ニューヨーク

にゅーよーく

アメリカ合衆国のニューヨーク州に属する都市

概要

ニューヨーク（にゅーよーく、英語：City of New York、New York City、漢字：紐育、別名：ゴッサムシティ、ビッグアップル）は、アメリカ合衆国のニューヨーク州に属する都市。マンハッタン・ブルックリン・ブロンクス・クイーンズ・スタテンアイランドの5区で構成され、マンハッタン区のあるマンハッタン島が市の中心部である。

歴史

黎明期

元々はレナぺ族などアメリカ先住民の人々が暮らす場所であったが、1626年5月にオランダ西インド会社がマンハッタン島を買収し、ニューアムステルダムと命名された。1653年2月に正式な都市となったが、1664年9月にイギリスが占領した。1667年7月にブレダの和約が締結されてイギリスに割譲され、チャールズ2世の弟のヨーク公に与えられた事でニューヨークに改称された。

18世紀～19世紀

1775年4月に独立戦争が勃発したさいには、イギリス軍の拠点として機能していたこともあり、度々戦闘が繰り広げられた。1789年4月に首都となり、ジョージ・ワシントンの大統領就任式がここで執行された。翌年7月に首都はフィラデルフィアに移転したが、この時点でニューヨークの人口はアメリカ最大であった。

19世紀になると移民と都市開発で更に人口が増加し、1898年1月にブルックリン・クイーンズ郡西部・スタテンアイランド・既存のニューヨーク市が統合され、近代的な都市が形成された。

20世紀～現代

1914年に勃発した第一次世界大戦により主戦場となった欧州は荒廃、大戦後の1918年11月以降は通貨もイギリスのポンドよりアメリカのドルが支持されるようになった。同時にニューヨークがロンドンに代わる世界金融の中心地となり、世界最大の人口を擁する大都市となった。

1920年代頃から空前の好景気を謳歌していたアメリカを象徴するようにエンパイア・ステート・ビルのような超高層ビルが建設されていき、現在の摩天楼が立ち並ぶ風景に変貌した一方で、1929年10月にウォール街での株価の暴落による世界恐慌の震源地となった。

第二次世界大戦後の1945年10月に国際連合の本部が設置された事で国際政治に対する影響力が高まり、芸術面でもフランスのパリに代わる芸術都市としても頭角を現し始めた。1960年代には人種間の対立と治安の悪化に悩まされたが、金融業の復活やマンハッタン南部の再開発などを通して改善されていった。

2001年9月11日に発生した同時多発テロでは現場のひとつとなり、ワールドトレードセンターのツインタワーが標的となった。タワーは共に全壊し、多数の犠牲者を出す大惨事となった。事件後、跡地では新たな超高層ビル群の再建が続いており、2014年には541.3mの1WTCが完成した。

市内

巨大な貿易港のニューヨーク港、ケネディ国際空港、ニューアーク・リバティー国際空港、ラガーディア空港といった大空港がある。車社会のアメリカではニューヨークは珍しく公共交通機関として地下鉄が市内各地に整備されており、24時間営業している。かつては治安が悪く市民からの評判が悪い乗り物であったが、近年は観光客も気軽に利用できるまでに改善されている。

特徴

世界の金融・政治・情報の中心であり、20世紀初頭からマンハッタン区には超高層ビルが林立し、モダンな建造物が多い。現代文化の中心地で人種的に多様なコミュニティを持ち、数々の映画・ドラマ・小説の舞台にもなり、世界中の人々が憧れる大都市である。世界で最も富裕層が多い都市でもあり、市内の経済力は東京・横浜圏に次いで世界第2位の規模だが、その開放性と多様性故に国際影響力は東京をはるかに上回る。