概要
東方Project第17.5弾となる公式作品。正式名称は「東方剛欲異聞 ~ 水没した沈愁地獄」だが、基本的には「剛欲異聞」と略される。
黄昏フロンティアが開発したゲーム作品で、ゲームジャンルは「横画面弾幕水アクション」。従来の弾幕ACT(格ゲー)ではなく横スクロールACTとなっている。ZUN曰く「レトロでストイックなゲーム」であるらしい。
2019年10月6日の第6回博麗神社秋季例大祭の2日前に情報が公開され、同イベントにてβ体験版のダウンロードコードが記載されたDLカードが頒布。翌年の2020年10月18日の第7回博麗神社秋季例大祭に秋例verの体験版が頒布。
当初は2020年11月のリリースを目指していたが制作の都合で一旦リリース時期を未定としていた。翌年の2021年3月21日の第18回博麗神社例大祭で完成品を頒布予定だったが、同月15日に急な頒布中止(無期延期)が発表された。
2021年8月にSteamでリリース予定だったが、調整や審査諸々を踏まえ9月に延期する事となった。だが結局9月中にリリースされず、翌月1日になって無期延期が発表された(その辺りの事情は下記の「備考」にて解説)。
しかし、ついに2021年10月24日の第8回博麗神社秋季例大祭で製品版が頒布。Steamでは後日配信予定。
ストーリー
地上に黒い水が吹き出していた。 その水は異臭を放ち、身体に付くと簡単には落とせなかった。 とても生活用水として使える代物では無かった。
その湧き出る黒い水を凶と見るもの、吉と見るもの、 神聖なものと見るもの、邪悪なものと見るもの、 天災と見るもの、経済的暁光だと見るもの、 様々な憶測が飛び交い、一部ではお祭り騒ぎにもなった。
しかしある出来事を境に、浮かれていたものの背筋を凍らせる事となる。 飲料用の湧き水に、美しい清流に、憩いの場である温泉に…… 黒い水は場所を選ばず、湧き出し始めたのである
(黄昏フロンティアホームページ 東方剛欲異聞 公式ページより引用)
登場キャラクター
本作品では霊夢と魔理沙の他に、今まで1作品ほどしか登場したことのないキャラクター達が取り上げられたことで盛り上がっている。
二次創作で人気なのにも関わらず、公式で登場する機会が少ないキャラクター(リンク先ネタバレ注意)にもスポットライトが当てられたことに対して、かなり驚いたファンも多いだろう。
製品版から登場し始めたキャラクター(リンク先ネタバレ注意)
初登場キャラクター(リンク先ネタバレ注意)
備考
◆制作の遅延と発売延期
既に述べた通り、本作は何度も発売を延期する程の難産体質である。
海原海豚によると、体調不良と環境の変化により開発に遅延が生じたのが主な原因。加えて開発が済んでいた部分に構造的な問題が発覚して大幅修正が必要となった結果、制作スケジュールがずれ込んでしまったとのこと。
今作も発売後のアップデートを前提とした作りであるらしく、初頒布が極少数の持ち込み(手焼き)分のみだった事からも制作の難航が窺える。
◆リリース前情報
「東方我楽多叢誌」掲載の海原海豚インタビューによれば、本作は『東方憑依華』完成後から企画が練られはじめた。また本作が上海アリス幻樂団との共作にして従来の弾幕アクションのような「 格闘ゲーム 」と異なるゲーム性であることについては「 ストーリーモードでのバトルに集中した、じっくり一人で遊ぶ物をやろう、と必要な部分に特化していった 」ためであるともしている。
海原は、2018年のZUNとの対談(『東方外來韋編』2018 spring!掲載)において、『憑依華』制作を終えて次回の上海アリス幻樂団との共作作品はどのようなものにするかという問いについて「 やるとしたら次はまた別のゲームにしたい 」と新しい可能性の開拓への意欲を語っており、実際に『憑依華』に続く『剛欲異聞』ではこれまでの弾幕アクションとはまた異なる作品となっている。
「 対戦ゲームに慣れたプレイヤーの方には意外に思う作品かもしれませんが、 これもまた東方だねと納得していただけるような作品にしていけるよう、頑張リます。 」
(海原、「我楽多叢誌」インタビュー、2019年10月11日付頁)
◆登場キャラクターの共通点
今作に登場する既存のキャラクターたちは、「地底」や「水」に関連がある。
小傘:雨に関するスペルカードが多い
勇儀:地底の住人、酒を好む
神奈子:地霊殿の異変の元凶、本来は風雨の神、水に関するスペルカードを持つ
ヤマメ:地底の住人、河を汚すと言われている
村紗:地底に封印されていた、種族が舟幽霊、水場で目撃される、水飛沫と海を思い起こさせる弾幕を放つ
関連タグ
東方鬼形獣→本作 (東方Project全般での発表作品順)
東方憑依華→本作 (黄昏フロンティアとの共作の発表順)
東方鉱砂坑(東方二次創作):環境汚染を題材とした作品繋がり。こちらは自機が訴状を持って参戦している。