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概要

その性行為性交性暴力とならないために、セックスSEX)や性的接触をする両者との間に同意を結ぶことを「性的同意」という。


性暴力の被害者が告発とともにその必要性を説き、自治体やNPO法人、大学生グループでも「性的同意」についての理解を説くテキストやウェブサイトが整えられていっている。



基準

No means no(ノーはノーを意味する)

Yes means yes(イエスはイエスを意味する)


嫌よ嫌よも好きのうち」的発想を完全否定し、言葉による明確な意思確認のみを基準とする。

何の妨げも躊躇いもなく相手が拒否できる事が大前提であり、一度はじめた性交・性的接触でも、途中で中止できる。

前回は可能でも今可能という事にはならないし、それは次回にも当てはまる。性交毎に対話毎に、話し合いの中で言葉以外の中止サイン等についても取り決めを進めていく。

これは告白した恋人同士、結婚したパートナー同士の間でも必要不可欠なものと定義されている。


この概念が現われ、普及するまではあいまいな「ムード」が基準となりがちであった。

あるいは「派手な下着」「一人で部屋まで来た」といった外形的なものから一方的に肯定と断定する事で性行為に持ち込まれていた。

相手がその基準を共有していない場合、「同意がない性行為、性交」すなわち性暴力が行われる事になる。

そして、個人的に「お約束」を支持する部外者達もまた「一人で相手に部屋まで行った(のだから仕方がない)」等といったセカンドレイプ発言で被害者を苦しめる事となった。


性欲や好意で理性が吹っ飛んだ者は己の欲望を満たす為に都合の良い解釈をひねり出す。そうして数多の性被害が起こり、今も起こり続けている。

それを食い止め、解消するための方法として、言葉による明確な合意確認が説かれている。そして性犯罪事件が起きた際に、第三者によるセカンドレイプ、バッシングを抑止する事も願われている。


身体的接触における同意

性交渉、キスでなくても身体的接触にあたっては同意が必要不可欠である。胸・尻・股等以外への接触でもセクシャルハラスメントの告発があるように、恋人同士、結婚した相手でも同意なくすれば性被害を与えている。


「キスをした⇒セックスして良い」が誤りであるように「デートした(その後自分の部屋まで来た)⇒抱きしめてもいい」も誤りである。


福岡県人づくり・県民生活部生活安全課『マンガで学べる NEW LIFE』では一人一人が持ち、一人一人で違う「境界線」というキーワードを用いて、境界線を侵害された時の自衛手段と相手の境界線を尊重して性的な加害、ハラスメントをしない事を教えている。


法的な意味での「同意」

不同意性交等罪に限らず、日本の刑法における「同意」は単なる表面上や言葉の上だけの意思表示ではなく「他者からの強制等が無く、正常な判断が行なえた上で、一般的な意味での同意が可能な状態である」事(例:意に反する強制された同意と見做される要因が無い、同意を求めた方が相手が同意するか否かの重要な要因となる何かの情報を隠していたり嘘を吐いていたりしない、双方が正常な判断が可能な状態である、など)が前提となっている。警察・検察・裁判所・弁護士などが刑法上の「同意」と見做すかは行為・選択・意志の表明そのものよりも、それに到る状態・状況・条件・過程などが重視されると考えた方が良い。

つまり、形の上や言葉の上だけで同意が取れていたとしても「両者の間の力関係に圧倒的な差が有った(例:学校での教師と生徒、仕事上の上司と部下)」「何らかの強制により、片方がもう一方の意志に反する同意を得ていた(例:同意するまで帰さないなどの状況に置かれていた)」「当事者の少なくとも片方が正常な判断が出来ない状態だった(例:酔っ払っていた。デートドラッグなどを知らずに服用させられていた)」「相手を何からの形で騙した事で同意を得ていた(その『騙し』が無ければ同意を得られる可能性は小さかった)」などは刑法上の「同意」には含まれないという法的判断が行なわれる可能性が高い。

要は「その状態・外的条件・過程の元で商契約・雇用契約などの法律上『契約』と見做されるものを結んだとしても、もし後で裁判沙汰になった場合には無効な契約と判断される可能性が高い状況」で行なわれた「性的同意」は刑事・民事上の裁判となった場合には「性的同意」では無いと判断される可能性が高いと考えて良い。

なので、不同意性交等罪が出来た時にSNSなどで起きた「大喜利」の中には、本当にやった場合には不同意性交等罪または他の罪状となる場合が有るので、あくまで不謹慎ギャグとして消費すべきものであり、間違っても真に受けてはならない

極端な話、知人の家に勝手に上りこんで「同意の上でやらせてくれたなら大人しく帰る」などと駄々をこねた結果得られた「性的同意」は刑法上の「性的同意」などではないし、何なら不同意性交等罪以外の余罪もいくつか付いてしまう可能性が高いという事である。


同意が成立しないケース

相手が知的障害精神障害を持つ場合、相手が児童子どもである場合、相手が成人の健常者でもアルコールを摂取して酔っている場合は、たとえ言葉上で「同意」を取り付けたとしても実際には成立していない、と判断される。


子どもの場合、法律における「性交合意年齢」とも関わりがある。これはある年齢から「性行為について合意を交わす能力がある」と判定するものである。それ未満の年齢の場合、合意を交わす能力がそもそも無い相手と性交した、つまり強姦、性暴力と一律で判断されるシステムとなる。詳細は「性交」の項目の「性交同意年齢」の節を参照。

子ども・児童同士の性交渉の場合は同年代同士の場合はある程度容認されるが、成人と子ども・児童の場合、許容される事はまずない。その「同意」は「毛繕い(グルーミング)」と呼ばれる行為による支配・洗脳の産物であると判別される。


成人同士でも、男性と女性、上司と部下、年上と年下、先輩と後輩、といった様々な形で力関係における非対称性が存在する。力が強い側にある者は、性的同意を得ようとする際に、それが誘導や圧力にならないように細心の注意を払わなければならない。


教育現場での取り組み

児童向けの教育

性欲や性的機能がはっきりとは発露していない、未成長の子供もまた、一方的な身体的接触による加害者となる可能性を持っている。それを防ぐ為の絵本も作成されている。

「学校で突然、キスされた」。娘のひと言から、『同意』を教える本が生まれた


性教育の重要な要素である「加害者にならないための教育」の一つである。


これと対となるのが自分の境界線を守り、望まない接触に対しては拒否することができるという教育である。

例えば子どもへの祖母からの突然のキス、という拒否感を持たれる事が想像しにくいと感じる人が多いであろう事柄もケースとして取り上げられる。そして、その場合どのように拒否を表明するのか、それをディスカッションするという教育方法が確立している(「はじめて」が慎重になるオランダで小学生はセックスをどう学ぶ?〜第2回 初等教育編〜)。


大学生達、大学関係者達による問題提起と活動

アカデミアとしての大学内において様々な性犯罪、性的加害行われてきた。一般の学生達の間でも強姦、痴漢行為、セクシャルハラスメントが多発してきた。

それは日本でも変わらず、しかし日本では性的同意という概念の存在すら長らく知られていなかった。


2010年代後半頃からMeToo運動とも呼応する形で大学生や関係者の間から問題提起がなされるようになり、大学側のメディアでも紹介されたり、パンフレットが作成され、冊子のみならずPDFといった形で配布される動きが徐々に広がりを見せつつある。


インティマシー・コーディネーター

映像作品の撮影でも、性交やキス等の接触が行われることがある。こうした局面でも俳優・キャストが本当に同意しているのか注意喚起し確認するための役職「インティマシー・コーディネーター」が存在する(性的同意「“たぶん大丈夫”はNO」だと教わった。『セックス・エデュケーション』の俳優が語ったこと)。


関連漫画

センシティブな作品

田滝ききき原作、ほとむら作画の性教育マンガ『性教育120%』の性的同意を扱った回。


関連動画

性的同意を紅茶に置き換えた「 Consent – it’s simple as tea」は広く教材として用いられている。

イギリスのテムズバレー警察署が2015年に公開した動画が元になっている。文字起こしはこちら(必ず知っておきたい「性的同意」の話。紅茶におきかえた動画を見てみよう)を参照。


関連タグ

和姦 性暴力 性的虐待 強姦 / レイプ


セクシャルハラスメント / セクハラ


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