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概要

1980年代後半のマンハッタン・ウォール街を舞台に、投資銀行で副社長を務める一方で快楽殺人を繰り返す主人公を描くサイコ・ホラー


2000年にメアリー・ハロン監督、クリスチャン・ベール主演により映画化された。


あらすじ

ニューヨークウォール街の投資会社P&Pに副社長として勤務するパトリック・ベイトマンは人生を謳歌している。ロングアイランドに居を構える裕福な一家に生まれ、アメリカ屈指の名門のボーディングスクール、フィリップス・エクセター・アカデミーを卒業しハーバード大学に入学。その2年後にハワイハーバード・ビジネス・スクールで大学院課程も修了した。現在はトム・クルーズも住んでいる都心の一等地アッパーウエストサイドのアパートメントを借り、ベイトマンはいわゆるヤッピーの典型だ。

昼間はジムに行って汗を流し、ニューヨークでも指折りの高級レストランで同僚達とテーブルを囲む。実際、その会社を所有しているのは他でもないベイトマンの実父であり、ベイトマン自身が仕事内容について作中で語る事は皆無である。

むしろ、ウォール街で働くエリートビジネスマンというのは建前で、ベイトマンの本当の生活は夜に始まる。

同僚達は皆、彼自身と同じく高学歴かつ高収入のエリート達ばかり。しかし、それと同時に彼らは哀しいほど浅はかで、同僚間の信頼や友情は殆どうわべだけのものである。共通のヘアスタイルやスーツのブランド、趣味を愛好する彼らのライフスタイルは、時としてお互い誰が誰だか分からなくなってしまうほど似通っている。確立された個々のアイデンティティーなどそこには無く、そのコミュニティーに溶け込み順応する事とその過程においての自己の同一性混乱が本作のテーマの一つにもなっている。表面上は仲の良く、気さくな同僚達。しかし腹の内ではお互いが何を考えているか知っている者などいない。会社では皆、行きつけのレストランや名刺のデザインなどを比べ合い一喜一憂するばかり。そんな中、ある日ベイトマンの前にルックス・学歴・身だしなみなど非の打ち所のない同僚、ポール・アレンが現れる。


続編

映画としては本作の続編として『アメリカン・サイコ2』が製作された。引き続きベイトマンは登場するものの、原作とは無関係である。

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