焦土の夢を見た。1本の新芽が土を突き破り、朝日に向かって咲き誇る。そして、あたしに囁くの。
招待状の質問を覚えてる?——「生命体はなぜ眠るのか」
あたしはね……「夢」から覚めるのが怖いからだと思う。
プロフィール
概要
「ファミリー」のアイリス家に所属する役者。舞台の仕事がない時は観光案内役をしている。
開拓者がピノコニーの夢境「黄金の刻」に来た直後に出会い、夢境内を案内してもらうことになる。
何故かハウンド家に不正な手段でピノコニーに来た「密航者」の疑いをかけられていたようだが…。
ストーリーにおいて(Ver2.0まで)
「眠りなき夜」
ピノコニーの「黄金の刻」を散策中の主人公は、ハウンド家から「密航者」と呼ばれ迫られる銀髪の少女を発見し、突然その少女に助けを求められる。
少女を庇ってハウンド家と対峙していたところへ、ハウンド家の保安官であるギャラガーが現れ、探しているのは「銀色の鎧を着た密航者」であり、「銀髪の女の子」ではないと部下に注意をし、その場は事なきを得る。
助けられたこのホタルという名の少女は、ファミリーのアイリス家の役者であると名乗り、庇ってくれた恩返しとして「黄金の刻」の観光ガイドをしてくれることになる。
色んな観光スポットを巡っていく中で、ピノコニーの歴史や文化に対する理解を深めていくと同時に、ホタルとの関係も順調に縮まっていき、観光行為自体も道中で出会った者からは「デート」と称されるほど雰囲気のあるモノになっていく。
「優しさという名の夜」
しかし、この過程で起こった様々なハプニングを経験していく中で、主人公はホタルが何らかの秘密を隠していることにうすうすと気付く。
そんな折、ホタルから突然の告白を受ける。自分は本当は「地元の人間」じゃないこと、ハウンド家に追われていたり主人公に接近したりしたのは理由があること、しかし助けてくれたことに感謝してることやナナシビトに憧れている気持ちは嘘ではないことなど。
その上で彼女は、もう一ヶ所、主人公を連れていきたい場所があると告げる。そこは観光スポットではなく、むしろ彼女だけの「秘密のアジト」とも言うべきとっておきのところだという。
「そこで、あたしが知ってることを…できる限り君に教える」
彼女の「秘密のアジト」はドリームボーダー区域のとある展望台にあった。そこは、夢の中の空に一番近い場所であり、町の喧騒から離れ、ドリームメーカーの言い争いも無く、誰にも邪魔されることなく、今の風景、人、そして夢を感じられる場所だった。
この場所で、ホタルは以下の内容を主人公に打ち明けた。
- 自分は確かに「密航者」である。
- 自分はピノコニーの多くの「現地人」と同じ星間難民であり、故郷はとっくの昔にレギオンかスウォームによって滅びている。
- 現実では「ロストエントロピー症候群」という病を患っており、医療カプセル内での生活を強いられている。
- 「時計屋の遺産」を追い求めているが、主人公と対立することを望んでいない。
- ほかにも隠している秘密があるのは確かだが、まだ主人公に打ち明けることはできない。
すべてを話し終えると、すこし重苦しくなってしまった雰囲気を感じ、申し訳なく感じたホタルは空気を変えられる方法を主人公に尋ねるが、最終的に「自撮り」をするという話にまとまる。
この時、「一緒に撮らない?」とホタルに提案された際に選択肢が提供され、話の流れに沿う形で「いいよ」を選び、一緒に記念写真を撮ることに。
(「いいよ」を選ばずに「やめておく」を選んでも進行することは可能。しかし、ホタルが非常にがっかりした様子を見せるほか、後に発生する小イベントが回収不可能になるため非推奨。)
「ちょっと待ってね、準備するから……」
「…よし、撮ろう!」
「1……」「2……」
「チーズ——!」
「真夜中に目が覚めたら」
自撮りの後、夢境の調査に進展があったと列車組からの連絡をうけ、ホタルと主人公は「黄金の時」に戻り、そこでお別れをすることに。
しかし、いざ「黄金の刻」に戻ってみると、そこには人っ子一人として存在しない異様な風景が広がっていた。
そして、二人の前に現れた花火によって、魔物の蔓延る謎の夢境へと落とされてしまう。
夢境の中を探索する二人は、多くのパネルがある謎の部屋にたどり着いたが、突然記憶域ミームの襲撃を受け、ピンチに陥る。
そこへブラックスワンが現れ、二人を助け、彼女の力を借りて主人公は無事に夢境から脱出に成功する。
しかし、夢境から脱出した主人公は、ホタルとはぐれてしまったことに気付く。彼女を探すために、ブラックスワンと共に立ち入り禁止のはずの夢境内のホテル・レバリーに侵入。その途中で、夢境の中で道に迷っていたらしい黄泉とも合流。
そして、一行は捜索の末、ついにロビーでホタルを見つけた。
そのとき、異変は起きた。
突如飛び出してきた記憶域ミームがホタルに襲い掛かり、背後からホタルの体を刺し貫いたのである。
そのまま崩れ落ちるホタルの体を受け止めようとするも、夢境の中で死んだ者の体は既に原形をとどめることができず、そのまま主人公の腕の中で泡となって消滅してしまった。
本来、夢境での死は現実の死とは別物であるが、ピノコニーの裏で起こっている異変によって夢境内にも精神的な死が蔓延りだしており、ホタルはその犠牲者となってしまったのである。
その後(上記のドリームボーダーでホタルとの自撮りツーショットを行っていた場合)、現場の床を調べると撮影に使っていた彼女のスマホが地面に落ちているのが確認できる。
「消えかかったスマホが地面に落ちており、未送信のメッセージが残されている…それは記念写真のようで、写真の中の2人は幸せそうに笑っている。」(拾う。)
「スマホは完全に消え、夢の泡となって消え去った。」
余談
おごりイベント
ホタルを助けた後の観光探索の道中で発生するイベント。助けてもらったお礼として、主人公はホタルに財布を渡され(予算20,000信用ポイント)、今回は自分のおごりだから好きなものを買って良いと言われる。
この際、店にあるものをどれほど買うのかによって、ホタルが全く異なる反応を見せる。
- 一部買うと、ホタルはそれが主人公の好みだと認識し、自分の好みの食べ物の話をシェアしてくれる。
- 全部買うと、ホタルの予算である20,000信用ポイントがちょうど底をついてしまう。ホタルはそれでも相変わらず払ってくれるのだが、ショックで動揺を隠し切れない反応を見せる。
(ちなみにこの予算20,000信用ポイントは彼女が一か月働いて貯めた給料だったらしい。ホタルの反応があまりにも可哀そうだったため、後の祭りになって地団駄を踏んだプレイヤーが続出した模様。)
ロストエントロピー症候群
ホタルが罹っているという、現時点ではまだ謎に包まれている病。
この病気にかかった者は、物理構造が不可逆的な慢性解離に陥る。要するに、ゆっくりと消えていくというもの。そして、その「消失」は周りの者にはほとんど気付かれないという。
人並みに走ることも、ジャンプすることも、他の人と会話することもできる。全部正常に見える。不正常な部分があるとすれば、それは「いつもより少し遅い」という一点のみ。だがそれがさらに遅くなっていくと、いつか自分と世界全体の境界が曖昧になり、現実と夢が同じようにバラバラになるせいで、区別がつかなくなってしまう。
ホタルは自分がピノコニーにやってきた理由の一つとして、現実の自分が抱いている「叶わない望み」を夢境に訴えることを挙げている。
「(夢境の中でなら)医者の言葉を忘れて、自分の体で好きなものを聞いて、見て、触って、考えて、感じられる。この世界は現実じゃないけど、この感覚はなによりも大切なの。」
「今この瞬間のように」
展望台での独白
ホタルの死は、スターレイル史上最大の鬱イベントと称されるほど多くの開拓者の心にショックを与えたが、実は望めば更なる追い打ちが待っている。
2.0開拓クエスト終了後、ドリームボーダーのホタルの秘密基地へ赴き、二人で話をした場所を調べると主人公の独白が始まる。
「あなたの心の底から苦い思い出が込み上げ、それは最も硬い金属を灰にするのに十分なほどの——怒りの炎となった。」
残された謎
ブラックスワンがレバリー内でのホタルの行動の記憶を再現してみると、何者かと協力して「時計屋の遺産」を探していたが突如裏切られ、更に星核ハンターのサムと遭遇して逃げ惑っていたことがわかるが、彼女が何を目的として「時計屋の遺産」を求めていたのかは謎のままとなっている。
関連イラスト
関連タグ
蛍(原神):原神に登場する同名キャラ。ただし一致しているのは日本語名の仮名表記のみであり、俗にいう並行同位体ではない。さらに英語版では「Lummie」と「Firefly」、中国語版では「荧(いーん)」と「流萤(ほたる)」という違いがある。
ストーリーにおいて(ネタバレ注意)
※以下、2.1開拓クエストのネタバレを含みます。
「もっと早くあなたの前に現われ、事実を伝えたかったのですが……」
「いつの間にか、この世界との繋がりが強くなりすぎて、「脚本」の束縛から逃れることができなくなってしまったようです。」
「…エリオの言う通り、あなたも私も、この夢の地で忘れられない収穫を得ることでしょう。」
「私は彼やカフカのように人の心を知り尽くしているわけではありませんし、銀狼や刃のような特技もありません。」
「私が得意とすることのほとんどは、慈悲を必要としない悪党にしか使えないのです。」
「なので - 私が取れる「手段」も1つしかありません。」
「そう 君に見せるしかない…」
「あたしの すべてを」
ホタルの正体とは、2.0開拓クエスト終盤にて開拓者と対峙した星核ハンターであるサムその人だった。
2.1現時点では2.0で行われたホタルとのやり取りに関しての詳しい言及はされておらず、
ホタルが死を超えた先の夢境で開拓者と無事(?)に生きて(?)再開を果たしただけである。
なお、ホタル=サムという事実が公になったため、2.0開拓クエスト中にホタルが語った
自分がハウンド家の疑い通りの密航者である
という情報は真実であったことも判明した。
(上記の結果、ロストエントロピー症候群等のホタルから出た情報の真偽は結局不明なままで、現在でも暗雲が立ちこめている)
2.1開拓ストーリー終了後にホタルの秘密基地へ赴き会話イベントを発生させると、
内容が完了前と後で変化している。
ホタル = サム説
という、各種SNS等で取り上げられていた噂/考察が今回の開拓クエストで事実であったことが発覚した。
しかし、実は公式からかなり早い段階でネタバレされていたこともまた事実であった。
『崩壊:スターレイル』OP:「WHITE NIGHT」
PV中のサムのシーンをよく見ると、炎を使った橙色を基調とした外見ではなく、
まるでホタルの衣装を意識したかのような白とエメラルドグリーンの配色がされた姿で戦闘を行っている。
また、ホタルの英語名を少し捻った考え方で解釈すると、これまたサムに繋がる。
サムは戦闘の際に炎を使用するが、ホタルの英語名を分解してみると
firefly(ホタル/蛍/昆虫)
fire fly(火/炎/飛ぶ)
となり、サムとの関連性を想起させるものになっていた。
また、ドリームボーダーでホタルと話をするシーンにてホタルがとある一節を引用する
「焦土の夢を見た。一本の新芽が土を突き破り、朝日に向かって咲き誇る。そして、あたしに囁くの」
「焦土の夢」はサム(もしくはグラモスの鉄機兵団)にしか知り得ない光景のはずである。
上記に付随してだが、「模擬宇宙:宇宙の蝗害」のアチーブメントに
「焦土作戦」というものがある。
内容は謁見サイコロ壊滅を100回振るというものだが、
焦土作戦というのはサムのセリフから推察するにホタルの故郷を襲った脅威に対して行われた「殲滅プラン」である。
ホタルは自分の故郷が失われた理由はレギオンのせいかもしれないしスウォームのせいかもしれないと語っていたが、本アチーブメントにおいてスウォームのせいで滅びていたことがほぼ確定した。
つまるところ宇宙の蝗害実装時点からホタル=サムという導線は伸びていたようだ。
また、2.0完了後にホタルの秘密基地へ赴いた際の主人公の独白だが、
「あなたの心の底から苦い思い出が込み上げ、それは最も硬い金属を灰にするのに十分なほどの - 怒りの炎となった。」
わざわざここで「炎」という表現を使っていたのも、初めからホタル=サムという事実を示唆していたのだろう。
その他にも2.1リリース前に様々な開拓者たちがホタル=サム説の考察を行っていたため、一見の価値あり。
銀狼はよくサムにスマホゲームをやらせていた(恐らくソシャゲの周回)という話があるが、
ホタルが銀狼にスマホゲームの周回を強要させられている絵面はなかなかにシュールである。
- ホタル、疾病持ちでも構わないから結婚しよう…-
余談ではあるが、P・D・イーストマン著の
Sam and the Firefly(サムといたずら蛍)
という児童書が存在する。
オマージュ
「私が得意とすることのほとんどは、慈悲を必要としない悪党にしか使えないのです。」という台詞(主旨)や、戦闘スーツを粒子レベルで脱着する姿は東映の「宇宙刑事シリーズ」から。そしてゴツいスーツの中には美女という設定は任天堂の「メトロイドシリーズ」の主人公・サムス・アランから来ていると推測されている。