概要
1985年、当時まだ政治の表舞台に出ていなかった、故・金正日総書記が、何を考えたのか日本の『ゴジラシリーズ』のスタッフをわざわざ北朝鮮まで招待して完成させた作品である。
しかし諸事情により、北朝鮮では結局公開されなかった。
現在ではDVD化もされているので日本では鑑賞することができる。
内容
物語の舞台は高麗王朝時代の朝鮮。
役人に搾取された農民たちが反乱を起こし、殺された農民の怨念から生まれた怪獣プルガサリとともに、最後には朝廷を滅ぼしてしまう、というのが大まかなあらすじである。
要するに朝鮮版大魔神なのだが、内容が内容なだけに、現在の北朝鮮では絶対に公開できない作品である。
プルガサリとは「不可殺」の意。
政治的背景
この作品が完成した当時はまだソビエト連邦が健在であり、北朝鮮も国民を十分に養っていけるだけの経済力を持っていた。
しかし91年に最大の援助国だったソ連が崩壊し、その後、北朝鮮国内では各地で餓死者を出すと言った、著しい経済破綻が起こった。
さらにこの映画が完成した直後に、本作の監督が国内逃亡(亡命)してしまったため、現在の北朝鮮では、この映画の存在自体が完全になかったことにされてしまったのである。
完成度
基本的に、単純明快なストーリーであり、さらに言えば役者や日本から招かれた特撮スタッフの頑張りもあり、娯楽映画としては十分に楽しめる作品である。
特に特撮に関しては、予算が使いたい放題だったと言うこともあり、極めて完成度が高い。