※注意!この記事には批判的な内容を含みます!
概要
X(Twitter)に時折出没するユーザーのこと。
一つのポストがバズると、必ずと言っていいほどそのリポストに出没し、内容のないリポストや他のユーザーのリポストをコピペしただけの返信を残していく。
現在、純粋な返信が見れない、トレンドがインプレゾンビで汚染されるなど、多くのXユーザーからAIエロ垢やトレンドスパムなどと並んで問題視されている。
特徴
いくつか特徴として挙げられるのは
- 公式からの投稿やバズったポストに出没する。
- 多くの場合は海外ユーザー。
- アイコンは外国人の顔写真。
- 絵文字や関連性のない無意味な返信を送る。
- 必ずと言っていいほど認証マークが付いている。
- 多くの場合ユーザー名は日本語以外。
- 文字がアラビア語などの外国語、または直訳したかのような怪しい日本語、そもそも絵文字のみ
- 内容が誰かの引用RPである。
- 一つの返信に無意味な返信を繋げていく。
など枚挙に暇がない。
目的
一見無意味な行為に思えるだろうが、実は一つの大きな目的が存在している。
それは収益稼ぎである。
イーロン・マスク氏が2023年7月に Xに収益化プログラムを導入したのは有名な話だが、収益化プログラムが承認されるには、
- X Premiumに加入している
- フォロワーが500人以上である
- 過去3か月間以内の投稿に対するインプレッションが500万件以上である
という条件をクリアする必要がある。逆に言えば、これさえクリアしてしまえば収益化により楽に稼げるようになってしまうということを意味する。
これらの条件をクリアするのは一見難しいように思えるが、インプレゾンビが湧いている以上抜け穴が存在している。
1つ目は課金すれば加入でき、2つ目はゾンビ同士でフォローし合えば簡単に達成できてしまう。そしてこの項目において、最も重要な点が3つ目の条件。
Xにおけるインプレッションとは、投稿がユーザーのタイムラインに表示された回数を指している。つまり、何回その投稿が見られたかを示している。普通の方法であれば、3ヶ月以内に500万回投稿を見てもらうなど、余程のインフルエンサーでない限り不可能だろう。
ではどうするか。そう、インプレゾンビはバズったインフルエンサーのリポストに出没し、その返信を見てもらうか、現在のトレンドの語句を多く含んだ滅裂な文章を羅列したポストをすることで閲覧数を稼ぐのである。
こうすれば簡単に多くのユーザーを使ってインプレッションを稼ぐことができ、簡単に収益化できてしまうのである。
インプレゾンビによる被害
インプレゾンビが出現したことによって、純粋な感想が見れない、トレンド汚染が発生するという被害が発生することは前述した通りだが、インプレゾンビの悪質さが顕著に表れた被害がいくつか存在する。
まず、有名人の訃報に対する返信である。
有名人の訃報がXで報じられた際、通常のユーザーならば「お悔やみ申し上げます」や「ご冥福をお祈りします」といった追悼の意を込めた返信をする…というか、これは人として当たり前の事である。しかし、意味のない返信を送りつけるインプレゾンビの場合は、あろうことか「それは喜ばしいことですね」といった返信や笑顔の顔文字など、明らかに不謹慎としか言いようのない返信を送ってくる。当然、これにより不快感を示すユーザーは後を絶たない。
そして、インプレゾンビの悪質さが表れた最たる例が、2024年の三ヶ日に能登半島を襲った令和6年能登半島地震や羽田空港航空機の事故である。
かつての東日本大震災において、ツイッターは救援を送る際に重宝された過去がある。しかし今回の場合は、インプレ稼ぎを目的としたデマ投稿が蔓延したり、災害情報発信のポストに全く関係ないリポストが湧く始末。挙句の果てには本来の助けを求めるツイートがパクツイされ、誰が本当に助けを求めているのかわからなくなるという事態にまで発展している。
東日本大震災の時に大活躍したツイッターは何処へ行ってしまったのか。
イーロン・マスク氏は一応偽情報対策用のコミュニティーノートを導入していたようだが、インプレゾンビ相手にはまともに機能せず、これによりインプレゾンビへの憤りだけでなく、イーロン・マスク氏への批判も殺到した。
インプレゾンビが湧く条件と対処法
上記の漫画は、Xにおいてインプレゾンビと日夜戦いを繰り広げているpixivユーザーBirdHatter氏のある実験の結果である。
氏はインプレゾンビの湧く条件を知るために、一般ユーザーの協力を得てどのような投稿でインプレゾンビが湧くのかを実験した。
結果は、初動の勢いが大きい投稿に湧くという結果で、返信数やリポスト数は関係ないということが判明した。
そして、これらの対処法も完成。すなわち、一度返信欄を閉鎖した状態で投稿し、一定時間後に解放するという方法である。これによりインプレゾンビを抑制することができたが、一定時間空けてもゾンビの種類によっては湧いてしまうという。
もしもインプレゾンビを見つけた場合は、やはり大人しくブロックしておくのが最善なのだが、イーロン・マスク氏は「Xのブロック機能を廃止する」と表明している。現在はまだブロック機能は健在なものの、ブロック機能を廃止された時に備え、何か対策を練る必要があるだろう。
関連動画
関連タグ
イーロン・マスク:インプレゾンビが現れるきっかけを作ってしまった起業家であり、過激な言い方をするならばこの問題における戦犯。上述のようにブロック機能の撤廃が行われればさらなる加速も危惧されるものの、それに対する対策は発表されてない上に、インプレゾンビ以外にも彼の言動が原因と見られるXの問題点・不具合その他は非常に多く、X関連では様々な方向から非難が向けられている。
令和6年能登半島地震:上記の通り被災者のツイートにも案の定、大量のインプレゾンビ達が群がり世間からより嫌悪されるようになった。
魔族(葬送のフリーレン):作中において「人の声真似をするだけの、言葉の通じない猛獣」とされており、意思の存在しない言葉を発するインプレゾンビとネットでよく同一視される。
外部リンク
INTERNET Watch: X(旧Twitter)で出没する「インプレゾンビ」はどんな条件で出現? 実験結果が話題に
IT Media NEWS:Xに現れる“ゾンビ”の正体「リプライゾンビ」「インプレゾンビ」はなぜ、意味のないリプライを繰り返すのか
最後に
Xは本来、日常であった出来事や自身のイラストなどの創作、さまざまな情報を共有するコンテンツです。決して人気のユーザーに寄生して金稼ぎする場ではない事を忘れないでいただきたい。