初登場の「ソイレントシステム」
神聖ソラリス帝国には巨大な食糧生産および研究施設がある。先進技術によって完全にオートメーション化されており、人間のスタッフ無しで稼働することが可能である。
ソラリスから脱出を測る最中、この施設に潜入したフェイとエリィ、シタンは途中で山積みになった缶詰を見かけ、フェイとエリィはその缶詰を食べるが、シタンは「私は遠慮しておきます」といって口にしなかった。
そして、扉の前でシタンは二人に「あなた達は、あの食料を食べました。そのことをよく認識して、その扉を開けて下さい。」という。
果たして、彼らが扉の向こうで見たものは………………
食品缶詰がラインに乗って生産されている。そしてそこには食品として加工され、作り変えられる人間の姿があった。厳密には、遺伝子異常を起こし変異体となった者や、研究施設で人体実験を施された末に廃棄された者、ソラリスに拉致された地上人のなれの果ての姿であり、本作ではウェルスと呼ばれていた者達である。つまりフェイとエリィが食べたのは、元々『人間だった』ものだったのだ。
元ネタは映画『ソイレント・グリーン』であり、このあと待ち受ける衝撃の事実まで大体ゼノギアスの本エピソードと同じような内容である。
そして2013年、ついにアメリカで本当にソイレントを作ってしまう人が登場した。商品化に向けて出資者を募っているようだ。
(外部リンク)肉や野菜を食べずに生きられるようにする新たな食品「ソイレント」とは
アレルギーフリー、大量生産可能、保存性良好、完全な栄養バランス。とのことである。
やはり名前の元ネタは映画のほうか、もしくはこのソイレントシステムからだろう。
材料は……「あれ」ではないと思う。たぶん。
後に、製造元から原材料が発表された。成分はオーツ麦・マルトデキストリン(トウモロコシ由来の多糖類)・玄米タンパク質分解物(必須アミノ酸9種)・キャノーラ油・魚油・食物繊維など。映画のことは製造元も知っていたらしく、「ヒューマンフリー(トラウマ成分一切なし)なのでご安心ください。」と公式に表明している。
その後のソイレントシステム
作中でも屈指のトラウマシーンという事もあってか、2021年3月11日のtwitterのハッシュタグ『おまえらのゲームのトラウマ挙げてけ』で代表格の一つとして挙げられていた。
その他にはドラクエやFF、DODと言った同社(スクエニ)作品だけでなく、ポケモンやモンハンといったようなものも挙げられる中で、ピクシブ百科事典の注目記事となったのである。
アメリカの方のソイレントは粉末飲料とスナックバーが無事発売されたが、食べて体調不良を訴える人が続出したため、2016年に販売停止となってしまった。メーカーは内容物の藻類が体質に合わなかったことが原因と見ている。
完璧な栄養食への道はまだまだ長いようだ。
以下はゲーム後半に登場する「ソイレントシステム」の詳細な解説
重大なネタバレが含まれているので注意。
過去にカレルレンに施された刻印「リミッター」が、大気中に散布されたナノマシンによって外されたことで、一般住民が異形の者へと変化。「人」ではなく、本来の能力が開花された「ヒト」に変貌。それは、神…恒星間戦略統合兵器『デウス・システム』の生体部品としての存在にすぎず、なおかつ、実はデウスの部品として組み込まれたときにデウスを乗っ取るようカレルレンが仕込んでいたものであった。
こうして人ならざる「ヒト」=「ウェルス」に変貌した人々は、体の構造が急激に変化してしまう為、それに耐え切れず寿命が非常に短かった。そのため、変貌前の「人」の血肉を食らって寿命を少しでも伸ばそうとした。重症になった者は、軽症の者の血肉すら求めた。ちなみにウェルスは言語を解し喋ることもできるが、全身から酷い痛みを感じている。その苦痛を和らげる意味もあって前述の捕食を行うのである。
こうした人々を隔離し、分子レベルで分解融合させ、より完璧な1個の生命体···「兵器」に作り変えるための施設。それが、物語後半に登場する「ソイレントシステム」である。同時に、ガゼルの法院の「M計画」の真相でもある。前述のソイレントシステムと比べても比較にならないほどの、救いようの無い施設である。
さらに哀しい事実は、変異した人々が自ら救済を求めて、この施設に自ら集まってきたことである。情報の出所は不明であり、誰が言い出したのでもなく、自然に広まっていった悪魔の噂である。あるいは、変異した体に流れる血が、本能的にこの施設を求めていたのかもしれない。共食いと破滅しか待っていないことも知らず···。
元ネタ?
クロノトリガー終盤のイベントでは、ロボットに捕まった人間たちがコンベアで運ばれ、悲鳴を上げながらアイテムに加工されるというトラウマシーンが存在する(さすがに加工される瞬間は描写されていない)。
関連イラスト
関連タグ
砲神エグザクソン:ソイレントという名は出なかったものの、劇中で宇宙人であるリオファルド人が配給する食糧が間引きした地球人の死体を分解して合成した食料であることが暴露された。