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概要

COVID-19に罹患して一旦回復したにもかかわらず、長く体調不良が続く状態のこと。

LongCOVIDとも呼ばれる。


元のCOVID-19が新しい病気であるためにまだ正確な状況が把握しきれていないところもあり、治療法も現在試行錯誤中である。

また変異株や年齢によって症状が異なるのではという見方もあり、他の基礎疾患などとの切り分けにもまだ課題が多い。


WHOの定義としては「少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの」とされている。

日本でも多数の大学病院や民間病院により調査研究が行われており、自治体にも相談電話窓口が設置されたり、コロナ後遺症外来を設ける病院もある。

岡山大学病院の専門外来では2021年2月から2022年9月までで400人の後遺症患者を診察したという。参照

症状

人により様々だが、多くみられるのは倦怠感や息切れしやすくなる、「ブレインフォグ」と呼ばれる思考力低下や記憶に支障をきたす状況、うつ病に近い状態となる人もいる。

味覚障害が長く続くケースも少なくない。

アメリカの軍人を対象とした調査では糖尿病を発症しやすくなる傾向があるとも指摘されている。

抜け毛や男性器の機能障害なども報告されている。

また、他の感染症に罹りやすくなっている可能性も指摘されており、「デバフがかかる」という言い方がよくされる。


どのようなことが起こっているのかの詳細は現在も調査研究中ではあるが、COVID-19の症状の一環として血流への影響や血栓の出来やすさもあるためにその影響による可能性も調査されている。

聖マリアンナ医科大学の調査では脳血流が低下している患者も見られたというが、その状態は千差万別という。参照

また、内臓に長期間ウイルスが居座っている可能性や、神経系へのダメージも指摘されている。


症状の重さや続く期間も人によりまちまちで、3ヶ月以内で自然に治る人もいれば1年以上にわたって重い症状が継続し、さまざまな治療を試みてもうまくいかない人もいる。

中には元々の持病などが重なり命に関わる人もいる。

COVID-19の罹患時に中等症以上だった人はもちろん、軽症でも出る人がおり、後遺症の出る条件については現在も不明な点が多くコロナ禍が長引く大きな要因となっている。

2023年夏の全国高校野球選手権大会に北海高校の記録員として出場した男子生徒は、罹患時はわずか4日間の発熱と軽症だったが参照半年以上の後遺症で登校も辛い状態となり選手の道を断念したといい、「罹患時よりも後遺症の方がきつい」という事例も少なくない。


このため働けなくなったりひどい場合ほぼ寝たきりになり生活すらままならない状態に陥る人も少なくない。

日本の著名人でも後遺症に悩まされていることを公表する者も多い。

芸能人の場合仕事を失うことを恐れて隠している人も多いと指摘されている。


日本のみならず諸外国でも今後深刻な問題になることが予想されており、著名人の後遺症罹患者も少なくない。

世界1位の感染者数と死者数を叩き出したアメリカでは保険制度の関係もあり殆ど治療してもらえないままの人も多く、働けなくなりホームレスに堕ちていく人も増えており、2022年8月時点でのシンクタンク「ルッキングス研究所」の調査発表によると400万人が後遺症で職場復帰できなくなっているという。


ウクライナ侵攻やそれに伴う物価高騰による不況の影響もあり、欧州各国でも十分な治療が受けられない人は増加するものと思われ、今後深刻な社会的影響が予想されている。


コロナ後遺症の予防

もちろん、最初からCOVID-19にかからないように日々の感染対策をすることが大事である。


もしかかってしまった場合、回復した後もすぐに激しい運動やきつい肉体労働をいきなりすることは避け、日常生活の復帰へは徐々に体を慣らしていくことが望ましい。


診断及び治療

他の紛らわしい病気も多いため、必ず専門家のもとで「他の病気ではないか」という可能性を潰していくための検査及び診断(除外診断)を受けることが大事になる。

入院そのものや自宅に籠ることで体力が低下したり血栓ができやすくなっているケースもあり、弱ったところに他の病気が出てくることもあり得るので、自己判断せずきちんと除外診断をやってくれる医療機関にかかることをおすすめする。



各自治体の公式サイトに後遺症外来の受診案内がアップされていることもあるので、そういった病院に連絡をとっていくことが望ましい。


確固たる治療法はまだ確立されておらず、現在は対症療法が中心である。

各病院でも試行錯誤している状態であり、電気治療や漢方薬、栄養指導などを試している病院もある。

鍼灸なども試みられており、市井の鍼灸院でも治療に取り組むところが増えている。

諸外国でも様々な治療薬が試みられているがまだ確固とした有効なものは見つかっていない。


コロナ後遺症を公表している著名人

元々基礎疾患持ちだったためコロナそのもので命の危機を彷徨ったのち、半年以上にわたる後遺症に悩まされていることを公表している参照

倦怠感や息苦しさが続いて学業に影響が及んだため、二ヶ月活動休止。

罹患して軽傷で済んだものの、その後中耳炎を発症している。

コロナに罹患する1年前に肺がんに罹患して手術していたこともあり、コロナ罹患後は喘息の発作が頻発するようになって苦しんだことを明かしている。

3ヶ月ほど脱毛に悩まされたことを公表。

オミクロン株からの療養回復後半年の時点で酷い味覚障害や文筆仕事に支障をきたすブレインフォグに悩まされ、左派活動家でありながら「日本国憲法9条の「9」という数字が出てこない」状態だったという()。

感染後一年半経っても息切れなどの症状が出ていると公表。

罹患後半年ほど体力の低下などの症状に悩まされた。

  • ブレイディみかこ(作家)

3回目の感染でブレインフォグの後遺症が出て、仕事の文章が支離滅裂になる時期があったことを公表。(参照

元々糖尿病の持病があり罹患した時の治療も困難が生じており、退院後も不調に悩まされたのち心臓発作で死去。

罹患後一ヶ月ほど身体中の凝りと痛みに悩まされ、その後も脱毛などの症状が続いていることを公表。

一ヶ月以上の嗅覚異常が起きていたことを公表。

  • 吉田晏子(芸能事務所A.L.C.Atlantis代表)

2023年8月に会社を廃業したが、所属俳優だった大東駿介により吉田のコロナ後遺症による体調不良で業務継続が困難になったのが理由だったと明かされている。

2022年に感染し入院、退院以降も肺の調子が戻らず誤嚥背肺炎を繰り返し仕事もままならなくなり2024年1月に死去。

2回目のコロナ罹患後体調が戻らず再入院した。

サガン鳥栖在籍中に罹患し、一ヶ月ほど体力の回復が遅れたことを公表している。

  • ブライアン・クランストン(俳優)

味覚と嗅覚の異常に苦しんだことを公表している。

  • タニーシャ・ディサーナーヤカ(イギリスのテニス選手)

1年以上にわたる後遺症に苦しんだ末、21歳の若さで引退せざるを得なくなってしまった。参照

  • ケイティ・ナジョット(アメリカの陸上選手)

ブレインフォグに悩まされる時期があったが、復活して金メダルを獲得した。(参照)


  • ジョナサン・デイヴィス(KoЯnヴォーカル)

後遺症のため何本かのライブを着席したまま歌うことを余儀なくされた。


外部リンク

厚労省公式サイト 新型コロナウイルス感染症罹患後症状のマネジメントリンク先はPDF

埼玉県公式サイト 埼玉県新型コロナ後遺症外来について


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