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ガロア艦長

がろあかんちょう

ガロア艦長とは、特撮テレビドラマ『地球戦隊ファイブマン』の登場人物の1人。 かつて『スーパー戦隊シリーズで最も無能な敵幹部』と見られ長らくその代名詞であった。
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小僧……! 銀河戦艦バルガイヤーの艦長ガロアの顔に傷を付けるとは良い度胸だな、坊主。しかし、生かしておく訳にはいかん!」(第1話)

「行けーっ! バルガイヤー!! 銀河が俺を待っている!! ハッハッハ!! やはり艦長の椅子の座り心地は素晴らしい! 我こそバルガイヤーの真の艦長だ!! アーッハッハッハ!!」(最終話)

演:石川武


概要

銀帝軍ゾーンの幹部の一人にして、銀河戦艦バルガイヤーの艦長を務める、屈強にして残忍な大男。

銀河皇帝メドーに忠誠を尽くす武人であり、その自慢の剣でこれまでに数多の星々を滅亡に追いやってきた。ファイブマンとの戦いにおいてもその腕前は遺憾なく発揮され、後述の通り因縁の相手たるファイブレッドをも圧倒した場面もある。

必殺技として、得物大剣を振り回し、それによって生じた旋風を敵へとぶつける「ガロアハリケーン(別名:大風車剣)」を持つ。また剣技の他にもガドラスネークと呼ばれるムチの使い手でもあり、「何でもOK免許証」の所有者でもある点から様々な乗り物の運転もこなすなど、その荒々しい見た目とは対照的に器用な一面も折に触れて見せている。恐らくこれが彼のパイロットドライバーとしての素質からメドーに艦長としての地位が与えられ、後の巨大ロボの操縦にも関わっていると思われる(本編で巨大ロボによる巨大戦を行ったのは彼のみ)。


20年前のシドン星での星川一家襲撃の折、当時まだ7歳のにレーザーガンで顔を傷付けられて以降、学を激しく敵視(記事冒頭上段の台詞は、その際ガメルギンを召喚する直前に発した言葉である)しており、成長した彼がファイブマンとして再び立ち塞がると、一対一での勝負を挑みもするなど、変わらぬ敵愾心を向け続けた。

また部下たちに対して厳しい姿勢を取りつつも、一方で作戦失敗にはメドーからの制裁から、自ら身を挺して部下を守る場面もあるなど、物語前半では艦長としての威厳や責務を全うする姿勢も折に触れて示されていた。しかしそんなガロアの身の上に、思いもよらぬ苦難が次々と降りかかるように……。


転落と再起

ガロアの最初の転機となったのが、物語中盤にて訪れた「さかさまデー」での様々な失態である。20年に1度、メドー以外の幹部と戦闘員の上下関係が普段と逆転するこの日、ガロアは死刑と引き換えに当日中のファイブマンの打倒を厳命されながらも、苦手な毛虫に驚いて作戦を失敗させる失態を演じてしまい、これを皮切りにそれまでの威厳も次第に失墜していく。

失われていったのは何も威厳だけに留まらず、彼の艦長としての地位もまた同様であった。地球での度重なる作戦失敗に加え、引退していたはずの初代艦長シュバリエが艦長の座を脅かす存在として出現。艦長の地位を保持すべく、合身銀河闘士の開発など様々な手を講じて、ファイブマンの打倒と自らの実力の誇示に務めたが、そのいずれも気合いばかりが空回りする結果に終わり、遂にはメドーから与えられた最後のチャンスさえも、ゴリワシギンの開発失敗や、それを逆手に取った奇策までも打ち破られるに至り、ここに艦長の座を追われる結果となってしまった。


その後は便所掃除係にまで降格させられ、かつての部下達からも侮られる立場にまで追いやられたガロアであるが、時折作戦活動に加えられる場面もあり、偽兄弟先生に扮してのアンモナイトン発掘作戦では学に扮したものの、ここでも髭面から簡単に文矢にバレてしまい、作戦失敗の遠因を作る格好となってしまった。

このように長らく、肩身の狭い想いを味わって来たガロアだったが、その目は尚も死んではおらず、虎視眈々と復権の機会を窺い続けてきた彼にも遂に復権のチャンスが舞い込んで来る。事の起こりはガロアが艦内を掃除中、偶然謎のエネルギーを発する一室の発見に端を発する。他の幹部にも極秘でそのエネルギーの研究を続けたガロアは、これを利用した巨大ロボ・ビッグガロアンを建造。その力でスーパーファイブロボに勝利を収める大金星を上げ、遂にメドーから復権を許される運びとなった。


悲惨な末路

しかし、それも束の間でしかなかった。

皮肉にも、復権から間もなく「バルガイヤーが巨大な生命体である、そしてガロア達にとっての崇敬の対象たるメドーも彼が作り出した偶像に過ぎず、ゾーンの全ての構成員がバルガイヤーの目的のために利用されていた」等々の真相が露見したのである。

この組織そのものを大いに揺るがす事実に、ガロアも驚愕を隠しきれなかったものの、その後もメドーに代わってゾーンの支配者となったバルガイヤーの命に従い、その大脱皮のために必要な「この世で最高極上の死のエキス」を確保すべく、シュバリエと競い合った。

ここでも因縁のレッドとの一騎討ちを所望するもののシュバリエに遮られ、他の4人の相手を押しつけられながらも大風車剣でこれを圧倒するなど猛威を振るうが、乱戦の中でレッドの攻撃を受けて兜の左の角を折られてしまい、その弾みで戦線離脱を余儀なくされてしまう。

程なく戦場へと戻ってきたガロアであったが、既にギンガマン黒ゴルリンはことごとく倒され、シュバリエまでもがレッドとの一騎討ちに散った後であった。そしてそのシュバリエが、バルガイヤーによって「この世で最高極上の死のエキス」として取り込まれるに至り、忌々しき競合相手が喪われた事態に安堵しながらも、それすらもバルガイヤーの大脱皮のため半ば騙し討ちも同然で死に追いやられた結果であると察したガロアは、銀河超獣へと変貌を遂げたバルガイヤーを前にして


「シュバリエは死んだ! 栄光のバルガイヤー艦長は、このガロアを置いて他にはない!」


と、既に意味をなさない「艦長」の地位を誇示し、半ば狂ったかのような哄笑を上げるのであった。

かくしてバルガイヤーが銀河超獣として猛威を振るう中、その現実を受け入れられないガロアは「自らバルガイヤーの中に戻り、記事冒頭下段の台詞を叫びながら、未練がましく艦長の椅子にしがみつく」愚挙に及んだ。

そこへ突入してきたファイブマンと交戦状態に陥り、残っていた兜の右の角までも折られた末、バルガイヤーの最深部へと迷い込んだガロアとファイブマンは、本物のメドーの亡骸が眠る棺と遭遇。ファイブマンが持ち込んだシドンの花の力によって彼女の魂が解放され、亡骸が消滅すると、ショックを受ける間もなくそれによって生じたダメージの余波で、ガロアは空となった棺に嵌りこんで出られなくなってしまう

こうして身動きの取れぬまま、最後の最後まで艦長の地位への拘りを示し続けたガロアは、同じように逃げ遅れたドンゴロスと共に、撃破されたバルガイヤーの爆発に巻き込まれる悲惨な最期を遂げたのであった。


備考

上記したガロアの「転落」や、それに伴ってのコメディタッチな描写の増加は、不調の続いていた本作に変化を与えるために行われた試みの一環であると明確にされており、ガロアはその煽りをモロに受けた格好となった訳である。結局こうしたコメディタッチな敵側の描写への評判は芳しいものではなく、シュバリエの登場でシリアスな方向へ戻したと、東映プロデューサーの鈴木武幸は後年のインタビューにおいて述懐している。

また、テレビ朝日系列で放送されている教養バラエティ番組『しくじり先生』にてスーパー戦隊シリーズが取り上げられた(2021年2月15日放送分)際にも、司会を務めた川島明「この時期のスーパー戦隊は打ち切り寸前までの視聴率が低かったため、『これまでと違う要素にしよう』と、色々と挑戦した中、その時分に流行っていたのがお笑いだったため、それをガロア艦長に取り入れた結果」と、ガロアのキャラクター変更について解析・解説されている。

彼の名誉のために弁護しておくと、ガロアの場合はそれまでシリアスであったところから唐突にコメディ描写が増えた展開こそが問題であり、後に現れたトットパット&ブックバック執事アチャ&コチャ達に代表される徹頭徹尾のコメディ担当のキャラクター達は、愛すべき馬鹿として視聴者を楽しませているのもまた事実である。

しかし、そもそもガロアのキャラ変更をしなければテコ入れをする必要もなく、シュバリエを演じた植村氏はガロアのキャラ変更で仕事を得た一方で、当のガロアを演じた石川氏はその噛ませ犬にされたのは事実である。


デザインは大畑晃一が担当。決定版となったもの以外にも悪魔的なものやファンタジックな魔王的なもの、それにサイボーグ的なものなど4案のラフを提示し、その中から見た目一発で船長に見える案が採用され、そこから更に肩の形状などを大幅に直した上で決定稿に至っている。


関連タグ

地球戦隊ファイブマン 銀帝軍ゾーン 銀河戦艦バルガイヤー


ラディゲ:『鳥人戦隊ジェットマン』の登場人物の1人。「悪の組織の幹部の筆頭格」にして、「敵対する戦隊レッドにとっての大切な人絡みでの因縁の相手」という共通項を有する。またガロアと同様に、「歴代のスーパー戦隊の中でも、ワーストクラスに情けない醜態をさらすエピソードがある」一方、彼自身は一貫してシリアスかつ凶悪な悪役として散っており、その点ではガロアの反省が活かされているとも評価できる。しかしこちらもこちらで別方向で役者に対し、不義理そのものの事態が発生している。


シェリンダ:『星獣戦隊ギンガマン』の登場人物の1人。こちらも操舵手=乗り物の操縦士の側面も持つ敵幹部。


ガチレウス:『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の登場人物の1人。かつてガロアの代名詞であった『スーパー戦隊シリーズで最も無能な敵幹部』を登場直後に襲名。その後もその不名誉を守り続け最終的に散った。

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