えらそうなことをいいやがって……
きさまらサイヤ人は罪のない者を殺さなかったとでもいうのか?
だから滅びた…
オレが滅ぼしたんだ
サイヤ人はなんとなく気に入らないんでね……
こんどはこのオレがきさまを滅ぼす
概要
「だから滅びた」とは『ドラゴンボール』のナメック星での最終決戦において、フリーザの問いに答えた孫悟空の発言。
名セリフとして知られている反面、前後のやり取りや過程が割と複雑であるため、解釈の仕方でよく論争になりやすいセリフでもある。
きさまらサイヤ人は罪のない者を殺さなかったとでもいうのか?
フリーザのこの問いは、悟空の「罪もない者をつぎからつぎへと殺しやがって」というセリフへの反論である。
悟空は罪もない者を傷つけるような性格ではなく、フリーザの悪行を咎める正義感も持ち合わせているが、無自覚の内に育ての親をサイヤ人の力で殺害してしまっている。
それを知ってしまったためか、自身もラディッツ襲来から続くサイヤ人による悪行の被害者でありながら、自分も同じサイヤ人であることを受け入れ、ベジータの無念を理解して「サイヤ人の誇り」を抱くという二律背反のような立場をとっている。
クリリンを殺され「フリーザに仲間を殺されたサイヤ人」になった悟空は、自身の怒りに正義感を上乗せしてフリーザの悪行を咎めた。
それに対してフリーザは、サイヤ人が悪行を咎める立場にないことを指摘しているセリフである。
アニメ『ドラゴンボールZ』では「罪のない者を殺しただと?きさまらサイヤ人のしてきたことが正しかったとでも言うのか?」とセリフが改編されている。
だから滅びた…
そんなフリーザの反論に対しての悟空の返答が「だから滅びた」である。
悟空の中でサイヤ人の「誇り」と仲間を殺された「怒り」と悪を咎める「正義」は別々に存在しており、サイヤ人の悪行は否定せず、滅ぼされたことを因果応報として受け止めている。
オレが滅ぼしたんだ
対してフリーザは「オレが滅ぼした」理由は「気に入らない」と言い放つ。
サイヤ人が滅びたのは「悪は必ず滅びる」などといった根拠のない因果ではなく、強者が力を振るった結果に過ぎないと断言している。
ただしフリーザがサイヤ人を気に入らないのは「なんとなく」ではなく、その残忍性故の「厄介さ」と成長性を踏まえた「恐怖」が真の理由であり、戦闘民族として非道な侵略行為を繰り返した結果、サイヤ人という種族全体が「脅威」と見做され排除されたのは、善悪論を踏まえなくても成り立つ因果関係である。
こんどはこのオレがきさまを滅ぼす
悪びれもせずサイヤ人を滅ぼしたことを語るフリーザに、悟空は容赦なく「滅ぼす」と宣言した。
強大な力を思うがままに振るい続けたフリーザは、より強大な力に目覚めた「超サイヤ人」に滅ぼされるのが宿命。
フリーザは滅びるべき「悪」であり、サイヤ人の誇りを汚した「宿敵」であり、何よりも「クリリンの仇」なのだから、悟空が容赦をする理由は元より一切なかった。
結論
要するに舌戦の流れとしては「お前は悪い奴だから倒す」→「お前の種族だって同じことしてきただろう、俺の事言えた義理か?」→「だから因果応報で滅んだんだ」→「因果応報?違うね、俺が気に入らなかったから滅ぼしたんだ、悪いやつだから滅んだわけじゃない」→「なら今度はお前が同じ理屈で消されても文句ねぇな」となる。
より簡潔に言うなら、善悪を以て咎められた事に、強ければ何をしてもいいと返し、それなら俺の方が強いから大人しく死ねと結論付けているのが一連の台詞である。