概要
アイヌ民族の伝承に登場する妖怪で、名前の意味はそのまま「山の人」である。
キムンアイヌやキムンクッ(山にいる神)、キモカイクッ(山においでになる神)という名でも呼ばれ、頭が禿げていると言われることからオケン(つるっぱげ)、ロンコロオヤシ(禿頭お化け)という呼び名もある。人に似ているとも単眼であるとも言われる。
基本的に人の血を嫌うために攻撃的ではないが、怒らせたり禁忌を犯したために殺されるという民話や伝承も多い。
足はとても速く山を駆け巡り、熊でさえ手づかみで殺すほどの怪力を持つが、出会ってしまったら大好きだというタバコに火をつけてわたすか「山の神さんにあげます」と言って一掴みを渡すと去っていく。
風が無いときの倒木もキムナイヌの仕業といわれ、「山の小父さん、お前さんの上に木が倒れていくよ」というと退散していくともいわれる。
樺太の伝承では「守り神さんたち、手伝っておくれ」と頼むと荷物を軽くしてくれるというが、禿げ頭であることを気にしているため、そのことに触れてしまうと山を荒し急な暴風雨や倒木、木片を飛ばしてくる。