ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

追放悪役令嬢の旦那様

ついほうあくやくれいじょうのだんなさま

古森きりのWeb小説作品。複数のWeb小説サイトにて同時連載された。Webコミックアプリ『マンガPark』にてコミカライズが連載されている。
目次 [非表示]

古森きりによるWeb小説作品。


概要

著者の手により『小説家になろう』『ツギクル』『ノベルアップ+』『マグネット』にて2019年7月から同年12月まで、同時連載されていた。現在は全5部として本編完結済とされており、昨今は不定期に後日談や日常話が掲載されるに留まっている。(現状では)


第4回ツギクル小説大賞を受賞。「ツギクルブックス」より2019年12月に第1部が、2020年12月に第2部(※1)が、2021年8月に第3部が、2021年11月に第4部が、それぞれ書籍化。2022年7月にほぼ書き下ろし(一部、第5部の内容を流用・前倒ししている)となる第5巻が、2022年12月に第5部に相当する6巻が発刊された。挿絵イラストはゆき哉が担当。

なお書籍6巻でWeb版の内容に追い付いているが、書籍5~6巻でWeb版の内容と差異が生じるよう執筆されているため、以降の物語はWeb版とは分岐した世界の物語であると明言されている。


なお2022年8月にシリーズ累計部数42万部を突破している


2020年5月より白泉社のWebコミックアプリ「マンガPark」にてコミカライズ版の連載が開始されている。作画はなつせみが担当し、ゆき哉はキャラクター原案となっている。なお同アプリでは連載開始直後「男子に人気 第1位」を獲得している。このコミカライズ版は2021年1月24日よりpixivコミックでも配信が開始。

さらに同じ白泉社から出されている少女漫画雑誌『LaLa2021年9月号に、出張読切が掲載された。


物語のメイン内容としては「悪役令嬢転生もの」のバリエーションにあたる作品で、転生者ではない主人公が、実は転生悪役令嬢だった妻の破滅後に寄り添い、彼女の内助の功によって自らのどチートを目覚めさせつつ、彼女の破滅後の余生を心安らかなものにしていく、というもの。


なお、同作者作品である『転生したら絶滅寸前の希少種族でした』と共通する設定やワードが盛り込まれており、何らかの形で世界観がリンクしている可能性が一部で示唆されている。


注釈

※1)第2部は本来、2020年の春~初夏期(5月から6月ごろ)の刊行予定としていたが新型コロナウイルス感染症世界的流行の影響により発刊が見送られ、最終的に同年12月に発刊となった。


あらすじ

竜の加護に満ちる、とある「竜によって作られた異世界」クリアレウスにある国「青竜アルセジオス」でのお話。


アルセジオスの王太子アレファルドは通っていた学園における卒業パーティーの宴席の最中、自らの婚約者である公爵令嬢エラーナ・ルースフェット・フォーサイスに対して、同級生にして「守護竜の愛し子」である平民の少女リファナ嬢へのいじめの罪を着せ、断罪の上で婚約破棄を申し渡す。

最初は取り乱していたエラーナであったが、王子よりの拒絶に表情を失うも、最終的には婚約破棄を受け入れて静かに宴席の場を去った。


しかしパーティーの最中、その光景に対して怒りを押し殺しながら冷たい目を向ける人物がいた。アレファルドの「友人(という名のパシリ)」ユーフラン・ディタリエール・ベイリーである。実はユーフランはアレファルドから内々に、前もってエラーナへの婚約破棄を知らされていた。「あんな女など貴様にくれてやる」という暴言と共に。

実はエラーナへの秘めた想いを押し殺してアレファルドに仕えていたユーフランは、主のエラーナに対する彼女への人とも思わぬ傍若無人に密かな怒りを燃やしつつも、その言質に人知れず内心フィーバー。宴席の場を去るエラーナに手を貸しつつ、自らもまた場を去り家へと戻る。


帰宅後にユーフランはエラーナと結婚すること、さらにはエラーナごとアルセジオスより追放される事を父親から申し渡される。役目のためとはいえ憎くもない息子を放逐せねばならぬ現実に頭を抱える父親たちを尻目に、ユーフランは「これで愛するエラーナ嬢を連れて、アホ王子どもとはおさらばだ!」とウキウキ気分でこれ幸いと隣国で辺境伯をやっている親戚の伝手を頼り、エラーナと共に新天地(隣国の辺境)へと旅立つ。そして親族の伝手で辺境の元・牧農場であった荒地に住む事を許される。


実はユーフランには、ある特技があった。それは、手先の器用さと、それ故に得た、この世界の「魔法を使うための石」である「竜石」の加工技術である。ユーフランのディタリエール家は「竜の加護を直接的な力とする」血統・ベイリー家の流れを汲むひとつであった。そのためにユーフランは本職の職人でも不可能な竜石の魔力回路加工をものともなくやってのける。それらの特技を使いユーフランは、それまでこの世界には存在しえなかったボールペン石鹸シュシュドライヤーなどを生み出していたのである。この特技を使えば、まぁ国を追放されても手に職があるから食うには困らないだろう……と、ユーフランは軽く考えていた。

とはいえ、国のトップクラスのお嬢様であったエラーナとの新生活は別の意味で苦労をするだろう……と考えていたユーフランだったが、エラーナは案外と庶民の暮らしに馴染んでいく。

それどころか彼女からは「特許」とか「経営戦略を担当していた」とか意味不明な言葉が飛び出す。そしてエラーナは「あなたの価値をわたしが解らせてあげる!」とまで豪語した。


やがてエラーナは自らの生活に必要なアイテム(というか家電冷凍庫とかこたつとかクーラーとか……)を竜石で再現する事をユーフランに持ち掛け、出来上がった品(のロイヤリティを含ん)で商売する図式を作り上げ、それは自分たちが移り住んだ「緑竜セルジジオス」を中心とした生活革命へと繋がっていく。


この時のユーフランは、まだ知らなかった。

エラーナが、王太子の婚約破棄によって前世覚醒し現代日本の記憶を蘇らせてしまった「ネット小説『守護竜様の愛し子』に登場する悪役令嬢エラーナ」であったという事実を。


のちに、その事をエラーナから知らされたユーフランは、愛するエラーナを待ち受ける運命を捻じ曲げるため、知恵を絞り発明に勤しみ政治力も磨き、日々を奮闘していく。


これは、そんなちょっと不運な目に遭ったがゆえに、最高の幸福を手に入れた男の物語。


登場人物


※以下、本項目ではWeb版を中心に解説し、必要に応じて書籍版の内容に触れております。書籍・漫画版の読者は、ネタバレに注意


主人公夫婦

  • ユーフラン・ディタリエール・ベイリー / フラン
    • 本作の主人公。貴族にしては醸し出す雰囲気が、かな~りユルい薄赤毛(Web版ではゆるふわカールの桃色と設定されているが、書籍・漫画版の公式ビジュアルではストレートめいた明るいオレンジ系)で赤瞳の青年。通称はフラン。王家の側近として法官長の役職を代々務めるディタリエール伯爵家の長男だが「ベイリー」の血統が生む力が弱いために嫡男(継承子)ではない。とはいえ、より力が強い弟が成長するまでは中継ぎをする必要があるため、その意味で王太子に仕えていた。
    • 王太子の婚約者であるエラーナに横恋慕していたが、王家への忠義もあって、その想いには蓋をしていた…のだが、バカ王子が婚約破棄をやらかしてくれたおかげで、思いっきりはっちゃける。本編の時間軸ではアルティメット嫁バカとして、そのどチートを自制なく奮いまくる。実家においては18歳差6人兄弟の長男で、かなりの子ども好き。特に男の子の扱いは慣れたもの。
    • 竜石に魔法回路を描いて作り上げる竜石道具の職人としての才覚を持っている。元はと言えばバカ王子たちが正ヒロイン(リファナ)に「ええカッコ」をするため、彼女の悩みを解決するための道具の開発を安請け合いした上でユーフランに投げたために身につけた特技で、その詳細と王太子たちのブラックぶりをユーフラン本人から聞いたエラーナは(自身の死亡原因もあいまって)激怒した。ちなみにユーフランの性格のユルっぷりは、王太子どもの無茶振りによって巻き起こるストレスを自ら深刻なものにしない(自縄自縛に陥らない)ための自己防衛でもあった。
    • また、こうした経緯から物語開始当初は、その優れた才能にもかかわらず実は何気に自己評価と自尊心が異常に低い性格(主に王太子たちに無感謝のサンドバッグにされていた事と、実際に自身よりも優れた弟がいた事で、評価される体験・成功を喜べる体験が奪われていたため)である。そのため後述する親戚のツンデレ辺境伯の言葉も「他者に対するツンデレは見事に理解するのに、自分に対するツンデレだけはツン言葉を額面通りに受け入れてデレ感情を排除してしまう」という、とても損な思考をしていた。
    • 王太子の元に居た頃の自身の役目は「雑用係」を自称していたが、実はベイリー家の役割(後述)から、王太子の影として様々な任務に就いていた。特に外交調整(王太子の遊説に伴うスケジュールや動向の調整、相手先国家との様々な場面での交渉や折衝、各国の情報収集など)は当時のユーフランが任されていた最大の仕事であり、ユーフランがいなくなってからの王太子の海外遊学(歴訪遊説)はスケジュールがグダグダのガタガタとなってしまい相手側各国に多大な迷惑を振り撒く羽目に陥った(のだが王太子たちはそんな事など欠片も気にせず、また気付いてもいなかった)。
    • のちにゲルマン王からファーラの実質上の保護者として任じられ、爵位を貰う(実質押し付けられた)ハメになり、公的な場ではユーフラン・ライヴァーグと名乗る事になる。
    • なお原典である『守護竜様の愛し子』には登場しない(存在したとしても、名もなきモブキャラとしてのもの)。ちなみに妻のエラーナは、そんな夫の事を「本来、この世界ではありえないものを登場人物たち(ひいては作者)が持ち出してくるにおいて整合性を持たせるために発生した『因子(ファクター)』(特異点あるいは物語のご都合主義に対する世界恒常性における反作用点)ではないか」と推察している。
  • エラーナ・ルースフェット(ディタリエール)・フォーサイス/ ラナ
    • 本作のヒロイン。ユーフランの嫁で、通称はラナ。薄緑の髪に翡翠色の瞳を持つ。青竜アルセジオス王太子アレファルドの元・婚約者であり、青竜アルセジオス国王家を支える四大公爵家の最筆頭ルースフェット宰相家の一人娘であり、本編の原典作品とされるネット小説『守護竜様の愛し子』の悪役令嬢。そしてアレファルドからの婚約破棄によって『守護竜様の愛し子』愛読者としての記憶を取り戻した転生者…なのだが、その事はユーフランも含め周囲には言わない事にしている。(のちユーフランには打ち明けている)
    • 本来は高飛車で厳格で上から目線で無情な正論の嵐を振り撒くような性格だったが、前世覚醒の影響により平民感覚を目覚めさせる。前世は知的財産管理や経営戦略を担当する部署で辣腕を奮っていたらしく(今世ではそんな経験など無いにもかかわらず)交渉事が、かなり得意。しかし前世覚醒で人格が前世側に引っ張られた影響で、この世界での常識や育ってきた体験(特に学園で受けた教育や人間関係)が意識からぽっかりと弾き飛ばされている場合がある。(頑張れば思い出せるようだが)
    • 原典『守護竜様の愛し子』では婚約破棄から国外追放に至った後、正ヒロインと王太子を恨み、自らを棄てた故国を恨み、それを邪竜信仰の教団につけこまれたあげく、邪竜復活の生贄にされて死んでしまう。が、前世に覚醒した今では、その破滅だけは回避したいとの思いから恩讐(つまり倍返しルートやざまぁルートの可能性)を早々に捨て去り前を向いて奮闘する事になる。
    • のちにユーフランと同じ事情で、公的な場ではエラーナ・ライヴァーグを名乗る事になる。
    • ちなみに前世ではネット小説を読むことが趣味だったようで、その記憶が蘇ってからは、かつて前世で読んだネット小説に出ていた農民を目指して学園の敷地まで耕した公爵令嬢を全力でリスペクトするのだと息巻いており、住むことを許された元・牧農場の開拓にも思いっきりやる気になっている。(書籍版設定) また、どういうワケか森の動物とも心を通わせている(会話をしている)かのような描写がある。
    • 実は前世では料理も趣味であり、そのレシピの記憶も一通り今世に持ち越している。のち元・牧農場はその知識を生かした地産地消の農家(牧場)カフェになった。
    • ちなみに前世での死亡原因はブラック企業に使い潰されての過労死(ただし上司の教唆による自殺)。そのため「成果を上げた(努力した)人が、正当な報酬を得る」という事に、ものすごくこだわるトコロがある。そして、青竜アルセジオスにおいてユーフランの置かれていた環境を知り激怒した。結果、物語の当初よりユーフランに対して手放しでの高評価を伝えまくり、それはユーフランに自身の本当の才能と価値を教える事となった。

青竜アルセジオス

  • アレファルド
    • エラーナを国から追い出したアルセジオスの王太子。本作屈指の色ボケ(攻略対象)の一人。そのあまりといえばあまりのアレっぷりに、物語が進むにつれ、ユーフランからはアホファルドと、またのちにユーフランに代わる部下となったクールガン(ユーフランの弟。後述)からは無能とまで呼ばれるようになる。
    • この国で、たったひとりだけの王太子であるがゆえに、かなーりワガママ放題に、かつ継王教育の内容を曲解しまくったあげくド傲慢に育ってしまった正真正銘のバカ王子。しかし、曲がりなりにも臣下だと思っていた(ゆえに無茶振りをしまくっていた)ユーフランが自分の下を離れた事にショックを受け、のちに自らの身を省みるようになるとともに、父王からの命を燃やすが如き最期の教育を受け、さらには自らの下を離れたユーフランの活躍も刺激になり「少しずつ」「ちょっとだけ」マシになっていき、クールガンの無能呼ばわりや喧嘩腰も「(自らの未熟や過去の過ちを自覚するために)それくらいの悪態を吐かれないと気合が入らない」と、あえて受け入れる器の成長ぶりを見せていく。
  • リファナ
    • アレファルドがエラーナを追い出す原因となった金の瞳を持つ平民出身の少女。原典『守護竜様の愛し子』の正ヒロインで、原典タイトルの通り「守護竜(様)の愛し子」という能力による「聖なる輝き」を持つ。(金色の瞳が能力の証)
    • その能力と美少女っぷりから、アレファルドを筆頭に、国の重鎮の息子たち(まぁ、原典に言うところの攻略対象たち)すらも篭絡されており、彼らはリファナに貢ぐためにやりたい放題を重ねつつ在学中にはユーフランにも無茶振りをやらかしていた(これはユーフランがアレファルドたちを見限った原因のひとつでもある)ため、かなりの傾城要素を持ち合わせている。
    • が、のち(第5部/第5巻)の登場によって、これらの所業の全てが無自覚なやらかしである事が明らかにされた。エラーナと再会した際には即、懐きエラーナを戦慄させている。そして正真正銘の脳味噌お花畑娘かつド天然ものの傾城娘である事が明らかにされた。
    • Web版では4バカに籠の虜にされてしまい、密かに途方に暮れていた。しかし再会時に4バカを叱りつけるエラーナに即座に憧れ、さらには「これは本来アンタのやるべき事でしょう!」と叱咤された事に涙を流して感激。エラーナに「弟子にしてください!」と直訴した(もちろんエラーナはドン引いた)。
    • 書籍版では第5巻から本格登場。アレファルドからエラーナのネガティブ評価を吹き込まれていたが全く信じておらず、ずっとエラーナと話し合いをしたいと願っていた事が明かされた。またティムの所業に対してお前が言うなクラスの大激怒を発し、エラーナと共にティムをハメる作戦にノリノリで参加した。
  • スターレット・アロード・フェンディバー
    • アレファルドの「親友(側近)」のひとりで四大公爵家のひとつアロード家の嫡男。リファナの色気にヤラれた色ボケPART2。次期(アレファルドが王座に就いた時における)宰相候補。バカ王子の手下となる3バカ1号。ちなみにアロード・フェンディバー家は青竜アルセジオス国においては国家公共事業(特に国土運用にまつわる公共工事)の割り振りや長期計画を一手に引き受ける役目を負っている。
    • 物事の表側を繕うのが得意ではあるが、スグにボロが出る、脇の甘いバカ。リファナを想うがあまり、彼女の心をアレファルドから自分の元に向けさせるため貢ぎに貢いだ挙句、王よりアロード家へと開発を命じられた辺境の村の開発資金より公金横領をやらかす事になり、さらには、その尻拭いを部下(ユーフランの元・友人)に押し付けるという、なかなか最低な事をしでかしている。
    • エラーナを国から追い出す手続きを、あれよあれよという間に調整を終えて推し進めたのは、こいつ。
  • ニックス・マシール・クレロアン
    • アレファルドの「親友(側近)」のひとりで四大公爵家のひとつマシール家の嫡男。やっぱりリファナの色気にヤラれた色ボケPART3。各種決裁の書類管理を引き受けている3バカ2号
    • リファナを想うあまりに本来なら手を取り合って仕事を進めるべき仲間である3バカ2人さえ敵とみなしており、自らの政治手腕で追い落とそうとしている。
    • エラーナの国外追放に必要な各種書類(偽造)を揃えたのは、こいつ。
    • ちなみにニックスが思い描いていた企みは、全てユーフランに読まれきっていた。最終的にはユーフランの暗躍と、それを受けたアレファルドの行動により、企みは人知れず潰える事となった。
  • カーズ・ルッスルール・ロージス
    • アレファルドの「親友(側近)」のひとりで四大公爵家のひとつルッスルール家の嫡男。やっぱりリファナの色気にヤラれた色ボケPART4。ルッスルール家は王国軍の総帥権を持つため、言うなれば次期軍総帥。あと、その権限を都合よく利用して家専用の私兵(本来はそんなモノは持ってはいけないので、タテマエ上は軍総帥直下の特別部隊)を持っている。
    • 良くも悪くも騎士道精神に憧れまくっているThe脳筋にして3バカ3号。その想いから3バカの中で彼だけはリファナの独占は全く考えておらず、ただ「リファナの騎士」としてリファナとリファナが想いを寄せているアレファルドに忠義を尽くす事を考えている。(もっとも、そのひたむきさによってリファナがもう少し自分の方を向いてくれればいいな、と考える打算は持っている)
    • のちに、その単純馬鹿をスターレットとニックスに利用されエラーナの暗殺を企てようとした。(当然ユーフランに返り討ちに遭った上で、自身のバカさ加減を懇切丁寧に講義される事となった)
    • ちなみにユーフランの弟(次男の方)よりも弱い。
  • ダージス・クォール・デスト
    • スターレットの「友人」である、クォール伯爵家の息子。ユーフランとは学園時代に「パシリ仲間」だった人物。ユーフランおよびエラーナとは学園時代のクラスメイト。ユーフランがエラーナと共に国外追放となってからは、ユーフランの身代わりとして色ボケどもの人身御供(無茶振りの犠牲者)と化していた。しかし本人はユーフランほど器用でもないために、正真正銘「友人たち」のストレスのサンドバッグと化している。
    • スターレットの公金横領の片棒を担がされた挙句、窮地に陥りアレファルドの入れ知恵でユーフランを頼る羽目に。そしてユーフランに帰ってきてほしいと懇願するが、すでにエラーナによって自らの価値を知ったユーフランがその帰還願いに応じる事は無く、逆にユーフランから「俺は(それを誰の助けも借りられずに)4年我慢してきた」と責められる事となった。(しかしユーフランは話がこじれて長居されるのを嫌ったため、一応の応急策を授けて返した)

主人公夫婦の縁者

  • カールレート・ドゥルトーニル
    • ユーフランの遠縁にして緑竜セルジジオスの辺境伯であるドゥルトーニル家の長男(次期当主)。ユーフランの才能に惚れ込んでいる。そのためユーフランが引っ越してくる前には、幾度となく「ウチに養子に来ないか」と勧誘していた。
    • 両親譲りの感激屋にして細かいことを気にしない豪快な声のでかい人。心の裏表を持たず懐はでかいが、その分、デリカシーも無い。(悪い人ではないのだけれど、本人が気にしている様々なことを「大したことじゃない」と筒抜けにしてしまうため、モヤらされるタイプ)そのためユーフランも時に(というか大抵は)接されてウザく感じる事もある。
  • ドゥルトーニル伯爵
    • カールレートの父。ドゥルトーニル家の現当主。威厳と厳格がありまくるツンデレのオッサン。以外と迷信深い(というか辺境伯として領主でもあるので迷信でも現状として民にある程度認識があるなら、そこにはどうしても配慮せねばならない立場である)。常に大声で怒っているように見えるが、実はそれは相手を本気で心配しまくってくれているがゆえの事。人をボロクソに扱き下ろすが、よくよく聞けば言っている事は普通。基本的に情には厚い人でレグルスから孤児たちの事を聞かされた時は、子どもたちのために怒り、本気で嘆き、涙した。そのため初めて接する人には誤解されやすいが、慣れれば本音が見えて親しみも沸く人、らしい。(ある意味では初対面で損に見られる面倒くさい人) なお緑竜セルジジオスでの「瞳や髪でゲンを担ぐ」文化のためユーフランには少し冷たい(ように見える)。
    • 例えばユーフランに対する「お前の赤い髪はけしからん! 緑(山野)を尊び炎(山火事)を忌む、わが国では不吉の色だ! 本来ならウチに近づくこともまかりならんわ!」という暴言は「この国では赤い髪は不吉の色だから、お前が差別されないか心配だ。親戚だから我が家にも来てくれることは嬉しいが、来る時や帰る時には変な奴に絡まれぬよう、どうかくれぐれも気を付けておくれ」という内容として翻訳(理解)する形になる。
  • ルース・ディタリエール・ベイリー
    • フランの弟。ディタリエール六兄弟の次男。兄様大好きのブラコン。兄が出立する時には泣き叫んで「行かないでほしい」と訴えた。あと数ヶ月で社交界デビューかつ、近く学園に上がる予定の14歳男児。
    • 実は密かに「好きな子には意地悪をしたくなる」タイプであるらしく、自らの婚約者には「いけず」に接しており、その度にユーフランから苦言を呈されているという。
  • クールガン・ディタリエール・ベイリー
    • フランの弟でディタリエール六兄弟の三男。9歳。やっぱり兄大好きのブラコン。兄の出立は兄がいなくなって寂しい思いと、兄の役目に対する理解が拮抗して葛藤に至った挙句、すぐ上の兄があまりにも取り乱してしまったために逆に冷静になるをえず、結果として無表情で見送る事に。名前の通りクールな性格で通常は自ら感情をひけらかす事は無い……のだが、実は「隠れた激情家」としての側面があり、いわば噴火直前の火山のような、齢9歳にしてとてつもなくヤベェ性格の持ち主。おまけに結構、腹黒い。
    • 幼いうちから「ベイリー家」の力を強く発現させており、この事から、ディタリエール家の嫡子でもある。その事はユーフランも了解済み。
    • のちにユーフランが出て行ってしまった事から、その後釜として王太子アレファルドに仕える事となってしまうが、その際には兄(と義姉)の一件の恨みを隠そうともせず事ある毎に王太子とその取り巻きに対して「竜爪」と呼ばれる一族相伝の攻撃魔法を奮い、周囲には「子どもだからわかんなーい」と、アザとい言い訳で切り抜け、結果彼らをビビらせる事となる。そして王太子に対しては、もはや敬称はおろか名前ですら呼ばず「無能」とのみ呼んでいる。(さすがに儀礼の場などでは控えているが)
    • 実は『守護竜様の愛し子』第三部のメインヒーローである事が、のちにエラーナから明かされる。その際にはリファナに冷たい態度を取りつつも、やむなく助けるようになり互いに解りあうようになるのだとか。エラーナにとっては前世の最推しキャラであり、いわば作者の中二心のカタマリなのだとか。
  • ディタリエール伯爵
    • ユーフランたちディタリエール六兄弟の父。ディタリエール伯爵家(青竜アルセジオス・ベイリー家)の現当主。国の法を司る法官長の地位にあり、バカ王子の無体に仕えている現王ともども頭を痛めている人。王太子に婚約破棄されたエラーナの事後を案じ、息子であるユーフランを彼女につけた人、その2。(その1は青竜アルセジオスの現王)
    • 上述のように青竜アルセジオスにおける「ベイリー家」の当主であり、実は仕えている相手は国の王ではなく「守護竜」たる青竜アルセジオスそのものであり「守護竜」の御前においてアルセジオス王家とは対等とされる「王家の影」たる家。王家の暴走を止めるストッパーとしての役割を持つ。
    • 実はかなりの愛妻家で、18になる息子のいる身にもかかわらず、常に自分の妻に愛の言葉を囁きまくっている人(無自覚)。そして息子たちはものの見事に、その親の仲睦まじさによって「夫婦(恋人)とはこういうもの」という無言の学習を行っていた。(つまりディタリエール家自体が愛妻家の家系と言える)ちなみに息子たちにソレを指摘された時には「うそじゃん!?」と驚愕した。(長男と三男はソレを素直に自らのものとしていたが、次男はその点ではちょっとだけヒネている模様)
  • ルースフェット公爵
    • エラーナの父。青竜アルセジオスにて現王の宰相を務める、ルースフェット公爵家の当主。フランが度々出していたリファナに関するレポートを話半分に聞いたために娘の破滅を招いてしまった人。エラーナの破滅と追放に思いっきり激怒&号泣するも、最後の最後でエラーナに手を差し伸べたユーフランに一縷の希望を見出し、涙ながら彼に娘の未来を託す。宰相としては優秀だが家庭人としては激情家でガチの娘バカ
    • 原典『守護竜様の愛し子』では娘バカゆえ、娘ともどもに邪竜教団に付け込まれ、教団に手を貸したあげく(実は王太子からエラーナを守ろうとしてくれていた)王を誤解で暗殺して娘もろともに破滅(死亡フラグ)一直線となってしまう人。しかし本作ではエラーナの前世覚醒で、そのルートから離れる事となった。

エクシの町(主人公の拠地)の人々

  • レグルス
    • 緑竜セルジジオスに本拠を据える、新進気鋭の商人。色黒で少しラテンめいた筋骨隆々のオネエ。フランの生み出した道具の販売権を巡ってエラーナと丁々発止の大交渉を繰り広げた挙句に意気投合し、周囲にあーあ、出会っちまったかと言わしめ混ぜるな危険コンビと化す。ラナいわく「とても話の分かるいい人」。
    • 北方熱帯の火山国「赤竜ヘルディオス」の孤児出身。ヘルディオスは弱肉強食と自己責任論が行き過ぎた果てに子捨てや幼少期の夭折(貧困層の子どもを見捨てる事)が横行している文化が蔓延しており、そうした「捨てられた子たちが真っ当に生き残れるようにする」事を生涯の目標に掲げて商人となった過去がある。
    • のちにユーフランとエラーナの協力を得て、赤竜ヘルディオスの子どもたちを引き取り緑竜セルジジオス(の、ユーフランたちがいる農場の近く)に養護施設「レグルス商会こども園」を建てる事となった。
  • グライス
    • レグルスの兄。気鋭の竜石職人(本職かつ凄腕)。素人であるはずのユーフランの技術(天賦の才)に驚愕し、のちには彼の元で自らの腕をさらに(レグルスのせいで強制的に)研鑽するとともに、のちには竜石の職人学校にて技術研究と後進の指導を行う事となる。
  • クーロウ
    • ユーフランたちが腰を落ち着けた牧農場に一番近い町「エクシの町」の町長であり大工の棟梁。町の代表者であるため、一応、男爵位の持ち主でもあり、領主でもあるドゥルトーニル伯爵からの信頼も厚い人物……というか、似た者同士。伯爵とは謎の師弟関係を結んでいる間柄で、二人揃ってテンションが上がると、なぜか外に出て挨拶代わりの格闘戦をおっぱじめる。
  • ワズ
    • ユーフランたちが町に引っ越してきた最初の買い出しの際に声をかけてきた子ども。家畜屋の息子で牧農場に引っ越してきたユーフランたちに家畜を飼わないかと売り込みに来た。この取引で母親にプレゼントを買いたいという目的もあってか、商売に関してはシビアでしっかりしている。商売人の先達である事からレグルスを尊敬している。ユーフランたちと仲良くなってからは、牧農場の家畜の様子を継続して診るというタテマエで、よく遊びに来るようになる。(仕事である事は本当)
  • ローレン
    • ワズの母で家畜屋。夫の腰痛に悩まされていたが、エラーナの助言で解決する。
  • ナードル
    • ワズの父。もちろん家畜屋だが同時に獣医でもある。腰痛に悩まされていたがエラーナが生活の助言をした事で改善する。
  • メリンナ
    • 「エクシの町」にて薬師を営んでいる女性。酒好きで常に酔っぱらっている残念な美人。しかし薬師と言いながらもエクシの町は無医の町であるため、実質上の医者として活動せねばならないこともままあり、町の健康を一手に引き受けている。(本職の医師はさらに王都に近い場所にある「エンジュの町」まで行かないと呼べない)
  • アイリン
    • メリンナの助手を務めている少女。おおよそ酒絡みでやらかす師匠のストッパー役。言葉が丁寧(時に行きすぎて慇懃無礼)なメガネっ娘。その丁寧さはユーフランが「令嬢教育でも受けていたのか?」と感じてしまうレベル。
    • 初めてユーフランと会った際、彼に紳士的な対応をされて惚れそうになるも、直後にエラーナから夫婦であることを自己紹介され、一時的に落ち込む羽目になった。
  • ミケ
    • ユーフランたちが居を構える牧農場に隣接する森林に住んでいる。どう見たって虎だが「にゃーん」と鳴いて喉をゴロゴロ鳴らしエラーナに食べ物をねだった。その様にユーフランは「虎とは!?」と自問自答して悩み、思考のゲシュタルト崩壊を起こしかける。
    • 実は7匹の子供を持つ母虎。通常であれば虎が一度に生めるのは4匹が限界なので、ユーフランはその事をいぶかしんだ。その後、実は密猟者に親を殺された子虎たちを一緒に養っていた事が判明する。そしてユーフランたちの前に姿を現したのは、食料の確保もさることながら万が一にも(密漁などで)自分に何かがあった時に、子どもたちを託せる相手を欲していたためだった。これらの事からも解るように、普通の虎ではなく、非常に頭の良い虎。ユーフランは、ただの虎ではなく竜の血筋を持つ「竜虎」ではないかと推察した。
    • もともとは書籍版(1巻)限定ストーリーに登場したキャラクターだが、のちにアップされた番外編で子どもたちが再登場した。(そのためネットでの話だけを追って読んでいると、この「ミケの子どもたち」の話が出た時に突然感を感じて面食らう事になる)

こども園の孤児たち

  • クラナ
    • 孤児たちをまとめている「おねえさん」格の16歳。本来なら施設を出て独立してもおかしくない年齢であるが、子どもたちの面倒を看る事のできる人間がいない事から、子どもたちのまとめ役として「弟妹の育児」と「施設の家事」に明け暮れていた。この事から、しっかり者の頑張り屋。緑竜セルジジオスのこども園に来てからはエラーナの妹分として、彼女の助手的な立場となる。のちにダージスに惚れられてアタックを受ける事となった。
    • こども園に来るまでに苦労を重ねた事から、いくぶんワーカホリックな部分がある。ラナからは「この子、いけない! 社畜の血が目覚めかけているわ!」と危惧され「積極的に休みを取るように」「自分自身の楽しいことを優先するように」と申し渡されている。
  • ニータン
    • 地に足をつけた考え方をする、真面目でしっかり者な茶髪に茶毛を持つ8歳の男の子。警戒心が強く注意深い。他の男子たち(年上含む)たちがはしゃぐ中でストッパーを務める事も多い。
  • アメリー
    • 少し独特(というか電波系な芸術家肌)な感性と、紫髪に赤瞳を持つ6歳の少女。早起きをして花の蜜を吸うのが好き。好きなもの、気になるものは、どんどん極めていくタイプ。
  • クオン
    • ピンク髪に緑瞳を持つ9歳の少女。活発で勢いがいい。ヤンチャな奴らに対してはスグに手が出るのが玉に瑕。瞳の色の事もあり、エラーナに印象が似る。
  • シータル
    • 冒険野郎な10歳のやんちゃ坊主。赤毛赤目の少年。頬に大きな古傷があるが、虐待などではなく、実は木登りをしている最中に落ちて枝で大きく切った跡。後先考えずに思ったことを即座に口に出したり、軽口を叩いたりするために失言が多く、その都度叱られている。(初対面時には、エラーナを指して、やんちゃ坊主にありがちなブス呼ばわりをしてユーフランに半ギレされ、手痛い目に遭わされた)
  • アル
    • シータルに次ぐやんちゃ坊主。赤茶髪に紫の瞳を持つ9歳。派手なそばかす持ちで、よくニヤニヤ笑いを浮かべている。
    • 好きな子にイタズラやちょっかいをかけたいお年頃。特にクオンによく絡む。が、ユーフランとエラーナとクラナに滔々と逆効果を説かれて改心を誓う。(その際にユーフランのエラーナに対する「紳士」ぶりを目の当たりにして、ユーフランの事を真面目に尊敬して「さん」付けをするようになる)
  • ファーラ
    • 金髪に茶色の目を持つ少女。竜石の力を無効化させる「加護なし」と呼ばれる能力を持つ娘。故郷の赤竜ヘルディオスでは、孤児が竜石道具に関わるような事はまず無かったために見逃されていたが、緑竜セルジジオスでは竜石道具がある程度普及していたため、この能力が発覚してしまう。「加護なし」の力は、信仰の対象でもある「守護竜」の力の象徴でもある竜石を無効化させるという事から、この世界では各国ともに程度の差はあれど差別と迫害(下手をすれば地域によっては恐怖)の対象になっているため、この力が発覚してからは自身の力(と、それを知った周囲の反応の予想)に怯えて、とても内向的な少女となっていた。
    • しかし、かつてはアレファルドの影として各国各地の様々な異文化を知ってきたユーフランや、現代日本の記憶を持ち越しているエラーナは、そのような差別の色眼鏡でファーラを見る事は無く、二人からは「加護なしなど、大したものではない」「ちょっと変わった力を持ってるだけの普通の子だ」「加護なしでも人の役に立てる場面は必ずある」と教えられ、それが自らの呪縛を解く救いとなり、心を外に向けるきっかけとなった。以降、ユーフランとエラーナに対して娘の如く懐くようになる。
    • のちに自らの身に秘められていた「ステラの欠片」を目覚めさせ、瞳が金色へと変わり、後天的に「加護なし」の力を持つ「守護竜の愛し子」という、相反する力を一つの身に秘めた存在となる。

緑竜セルジジオス(王都ハルシオン)

  • ロザリー
    • 緑竜セルジジオスの第一王女。濃緑色の髪に翡翠色の瞳を持つ12歳のお姫さま。エクシの町で話題になった新しいアクセサリーや魔法道具や料理などに興味を持ち、それを扱っている商人や開発者に会いたいとレグルスとユーフランたちを王城に招待した。しっかり者ではあるものの好奇心旺盛な姫様。また、その立場に相応しい聡明さの持ち主でもあり、すでに王より執政の一部(王都近郊の農政事業)を経験を積ませる意図のもと試験的にではあるが任されている。ちなみに緑竜セルジジオスには現時点で男児の誕生が無いため次期女王としても嘱望されている優秀な姫さま。
    • しかし時を同じくして青竜アルセジオス王太子アレファルドの訪問が重なった上、その訪問が当初予定されていたスケジュールを大きく逸脱したものであった(あと後述するトワ王子の来訪も重なった)ため、王城はパニックに陥れられていた。その困りぶりを目の当たりにしてしまったユーフランとエラーナ(特にエラーナ)は、その元凶となった色バカ共にキレる事に。
    • 実は「貴族時代」(アレファルドの外交折衝担当者時代)の(おそらくはちょっとすれ違うか見かけた程度であるはずの)ユーフランの事をしっかりと覚えていた。その事実に、ユーフランはロザリー姫の「王族としての」優秀さを感じ入り驚愕する。そしてユーフランとエラーナが国民権の請求中である事に思い至り、その後押しをする代わりに自らを助けてほしいとちゃっかり要求した。
    • ユーフランとエラーナのおかげで窮地を脱する事に成功した後は、二人(特にエラーナ)と友誼を結ぶ。さらにはビジネスパートナーとして二人(と、ひいてはレグルス)を支援する事となる。
  • ゲルマン王
    • 緑竜セルジジオスの王様。威厳と寛容、優しさと厳しさ、確かな部下に恵まれ、経験に裏打ちされた王の器を持ち、これらをキチンと御せていて、さらにはちゃっかり国益もゲットしてたりする、とってもデキた王様。
    • ユーフランとエラーナに窮地を救われた礼として、二人の国民権を承認した。
    • 青竜アルセジオスには様々な局面で煮え湯を飲まされていた(とはいえソレらは即戦争に至る程の大きな問題ではなく、それゆえタチが悪かった。そして、それらの原因は大概アレファルドにあった)事もあり、ユーフランとエラーナの市民としての迎え入れはアレファルドが出席した会食の場で行われ、しかもその際に「こんな優秀な子たちを国外追放にするとか、どんだけバカだ。いらないならわが国がありがたく貰おう(意訳)」と皮肉タップリにブチ挙げている。そのため、デキた王様ではあるが何らかのスイッチが入ると途端に大人げなくなる人でもある。(このあたりは娘のロザリーにも似た部分が見られる)

黒竜ブラクジリオス

  • トワイライト
    • 黒竜ブラクジリオスの王子。金の瞳を持つ、ブラクジリオスにおける「守護竜の愛し子」。まだ幼く、自らの事を「トワ」と称する。心優しく素直で天使な男の子。
    • 守護竜がらみでお供とはぐれた際に野党に襲われていたが、その現場がユーフランの住む牧農場の近くであったため、偶然、場に居合わせたユーフランに保護され、それ以降、定期的に交流するようになり、これを通してワズやシータル・アル・ニータンと立場を超えた友達になる。
    • のちに緑竜セルジジオスの第四王女・ロザリア姫と婚約する事となった。
  • ロリアナ
    • トワイライト王子の護衛を務める女性近衛騎士。その正体はトワ王子の姉、すなわち黒竜ブラクジリオスの姫君(第四王女)。弟がとっても大好き。
    • 本来は姫君だが、黒竜ブラクジリオスの公爵家のひとつが跡継ぎの無いままに死んだため、この家を存続させるため臣籍降下されて末期養子となった。が、姫君うんぬんはともかくとして愛する家族(特に可愛い弟)と離れたくないがゆえに幾度となく養子先からの家出を繰り返し、ついたあだ名が(ダブルミーニングで)『家出姫』。結果「弟と離れたくない」思いと「養子先の都合」が合致する形として自ら弟の近衛騎士となった経緯を持つ。
    • 初めて出会ったとき、ユーフランに惚れかけるが、直後にユーフランが既婚者と知って人知れずショックを受けてしまう。
  • ジルドロッセ
    • 書籍5巻より登場。(Web版には登場しない)
    • ブラクジリオス4大公爵家のうちの1家クロパス家の当主を務めている公爵にして外交官、とフランは認識していたが実は王族でディーロッサ王(ロリアナの父)の弟(公爵家を継いだ事情はロリアナとほぼ同じ)。そして、実はトワ様の実父
    • しかしディーロッサ王が体調不良により政務が不可能になったとして引退を表明したため、結果として王より譲位され、改めて新たなるブラクジリオス王となった。
    • フランとは外交関係で面識があり、彼の事を高く買っている。

黄竜メシレジンス

  • クラーク
    • アレファルドの兄貴分を自称しているメジレジンスの王太子。Web版においては本人は登場しないが、ユーフランの過去回想や関連する話題に断片的に登場する人物。
    • アレファルド(と、ユーフラン)に対してご執心な束縛屋気質の持ち主。そのアレっぷりはあの人レベル。アレファルドの人間関係をすべて把握したがり、そしてその周囲の人間たちをもアレファルドもろともに自らの元に迎え入れたいというヤバいお人。ちなみにバイセクシャルの気が垣間見える。
    • 実は幼き日のユーフランも彼によって薔薇の世界に連れて行かれそうになり(その時壁ドン顎クイでユーフランの股間にクラークの太ももをあてがわれ耳元で「ボクの影にならないかい?」「優しく教えてあげるよ」などと危険な色気たっぷりにささやかれた)血相を変えて慌てて逃げた過去がある。その事はバッチリ、ユーフランにとって大きなトラウマと化しており、下手なタイミングで「黄竜メシレジンス」の名を聞こうものなら頭を抱えて震え出すレベル。またアレファルドも迫られた事があり、こちらもトラウマと化している。
    • 書籍5巻にて満を持しての登場を果たした。各国の王族たちからは胴大陸随一のクセ者にしてキレ者という評価を与えられており、その行動は天衣無縫にして捉えどころがない。現場主義かつ自由人の側面もあり、従僕の皆様はいつも苦労している旨が語られる。おそらくは様々な意味で作中最強の一角。
  • ハノン・クラリエ
    • クラーク王子のお付き。寡黙な強面。金色の瞳を持つ黄竜メシレジンスにおける「守護竜の愛し子」であり、この世界に現存する「守護竜の愛し子」の中では最高齢の56歳。
    • 元々は黄竜メジレジンスの近衛騎士でありクラーク王子の(教育係を兼ねた)お付きであったがクラーク王子の誘拐事件が巻き起こった際、後天的に「守護竜の愛し子」の力に覚醒した。覚醒後もクラーク王子に仕える事を選んでおり「変わり者」と言われている。
    • 老境にあっても近衛兵として鳴らしたその強さは衰える事無く、剣や武術のみならず暗器すらも使いこなす。そして、そんな彼に育てられたクラーク王子も、その強さを寸分違わず受け継いでいたりする。

紫竜ディバルディオス

  • ティム・ルコー
    • 書籍5巻に登場する紫竜ディバルディオスにおける「守護竜の愛し子」。当然「聖なる輝き」を宿しており、その事によって平民から貴族の養子へと召し上げられ、わがまま放題に育てられた。ガチのチャラ男気質で、自分に向けられている非難に関しては全て「冗談」として強引に受け流している。
    • 自らが「守護竜の愛し子」である事を鼻にかけ、あるいはその事を理由に人々を恫喝し、自らの目に留まった女性たちを強引に自らの元に召し上げてハーレムを作り上げていた。その態度は自らと同じ「守護竜の愛し子」であるリファナとファーラの怒りを買う。(が、本人はその事態の深刻さに全く気付いていなかった)
    • 紫竜ディバルディオスの現王であるシャレオーン王の妹姫であるエリリエを正規の婚約者として定められているのだが、そのエリリエの事は「自分より年上で高身長で自分を立てる事ができない醜い女」として側にも寄らせず歯牙にもかけていない。
  • エリリエ
    • ティム・ルコーの婚約者。紫竜ディバルディオスの現王であるシャレオーン王の妹姫。
    • 紛れもないティムによるDVの犠牲者。ティムによるモラハラによって心が衰弱しており、そのために声が人に聴き取れぬほどに小さく、また姿勢も体を小さく見せるために猫背が常となっており、堂々とした立ち居振る舞いができなくなっている。せめて、そのティムから投げかけられる「醜い」という評価をなんとか覆そうと考え、必死の思いでレグルスから化粧品を買い付けようとしてラナたちに出会う。
    • ラナに出会った時には、すでに鬱病を発症して自己肯定が消え去っており、命の危険すらあった。そのエリリエの有様はラナの怒髪天を突くことになった。そしてラナとフランとリファナとファーラとアレファルドとレグルスによる総がかりのケアによって「ティムの婚約者をやめたい」という本音に行き当たり、結果ラナが司令塔となって彼女の婚約破棄へと動くことになった。
    • 婚約破棄後は、なぜかクラーク王子からプロポーズを受ける羽目に。本人はまんざらでもない模様だが、ユーフランとアレファルドは壮絶に不安を隠せなかった。
  • シャレオーン王
    • 紫竜ディバルディオスの王でエリリエの兄。かつて青竜アルセジオスに留学していた事があり、アレファルドの父であるアルセジオス王とは深い友誼を持っている。アルセジオス王の事を、自らの「王族としてのふるまいの師匠」として強く慕っている。
    • ティム・ルコーの無体に常に頭を痛めている。そればかりか実はティムの無体な所業が「もっとも礼と義に厳しい守護竜」とも言われるディバルディオスを激怒させており、このままではディバルディオス国が滅びてしまうと怯えと嘆きを繰り返している。この事を相談しようと自らの誕生日にアルセジオス王を呼ぼうと考えたが、肝心のアルセジオス王がアレファルドのやらかしでブッ倒れているため、アレファルドが名代として来てしまい絶望する……が、フランとクールガン(ベイリー家の者)も同時にやって来てくれたため(強引にだが)光明を見出す。
  • デルハン・イーテン
    • 紫竜ディバルディオス随一の錬金術師にして時計職人であり、そしてディバルディオス王家御典医の一角を務める女医
    • そして実はエラーナが大事にしている懐中時計の制作者。この懐中時計、名目上は婚約者時代にアレファルドからエラーナに贈られたものだったが、実はアレファルドのお付き時代のフランがデルハンにエラーナの人となりを伝え自らデザインを選び特注したもの。のちにソレをバラされてフランは大慌てする羽目になった。
    • Web版では名前だけが出てくる(その時にデルハンの名と医者の身分を騙った男性の詐欺師がアルセジオス王を診察していた事が明かされた)人物だが、書籍版ではリファナとアレファルドの要請によってアルセジオス王の状態を診るべく青竜アルセジオスへと本当に出張する事となった。

用語

  • 貴族・王族
    • 本作における貴族・王族は本来「守護竜より世界を導く権能と義務を与えられた者」であり、守護竜より、その証として竜力を用いる加護(=魔法)を与えられている。貴族は、その加護を世の加護を持たぬ人々のために使い、そして彼ら貴族ではない平民たちと守護竜を与えられた力で守る役目を持っている。
    • 貴族(特に古代に守護竜より加護を賜った古い家)の氏名・家名は「個人名(ファーストネーム)・家名(名字/ファミリーネーム)・一族名(クランネーム)」となる。特に「一族名」は守護竜から賜った加護を表す名前といえるもの。
    • 一方で王族は一族名は持たず、国名がそのまま家名となる。(なので、アレファルドの場合はフルネームが「アレファルド・アルセジオス」と、トワ王子の場合は「トワイライト・ブラクジリオス」と、またロザリー姫の場合は「ロザリー・セルジジオス」となる)
    • しかし、のちに人間たちはその力で争い合うとともに、複雑な社会構成を作り上げ、その結果として加護は衰退し、社会に組み込まれた「貴族」というシステムだけが本義を失い形骸化したままで支配層として居座っている、という状態になっている。
    • その形骸化したシステムの中で「(各国の)王家」と、王家に仕える「ベイリー家(正しくはベイリー氏一族)」だけは、ほぼ例外的に太古よりの役割を継承している、とされる。王家は国家を管理する役割から守護竜とコンタクトを取り直接的な指示を仰ぐ立場にあるためで、ベイリー家はその監査役であるため。
  • ベイリー家
    • ユーフランの出自であるディタリエール家が属する一族(クラン)。かつての戦乱の時代、それを招いて対立していた各国の王家に困り果てた守護竜たちが、その監視役として力を与えて任じた一族。ベイリーとは「法(律)」を意味する。代々、守護竜より「竜爪」という実態のある魔力刃を出し武器として扱う加護を有している。
    • 王家の監査役として、その権力に対し牽制の役目を持つ家柄である事から時に「影の王家」とすら呼ばれる事がある。ディタリエール家は「法官長」として国の法律運用の最終決定権を扱う事で、その役目を果たしているが、その在り方は国によって異なる上、どの家がベイリー家であるかは国家によっては秘匿事項である事も多い。また「ベイリー家」の者にとって「真の仕えるべき王」とは、自らに力を与えた守護竜そのものであり「自らの属する人間国家の王」は「仮の王」に過ぎないものである。
    • ちなみに緑竜セルジジオスの「ベイリー家」はドゥルトーニル伯爵家であった事が第五部で明らかにされている。しかしドゥルトーニル伯爵家は辺境伯として人社会のシステムに組み込まれてしまっているためベイリー家としての加護を失いつつある、とされている。
  • 竜石
    • この世界における魔法石(魔力石)。大元は守護竜の成長と共に剥がれ落ちた鱗。守護竜の竜力(魔力)が内在しており、大きさによって内在する竜力が異なる(基本的に大きいほど使える竜力が大きくなる)。この石に対し、もたらしたい命令(エフェクト)を回路として刻み、その竜力を用いて稼働する魔法道具を竜石道具と呼ぶ。
  • 守護竜の愛し子
    • この世界を守護するとされる「守護竜」(六大竜)に力を与える事ができる存在(巫女・御子)。その証として「聖なる輝き」を宿した金の瞳を持つ。
    • 後に「聖なる輝き」とは、この世界の「異界から創造の竜神クリアレウスとともにやってきた創世の力」にして「星のエネルギー」である「原始星《ステラ》」の欠片であり「守護竜の愛し子」とは「ステラの欠片」を身に秘めた者であることが明らかになる。
    • その力を持つ者をぞんざいに扱えば国が亡ぶとまでいわれる強烈なもの。そのため、かなりキツいワガママも聞いてもらえる身の上。言うなれば人間社会にとっては、事と次第によっては王家の上にすら立てるジョーカーとしての役割を持たされる可能性すらある。
    • 本作劇中のメインキャラにおいては、リファナ・トワ王子・ファーラが該当する。
  • 加護なし
    • 「守護竜」の力を反発あるいは無効化させる事ができる存在。特に守護竜の力の結晶とも言える竜石の力や、貴族が守護竜から与えられている加護(魔法)を無効化できる。この事から各国ともに程度の差はあれど差別と迫害(下手をすれば地域によっては恐怖)の対象になっている。そのため、守護竜の力を増強させる「守護竜の愛し子」とは対極にある者と言われる。ある意味で守護竜の愛し子とは表裏の関係にある「裏ジョーカー」の存在とも言える。
    • 本作劇中のメインキャラにおいてはファーラのみが該当する。
    • のちにユーフランがファーラを保護している事を知った、ユーフランの父によってディタリエール家(ベイリー家)の知識が限定的ながらもユーフランに与えられ、それによって加護なしにはその性質により二通りのタイプが存在する事が明かされた。
    • ひとつは守護竜の力を反発させる事ができる「反発型」の加護なしで、竜石の力や加護をはじめから受け付けないタイプ。原因は最初から守護竜の力と体質との相性が悪い事に起因する、と言われる。
    • もうひとつは守護竜の力を吸収する事でその力を無効化させる事ができる「吸収型」の加護なし。守護竜の力と自身の相性が良すぎるために発現する「加護なし」で、ファーラはこちらに該当する。
  • 邪竜教団
    • 六大守護竜ひいては創世の白竜クリアレウスによって成る、この世界に生きている事に対し「人間は守護竜によって侵略され支配されている」と考え、これを覆すため、守護竜たちとは正反対となる存在である邪竜を召喚して、その力で守護竜たちを打倒し「人間の世界を取り戻そう」と説く邪教。竜力によって成る竜石および竜石道具に対しても「人を堕落させる悪しき力であり技術」としており否定的。
    • 原典作品である『守護竜様の愛し子』では、リファナによって破滅したルースフェット家に近づき、エラーナを核として邪竜復活を目論んでいたが、本作ではエラーナがユーフランと共に竜石道具に関わりまくりの生活であるため、別の生贄を求めて企みをめぐらす事となった。
  • 『守護竜様の愛し子』
    • エラーナが前世で大学時代に愛読していた婚約破棄もののネット小説。転生したエラーナにとっては予言書にも等しく、本作ではその影響下から外れて脱する事が物語の主軸となっている。
    • 作品名の通り「守護竜の愛し子」と呼ばれる者たちを巡る一大ロマンス・アドベンチャー。エラーナの知識の上では、少なくとも第3部まで存在しており、コミカライズもされたという。当初はアレファルドをヒーローに、リファナをヒロインに据えた物語であったが、物語が進むにつれて徐々に群像劇と化していった感がある。
    • ちなみに、しっかり読み込むとご都合主義にあふれた非常に雑な世界観であるらしく、この世界に転生したエラーナは、そのご都合な部分に触れるに至ってはつい我慢できず「あの作者バッカじゃねーの!?」と暴言を吐いた。(まぁ作内では自分は破滅の上に邪竜復活の生贄としてムゴい最期を遂げるわけだから、やむないといえばやむないかもしれない)
    • なお、ここでエラーナが非難した「作者」とは、あくまでも「物語『守護竜様の愛し子』を執筆した者、というキャラクター」の事であり本作の作者である古森の事ではない事には(本来、常識的に考えればそうであるので念を押す必要もないはずだが、あえて)念を押しておきたい。

大陸・国家

  • 白竜(大陸)クリアレウス
    • 本作の舞台となる世界にして大陸。ある時、異界から創世の力を持ってやってきた白竜クリアレウスが創造した世界と伝えられている。世界を構成する大陸は鎌首をもたげた竜をかたどった形をしており、それは命尽き世界の礎となったクリアレウスの体の名残であるとされている。胴体を象った「胴大陸」と、首から頭にかけてを象った「頭列島」から成る。
    • クリアレウスの命が尽きたのち、その子どもたちである六大竜が大陸を守護し分割統治しているとされている。この大陸(世界)にある各国は、その六大竜の名を国名として頂いている。
  • 青竜アルセジオス
    • 主人公夫妻の故国。山上の大湖上に王都を置いており、この大湖から流れ落ちる川が全大陸ほとんどの河川の水源となっている事から「水の国」の異名をとる。
    • 山上に王都、そこから標高が低くなっていくにつれ徐々に低い身分の者の居住地となっていく都市(国家)構成を持つ。「水は高きから低きに流れ、低きに行くにつれ水の質は落ちていく」という事から身分制度が非常に厳格であり、上への意見具申や口答えが決して許されない国家文化を持っている。上に意見する場合、真面目にこれをやる時にはたとえどれだけ些細な事であっても命懸けであり、おおよそは真面目に取られないように冗談と軽口でまぜっかえすという程度しか具申の方法はない。(そして冗談と軽口交じりであるため、それが聞き入れられる事は無い)
    • 大陸の全ての水を一手に握っている事情から、戦乱の時代は「水をせき止める」事で常に勝利を得ていたため、他国に対する態度も対等ではなく「上から目線」での外交が常で、周辺国からは不快に思われる事も多い。(そして、この国の外交担当者は、いつもその部分で相手国の感情を損ねないように苦労している……のだが、王族や内政担当がブチ壊しにしてしまうケースも少なくない)
    • ちなみに女性に対しては、とりあえず初見で特徴をつかみ第一声で褒めるという文化がある。これはエラーナいわく「リファナ(主人公)が愛され系ヒロインなので、とにかく彼女がチヤホヤされるために作者が描いたご都合設定」であるという。
  • 緑竜セルジジオス
    • 主人公夫妻の移住先であり、二人を温かく迎えてくれた青竜アルセジオスの隣国。農業および林業が盛んな国で「世界の食糧庫」のひとつ。王都ハルシオンにある王宮も某天空城のごとく緑にあふれた場所となっている。
    • 五年近く豊作が続き、その後に三年間不作を被る、という自然の生産サイクルがある。三年の不作、とはいうが、それは五年間の豊作で十分にカバーできるものでもあり、この事から「飽食の国」の異名をとっている。また、こうした事情から国民性として人々がとても大らか。細かい事を気にする事は、あまりない。
    • 一方で「緑(植物)を尊び赤(炎)を忌避する」という文化がある。それは「人の見た目」にも反映されており「緑系の髪の人は周りに幸せをもたらし、赤系の髪の人は不幸をもたらす」という迷信になっている。
  • 黒竜ブラクジリオス
    • 青竜アルセジオスおよび緑竜セルジジオスの両国境に接する隣国。ユーフランたちが居地とする牧農場にも近い。トワ王子とロリアナ姫の国。浅黒い肌に黒髪の人が多い。鉱山資源の国であり、特に鉄が特産。
  • 黄竜メシレジンス
    • 緑竜セルジジオスとは青竜アルセジオスを挟んで真逆となる位置にある国。小麦・豆・米などの穀類を特産とする穀倉地帯であり、緑竜セルジジオスと並ぶ「世界の食糧庫」のひとつ。
  • 紫竜ディバルディオス
    • 胴大陸最北にある国。錬金術(錬金科学・錬金機械工学)や医学に長けて発展を続けてきた「知恵の国」。知恵を国の根幹としているため、この世界ではもっとも男女平等が浸透している合理の国。一方で守護竜の力を全て錬金術に消費するため竜力道具が使えない弊害がある。
    • 住人のほとんどは黒髪で瞳の色も濃い者が多い。そして何よりも米食文化や和服(特に着物)文化があり全体的に和風。ただし、人の名前などは洋風。(同作者作品である『今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味)』の世界観に雰囲気が近い)
    • 王家とは別に「聖なる輝き」を持つ者が、その性質によってハーレムを作っていたりする。このハーレム、各国から様々な手練手管で主である「愛し子」が美女を集めており、集められた女性たちの中には「他国の貴族の婚約者を『愛し子』の権能で脅迫・懐柔・篭絡して奪い取ってきた」などというケースもあるため、国にとっては(外交的に)悩みのタネでもある。
  • 赤竜三島ヘルディオス
    • 紫竜ディバルディオスのさらに北、頭諸島全体を管轄する国。レグルス兄弟の故国。住民は褐色の肌に赤系の髪を持つ。昼は超高気温で夜は氷点下、水がほとんど出ない(離島であるためアルセジオスからも届かない)という厳しい自然に晒された土地で、氏族制による社会構成を持ち、各氏族の族長(首長)が絶大な権力を持っている。
    • 厳しい自然から、氏族の末端は切り捨て・使い捨て、という苛烈な社会。行き過ぎた自己責任論が蔓延しており、それは子どもとて例外ではない。子どもが生き残るには厳しい社会的価値観が蔓延しており、子捨てが横行している上、孤児を国民と認めていない。そこに疑問を差しはさめば「子どもである(弱く生まれる)事が悪い」と真顔で答えが来る国だったりする。

関連イラスト

追放悪役令嬢の旦那様【宣伝】

↑書籍化(メディア)前に古森がイメージとして描いたWeb版の仮デザイニング


外部リンク

小説家になろう連載(本編番外編含む全編。ただし書籍限定話は除く)

ツギクル連載(本編+番外編一部)

ノベルアップ+連載(本編のみ)


pixivコミック配信(なつせみ版)


関連タグ

小説家になろう ノベルアップ+

悪役令嬢

関連記事

親記事

小説家になろう しょうせつかになろう

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 7564

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました