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概要

『世にも奇妙な物語』2009年年秋の特別編で放送されたストーリー。主演は生田斗真

当時問題になっていた「自殺者の増加」を取り扱った社会風刺作品でもある。


ストーリー

主人公、ミキオは借金を苦にビルから飛び降りて自殺しようとしていた。

しかし飛び降りた直後何者かに網で捕らえられ、気がつくと何処かへと運び込まれていた。

そしてそこには白い服、あるいは黒い服を着た謎の人だかり、そして「自殺者リサイクル機構のカミヤ」と名乗る謎の女性が現れ「自殺者リサイクル法」の下、働いてもらうと告げる。

納得できない人々はカミヤに抗議する。彼らも自殺志願者だったのである。


「リサイクル」という響きから自殺防止の更生施設か何かかと思えば実際はそうではない。

自殺者リサイクル法とは、自殺者として認定されれば同時に死亡届が受理され戸籍が抹消、その命は国家のために再利用されることとなる、

つまり「死亡届は既に受理され、彼らは存在しない人間。よって人権も無い、どうせつまらない理由で自殺するなら、その命は有効に活用しましょう。」という筋書きで、さらに分かりやすく言えば「どうせ死ぬなら世のため人のために死んでもらおう」という政府の考えのもと、カミヤは集められた自殺者に命がけの仕事を与えていくのである。


もちろん「更生」などではなく、文字通り死ぬ前提の「使い捨て」として。


そしてカミヤによって最初に与えられた仕事は臓器提供だった。

カミヤがサイコロを振り、出た目の色の服を着ている者は臓器をはじめ、その体の全てを提供してもらう、つまり「1/2の確率で死ねる」ということだった。

しかし、出たサイコロの目は白。ミキオの服は黒なので、提供者の対象にはならなかった。白い服を着た人々はどこかへと連れていかれた。

生き延びた者達に労いの言葉などなく、「生き残ってしまった皆様、残念でした」と罵られたミキオを含む黒服の自殺者達は機構の管理下に置かれ、次の仕事まで生き続けることになる。

気が付くとミキオは何もない空間に手足を拘束され、猿轡をされて監禁されていた。つかの間の休息すら許されず、必死で抵抗している間に次の仕事場に連れていかれる。


次の仕事はとある薬の治験だった。中身は新型ウイルスの特効薬だが、劇薬であるため臨床試験を取る必要があった…というものである。

中身を知らされず黒い服を着た者たちが薬を飲んだ瞬間、大半が薬の副作用によりもがき苦しみながら絶命したが、ここでもミキオを含む数名の自殺者達は生き残ることとなった。

そしてまたミキオは部屋に拘束され、抵抗している間に呼び出しが来る。


次に与えられた仕事はバスジャックの現場で、犯人との交渉により疲弊した人質を開放する代わりに自殺者達が人質を努める、という物だった。

当然、「死んでもいい人間」が人質になればどうなるかなんて考えるまでもなかった。


人質が入れ替わるとすぐに警官隊が催涙弾を投げ込み突入した。

案の定銃撃戦となり、犯人達の制圧にこそ成功したものの何名かの自殺者は戦闘に巻き込まれて死亡、最終的に生き残ったのはたった三人だった。


ミキオも被弾したが、今回も死には至らなかった。が、何度も使い捨て同然に扱われ、何度も仲間たちの死を目撃してきたミキオの心境にある変化が訪れていた…

一方、カミヤはミキオのことを「レベル4に到達した」と報告する。


その後、ミキオたち残った3名が連れてこられたのはテロリストに占拠された国立生物化学研究所。時限爆弾がセットされており、しかも研究所内部に強力なウイルス兵器がばらまかれていた。

残り時間は4分。速く解除しなければ付近一帯は大惨事となるため、ヘッドカメラで解除手順を知らせるから急いで解除せよ、という仕事。


自殺者であればそのまま死を選ぶ。

しかし、ミキオを含む自殺者達は第三の仕事を完遂した時点で「レベル4の自殺者」として認定されている。

それは、多くの仲間を目の当たりにし、心変わりした自殺者のことだった。


今回の仕事は、「本当は生きたいのであれば、本気で爆弾を止めようとするだろう。」という考えのもとで行われていた。

人の命どころか感情まで弄ばれている事実に憤慨するミキオだが、このまま被害を出すわけにもいかないと言われるままに爆弾の解体に取り掛かる。


爆発まで残り2分15秒。

転んだショックで自殺者の一人は防護服に穴が開き、ウイルスに感染、絶命した。


残り1分40秒。

工具を取り出し、カミヤの指示通りに爆弾を解除する二人。

しかし爆弾の蓋を開けるとそこには剣山の如く尖った突起が生えた蓋があった。空けようとすれば間違いなく防護服は破れ、確実に一人は命を落とすだろう……

覚悟を決めた一人はそれを取るため手を突っ込み、(正しい意味で)その命をかけてミキオに運命を託した。


残り35秒。

一人残されたミキオは、赤と青以外のコードを切るよう指示されたがその先は分からないという。


ミキオは一か八か赤のコードを切り、爆弾は止まった。


その後、ミキオは施設に連れ戻そうとする兵士をウイルスの入った試験管を見せつけて脅し、その場から逃走。どんな人生でもいいから生きようと決心したのであった。


しかし…


研究所のドアを開けた瞬間、そこはビルの屋上。

彼は勢い余ってそこから転落し、また捕獲され「自殺志願者」として施設に逆戻りしてしまう。

そしてカミヤの説明を聞かされる中、彼は叫んだ。


「違う!俺は…俺は生きたいんだ!」と…。




タモリ「人生は一度きりです。彼のように、人生を〝再利用〟されたくなければ、今一度、命の重みと向き合ってはいかがでしょうか?」


余談

ラストは救いのないものだったため、

脱出した直後、犠牲になったはずの人々とカミヤに迎えられ、「自殺者リサイクル機構とは自殺者を利用するための組織ではなく自殺者を立ち直らせるための施設だった」と聞かされるという落ちでよかったのでは?という意見もある。


関連タグ

世にも奇妙な物語

生田斗真

自殺

社会風刺

ブラック企業

Dクラス職員 某秘密財団に登場する使い捨ての似たような存在。ただしこちらは死刑囚。

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