概要
松本零士のマンガ『クイーン・エメラルダス』の主人公。一匹狼の女宇宙海賊。
人物像
元々は短編読み切り『エメラルダス』において主人公である女だけの海賊船の船長として登場し、その後連載漫画『クイーン・エメラルダス』において仲間や部下を持たない一匹狼の女宇宙海賊として設定され直し、キャラクターの基本形が形作られた。
その後、昭和版TVアニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック』において、主人公キャプテンハーロックの親友トチローの恋人にして、その遺児大山マユの現在生死不明な母親として設定された。
ただし、この時の名称は現在のエメラルダスでは無く「エメラーダ」であった。
原作者の松本零士が、大山まゆの存在に否定的であった事から、一度はそのまま消えるかとも思われたが、後に、「大山トチローの恋人にして、その死を認めず宇宙を放浪している」という設定のみ引き継ぐ形で漫画版『宇宙海賊キャプテンハーロック』にも、漫画『クイーン・エメラルダス』版の宇宙戦艦「クイーン・エメラルダス号」を駆る一匹狼の宇宙海賊という設定と共に登場、さらに「メーテルのライバル」という設定を追加して『銀河鉄道999』のゲストキャラと成り、以後は松本零士作品の代表キャラの一人として認知されるようになった。
劇場版『銀河鉄道999』では製作にあたり松本が「メーテルとエメラルダスは姉妹的な友人」というメモを残しており、作中でもエメラルダスがメーテルに「あなたも私も永遠に終わることのない時間の中を流れて行く時の旅人」などと語るシーンがあることから、見ようによっては実はこの二人姉妹なのではと見えなくもない状態となる。
その後、松本零士作スペースオペラの世界観統合の流れの中で、「女王プロメシュームの長女にしてメーテルの双子の姉」という設定が追加され、松本零士作品の総決算ともいうべき「キャプテンハーロック~次元航海~」においてはさらに設定が整理され、「大山まゆ」「大山昇太」の二児の母という設定が加わった。この設定だとメーテルも妊娠・出産は可能であるという解釈に行き着くのだが、それはそれでいいのだろうか?
ちなみに、飛行船冒険モノの漫画である『エメラルダス』では、ハーロックやトチローの宿痾「水虫」に対抗とばかりに「重度の魚の目」を煩っているという設定があったが、現在も残っているかは不明。
登場作品
エメラルダス(「クイーン・エメラルダス」単行本に収録)
余談
999の世界においては、劇場版2作目ラストでの「メーテルから鉄郎を引き剥がす」自身を下げまくった行為が語り草となっている。意味合い的には「自身の背負う業を考えると、好きな男と添い遂げて幸せになることなど許されない」といったところなのだろうが、それよりも「自分がトチローとくっつき損なった腹いせ」とネタ的に解釈されることの方が圧倒的に多い。そしてその後日談の『アルティメットジャーニー』では汚名返上とばかりに「もう自由に生きて構わない、愛する人と幸せになりなさい!」と見事に手のひら返しをしていたりする。まったくもって面倒くさい姉である。
関連イラスト