概要
ゲームクリエイターの中村光一率いるチュンソフト(現・スパイク・チュンソフト)が手掛けたダンジョン探索型国産RPGの金字塔『不思議のダンジョン2 風来のシレン』を始祖とする看板作品の1つ。
構成
エニックス(現・スクウェア・エニックス)の看板作品『ドラゴンクエスト』シリーズに登場するトルネコを主人公に据えたスピンオフ作品『不思議のダンジョン トルネコの大冒険』に源を発し、そのゲームスタイルを応用、発展させたオリジナルタイトルであり、この2作品によってパソコン分野以外では知名度が低かったローグライクゲーム(以下、RLG)を一般的RPGジャンルの主流に押し上げたゲーム史上重要な作品。
特徴
RLGの始祖『Rogue』に従ったゲームルールを基本とし、シリーズを重ねる毎に様々な新ルールやシステムを取捨選択しつつ『トルネコの大冒険』とは似て非なるゲームデザインを少しずつ練り上げている。
各シリーズのルールやシステムの詳細を説明すると記事内容の長大、煩雑、研究、議論化を招く恐れがあるため、ここでは『風来のシレン』シリーズの根幹を成すルールのみを記載するものとする。
- 店舗の存在
『トルネコの大冒険』で使い道の少なさが問題となっていた通貨を有効利用するため、RPG作品で当然の存在である各種店舗を登場させた。この中には武器強化に限った鍛冶屋が含まれており、規定の料金さえ払えば確実な武器強化(+1、低確率で+3)が見込めるようになった。
- アイテム「ツボ」の存在
道中に点在する杖や巻物と同じく、そのツボに対して行動を取ることで様々な効果を発現し、使い方1つで一発逆転にも一転窮地にもなるアイテム。ツボの中でも最も変わっているのが「トドのツボ」であり、これと他のアイテム効果を巧みに組み合わせた「万屋泥棒」やそこから派生する力任せの「万屋強盗」といった斜め上のプレイスタイルが生み出された。
『トルネコの大冒険』では終始1人の進行を強いられたが、規定の条件をクリアすることで進行の手助けをするサポートキャラクター「旅仲間」が追加された。旅仲間の追加条件は任意で選択できるため、必ずしもそれを強制されることは無く、条件を満たしていても旅仲間が道中に現れた上で勧誘しない限りは同行の是非はプレイヤーの自由である。
その反面、一部のキャラクター以外は固定能力値であるために下層階に進むほど生存率は低くなり、レベルアップによる変動能力値を持つキャラクターについても「旅仲間は装備品を扱えない」という不文律からやはり下層階では運用が辛くなる上、特定の条件が重なることで旅仲間の通常攻撃、または特殊攻撃がプレイヤーに被弾する場合がある。最悪の場合は、それによって全滅の憂き目を迎えた末に「(旅仲間)の(行動内容)し、たおれる。」という自滅以上の不名誉な番付短評が記される。
- モンスターハウスの存在
ダンジョンでときどき遭遇する試練の一つであり、部屋いっぱいに大量のモンスターが待ち伏せている。さらには多数の罠も仕掛けられ退路を断つ構造をしているが、同時に床には多数のアイテムも置かれており、いかにしてこの苦境を突破するかはプレイヤーの腕の見せどころでもある。
シリーズタイトル一覧
レイアウトの都合上、第一作を除いて接頭辞の「不思議のダンジョン」は割愛。また、携帯アプリおよびソーシャルゲームオリジナルストーリーを含まないコンシューマタイトルのみを記載する。
正伝シリーズ
発売年 | タイトル | 機種 | 備考 |
---|---|---|---|
1995 | 不思議のダンジョン2 風来のシレン | SFC | VC配信、NDS移植 |
1996 | 風来のシレンGB 月影村の怪物 | GB | Win移植、And移植 |
2000 | 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城 | N64 | 特になし |
2001 | 風来のシレンGB2 砂漠の魔城 | GBC | NDS移植 |
2008 | 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫 | Wii | PSP移植 |
2010 | 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ | NDS | PSP移植 |
2010 | 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス | NDS | PSVita、Switch、Steam移植 |
※1996年4月28日から5月24日までの1ヶ月間のみ、BSサテラビュー限定の『BS風来のシレン スララを救え』が配信された。
外伝シリーズ
関連イラスト
- 風来人 シレン
- 語りイタチ コッパ
- 女剣客 アスカ
- セクシーブラインダー お竜
- 未完の大器 ペケジ