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ダイジンの編集履歴

2024-02-15 19:31:42 バージョン

ダイジン

だいじん

アニメ映画『すずめの戸締まり』に登場する猫。

「すずめ やさしい すき

おまえは じゃま」


CV:山根あん

概要

九州の田舎町の廃墟にあった災いの扉「後ろ戸」を閉じた岩戸鈴芽宗像草太の前に突然現れた、人間の言葉を話す謎の白い猫

草太を小さな子供椅子の姿に変えた張本人であるほか、鈴芽と草太の旅のきっかけとなった存在でもある。

日本各地に開く後ろ戸とともに出没し、戸締まりの旅をする鈴芽たちを翻弄することになる。


また、ダイジンという名前は彼自身が名乗ったわけではなく、日本中を放浪していくなかでSNS上で話題に上がるうちに自然と「ダイジン」という名前がつけられたことによるものである。


特徴

ダイジン可愛い

容姿

左目だけ黒く縁取られた黄色い丸い目をした、白い毛並みの小さな子猫。上向きにカールした白いひげが昔の大臣を思わせることから「ダイジン」という名前で呼ばれている。

鈴芽の前に初めて現れたときは、骨ばった身体でげっそりと痩せこけていたものの、彼女からご飯をもてなされて以降は、大福のようにふっくらと肉づいて元気を取り戻し、ちょこまかと走り回るようになる。


性格

意図のさっぱりつかめない、気まぐれで自由奔放な性格の持ち主。極めて透明感のある幼子(おさなご)のような声色で無邪気に語りかけ、持ち前の神出鬼没さで遊び相手を翻弄している。

また、たまたま目についた人間をにたりと笑いながら呪って椅子の姿に変えたり、数百年に一度の大災害が起こるさまを前にして「いまからたくさん ひとがしぬ」と嬉しそうに昂(たかぶ)るなど、人道的な情緒や他者をおもんばかる共感性が欠落しているような発言も見受けられる。


能力

人間の言葉を話して対話できるのみならず、目をつけた人間を無機物の姿に変えてしまう呪いをかけることもできる。

また、神戸のスナックに姿を現した際には、スナックの店員や客に暗示をかけて自身の姿を羽振りのいいダンディに見せかけ、「よっ、お大尽!」「大尽太っ腹!」などと場を盛り上げている。


経歴

ダイジンといっしょ


ダイジンの正体は神を宿した要石(かなめいし)が猫の姿になった、いわゆる「かりそめの顕現(けんげん)」であり、もともとは長きにわたって九州の地で人知れず災いを鎮める存在であった。

あるとき、地元の廃墟の温泉街を訪れた鈴芽が、後ろ戸のそばに埋まっていた要石を引き抜いたことで、封印が解けたダイジンは猫の姿になってその場を逃げ出している。そののち、自身を引き抜いた鈴芽のもとに現れたダイジンは、彼女からご飯を与えられて可愛がられたことで彼女を気に入り、そばにいた草太を邪魔者扱いして椅子の姿に変えてしまう。怒った草太と困惑する鈴芽から追いかけられたダイジンは、港を出たフェリーの甲板に追い詰められてしまうものの、偶然にそばを通りかかる警備艇を見つけ、「またねっ」と言葉を残して彼らのもとから逃げ延びている。


その後のダイジンは、道行く人々の前で子猫としての愛くるしい振る舞いを見せ、数々の写真やテレビ中継に収められている。とりわけSNSでは、ダイジンのキュートな見た目や仕草が大きな人気を博し、「#ダイジンといっしょ」という専用のハッシュタグまで作られて話題を集めるまでになっている。

ダイジンはそうして人々の噂の種になることで鈴芽と草太を後ろ戸の開く場所へと誘い出すとともに、戸締まりを終えた彼らの前に姿を現して「うしろどは またひらくよ」と言葉を残して消え去るなど、彼らを翻弄することを楽しむような様子を見せている。


主要キャラクターとの関係

岩戸鈴芽

すずめの戸締まり


九州の静かな港町に暮らしている17歳の女子高生。

ダイジンは鈴芽のことを「すずめ」と呼んでおり、対する鈴芽は「ダイジン」と呼んでいる。

要石として人知れず災いを鎮めていたダイジンを、興味本位で鈴芽が引き抜いてしまったことが出会ったきっかけとなっており、ダイジンはそののち鈴芽のもとを訪れた際に、彼女からご飯をもてなされて可愛がられたことから「すずめ やさしい すき」と彼女の優しさに強く心惹かれることになる。

その後もダイジンは鈴芽を後ろ戸の開く場所へと誘い出すなかで、扉を閉めて災いを封じた彼女の手際に「すずめ すごーい」と感心したり、旅先で偶然鉢合わせるなかで「げんきー?」や「あそぼう!」と声をかけたりしているほか、鈴芽が旅の途中で草太と離れ離れになってしまった際には「すずめ やっとふたりきり」と言いながら彼女のもとにすり寄るなど、構ってほしさを全面的に押し出した振る舞いを見せている。


宗像草太

戸締まり


日本全国を旅している「閉じ師」の青年。

ダイジンは草太のことを「そうた」「おまえ」と呼んでおり、対する草太は「ダイジン」「要石」と呼んでいる。

ダイジンは鈴芽にご飯を出されて優しくしてもらった際に、彼女のそばにいた草太に「おまえは じゃま」と呪いをかけ、椅子の姿に変えてしまう。ダイジンはそのままにたりと笑みを浮かべるものの、状況を理解した草太が「お前がやったのか!?」とダイジンに強く問いかけたことを受けて、ダイジンはひとまずその場から逃げ去ることになる。

鈴芽の家を出た先で乗ったフェリーではそばを通った警備艇に乗り移って逃げ切り、愛媛県での戸締まりの際にも高みの見物をしたのちに悠々と立ち去っていたものの、続く神戸の廃遊園地では、椅子の身体に馴染んできた草太と大捕り物を演じることになる。一時は草太に飛びかかられて取り押さえられるダイジンだったが、その際の弾みで起動した変電設備が鈴芽の乗る観覧車を動かしたために、彼女を助けようとした草太に諦められてその場を去ることに成功している。


ダイジンは草太から「気まぐれな神」というような形で見られているものの、逆にダイジンは椅子にされてしまった現状を気まぐれなどというおぼろげな基準でしか認識していない草太に対して、のちに「おまえ まだきづいてないの?」という意味深かつ諦観(ていかん)混じりの問いをぶつけている。また、ダイジンは草太を人間の姿に戻したり、自身が要石に戻る気はさらさらなく、鈴芽や草太たちと対峙するなかでも「ムリ だいじんは もう かなめいしじゃない」などと、彼らの要求を頑なに拒(こば)んでいる。


余談

  • 鈴芽が戸締まりの旅で世話になる民宿スナックは、いずれも彼女が訪れた日に「今日はなんか急にお客さんが増えてしもて」や「こないに混むなんて滅多にないんやけどなあ」というような繁盛ぶりを見せており(小説版、97ページ、129ページ)、作品を鑑賞した者のSNS上の感想のなかには、「ダイジンが裏で招き猫的な力を使ったのではないか」という考えを見ることもできる。
  • 新海誠監督は、2022年12月24日にTジョイ横浜で行われた舞台挨拶において、ダイジンのことを「子どもの神様のイメージ」と説明している。あわせて、愛情が欲しい年頃に要石になったダイジンは、思いがけなく鈴芽に引き抜かれたことで「要石としての使命はわかっているけれどすずめと遊びたい」という気持ちを抱いていたということも語られている。

関連イラスト

鈴芽のリボンダイジンと一緒

ダイジンダイジンといっしょ


関連動画

映画『すずめの戸締まり』WEB CM -ダイジンといっしょ篇-(2022年11月)


映画『すずめの戸締まり』WEB CM -きまぐれダイジン篇-(2022年12月)


関連タグ

すずめの戸締まり

岩戸鈴芽 - 九州の静かな町に暮らす女子高生。

宗像草太 - 日本全国を旅する「閉じ師」の青年。


白猫 要石(すずめの戸締まり)


ルマリー:別の映画作品『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のキャラクター。公式には非公表であるが、日本語版にてルマリーを演じていたのがダイジン役の山根あんである可能性が非常に高いことが言及されている(日本語版の最後のクレジットにも役名は書かれていないが、演者の名前がある)。

また、「可愛らしい外見と声に反して物騒な物言いのキャラクター」である点が共通している。


キュゥべえ:別のアニメ作品『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクター。顛末は異なるとは言え、前半部分はダイジンと同じく真意が読めず、人道的な感情が欠落している。


外部リンク


参考文献

  • 新海誠『小説 すずめの戸締まり』 角川文庫 2022年8月24日発行 ISBN 978-4-04-112679-0
  • パンフレット 映画『すずめの戸締まり』 東宝 2022年11月11日発行










ここから先はネタバレです。未見の方は注意!


















ダイジンの元々の役割は「ミミズ」と称される巨大な災いを鎮めるための要石であるが、要石には日本列島の西と東を鎮める2つのものが存在している。ダイジンはミミズの尻尾を鎮める役割を持つ「西の要石」であり、ミミズの頭を鎮めるもう一方の「東の要石」は「サダイジン」と名乗り、黒い猫の姿で鈴芽の前に現れることになる。



















ここから先は『月刊ニュータイプ』2023年1月号に記載されている資料から推測される情報であり、映画の公式な設定ではないことに注意してください。
































『月刊ニュータイプ』2023年1月号には、映画関係者へのインタビューとともに、作中に登場するいくつかの古文書が紹介されている。江戸時代(という設定)に書かれたそれらの古文書のうちのひとつには、ダイジンの過去について記された可能性の高いものが存在している。


江戸時代後期の嘉永7年(1854年) に記されたその古文書『寅ノ大変 白要石』には、同年にかつての西の要石が災いに敗れたことで「寅の大変」と呼ばれる連続した大地震が発生し、被災地である三輪山(現在の奈良県桜井市)の震災遺児が当時の閉じ師に要石の役目を願い出て「白き右大神」と呼ばれる新たな要石になったという逸話が残されている。


あくまで作品の美術のひとつとしての古文書であり、映画の正式設定は違うものになっている可能性があるものの、仮にこの通りであるならば、ダイジンはもともとは江戸時代に生まれ、親を地震で亡くした震災遺児であったことになる。また、作中で草太が要石になった際に、草太の祖父である宗像羊朗が「草太はこの先要石として何十年と過ごし、この世とは違うものになる」ということを鈴芽に言っていたことから、ファンの一部のなかには「ダイジンもまた要石として長い年月を過ごして神になったため、感覚も変化してしまったのではないか」という見立ても見ることができる。

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