルースワット)
- パラサイト・M、黒呂木零(魔法少女・オブ・ジ・エンド)
話術
言葉を用いて対象を自分と同じ考えに誘導する。
ナチスのヒトラーはクーデターやテロではなく、国民投票によって選ばれた独裁者である。分かりやすい表現の反復やジェスチャーの利用など演説を工夫し、ラジオやスピーカーなどの重要性を理解していたといわれている。誘導している本人がその事実を信じていたり、誘導者がそれを信じていなくともわずかな情報でその事実を正しいものと誤認するケースなどがある。
宗教の信仰や特定の者への尊敬などは個人の内心にも深く関わることなので、洗脳と判断する際は注意が必要。あるいは程度の違いだけで、信仰どころか一般的な道徳教育も、広い意味では洗脳の一種であると言えるのかもしれない。
フィクションにおいては、誤った情報を与えてそれが正しいと信じ込ませるケースがよくある。
関連キャラ等
※作品名50音順
その他
洗脳対象がアンドロイドなどの場合は、データの上書きなどの方法がとられる。ハードディスクへの書き込み音を模してチキチキなどと呼ばれる。
同じく電子系の対象には、コンピューターウイルスのようなプログラムを適用する方法もある。
洗脳後の状態
洗脳後の状態についてもお約束となるパターンがいくつか存在する。代表的ものを紹介する。
意志喪失
催眠状態など、人形のようにただ命令に従い、自発的な意思がない状態。しばしば人形化と言われることもあるが、pixivにおいては肉体を物品としての人形にしてしまうシチュとして利用されているため、タグとして使うのは推奨しない。
言いなり・肉体操作
人格そのものはもともとのままであるが、命令に逆らえなかったり、身体が相手の望むように動いてしまう状態。
感覚器の働きなども操作され、何もされていないのに快感を感じてしまうようなシチュエーションも描かれる。
誤認
人格そのものはもともとのままであるが、対象物や特定の出来事などへの認識が変わっている状態。嫌っていた相手を恋人であると認識させられるなど。下記の常識変換と一部重なる。
常識改変(常識変換)
人格そのものはもともとのままであるが、常識が歪められており、当たり前のことのように異常なことをしてしまう状態。
価値観の変換
人格そのものはもともとの状態であるが、価値観が歪められている状態。
敵対者の邪悪な存在や、殺人などの不道徳な行為が良いものに感じるようになったり、これまで大切だと思っていたものに憎悪を感じるようになったりするなど。
現実での洗脳による宗教や思想の強要もこれが最も近いだろう。また、悪堕ちとの相性もよい。
魅了
行使者が好きでどんな命令でも従ってあげたくなる状態。
行使者を最優先にしてしまう常識や価値観の変換の亜種でもあるが、恋愛的・性的欲求などが介在し、それらから独立した扱いをされる。
別人格
本来の人格とは別の人格として行動する状態。
憑依した幽霊等の人格によるものや、行使者に都合のいい新たな人格が形成される。
本来の人格は残っていて眠っていたり、別人格が自分の体で行う所業を見せつけられていたり、消えてしまったり、洗脳の深化にともなって統合されるなどの形で描かれる。
凶暴化
理性を失い、かつての味方を傷つけることも厭わず、衝動のままに暴れまわる。人外化などと合わせて使われることも多い。
関連項目
マインドコントロール
まるで自分の意思で選択したかのように、決められた結論へ誘導する技術。心理学の作用を多く利用している。
英語に於いてはBrain washing(洗脳)とMind controlはほとんど区別されていないが、日本に於いては物理的暴力や心理的圧迫などの外圧を伴わないとして洗脳と区別する向きもある。
オウム真理教の事件や、統一教会の合同結婚式の騒動で有名になった。
新興宗教団体のために違法行為に走ったり多大な時間的、金銭的浪費をしてしまったシンパやその親族が「洗脳」を認めらなかった場合に、「洗脳はなくともマインドコントロールはあったのだ」と主張してシンパの法的責任を減免したり、宗教団体に賠償を要求しようとしてこの語が用いられてきた背景があり、科学的な研究は進んでいない。
関連タグ
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催眠
暗示を受けやすい環境を作り出し、相手を催眠状態に誘導するための技術。相手が自分では気づいてない癖を真似したり、相手の感性に同調する言葉を選び、相手との潜在的信頼関係を築き、こちらの言葉に従いたくなるように導く。
「催眠術」という見世物として古くから広く知れ渡っていることから、一見超能力や魔術のように誤解されがちであるが、現代の催眠は心理学、脳科学、体の構造などを利用した「技術」である。また、催眠術にかかりやすい人と、かかりにくい人が居ることも一般的に知られている。
ゆれる時計やろうそくに集中させたり、眼を合わせただけで催眠状態に誘導するという表現が用いられる。
関連タグ
関連イラスト
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