概要
彼らの正体は外宇宙から飛来した、真体(アリスィア)という本体を持つ機械の神である。
かつて、人工恒星を回る擬似太陽系。星間航行船団というとてつもないスケールで建造された彼らは、滅亡の危機に瀕した創造主らを救うために旅立つ事になる。
しかし、その前に創造主たる知性体は絶滅。彼らを乗せぬまま新たな新天地を求めて星の大海へと旅立った。
しかし、そんな彼らですら宇宙を渡る旅は困難を極め、母艦カオスは97%の機能を消費して船団を型月世界の宇宙に転送し、以降何万年もこの宇宙をさ迷い続けた。
あてのない放浪の中、数多の同胞である船は機能停止して沈み、果てには旗艦の座を巡る内戦が起こった。(文脈からすると、旗艦をめぐる争いは地球着陸後に起こった可能性がある)。
過酷な旅の中で疲弊した彼らは、遂に自分たちの生存条件に合う星ーー、地球に出会う。
墜落同然にその星、後にギリシャと呼ばれる地に降り立った彼らはそこで人類種と邂逅、神と崇められる事になり、デウス・エクス・マキナとしてこの地に根付く事を選んだ。
型月におけるアトランティスの正体は、彼らが建造した人工島プラントである。(順序としてはアトランティスが滅んだ後に神々の残骸が与えた影響で地中海に興った文明がエーゲ文明という事になっている。)
それ以来、アバターを創造して人類とコミュニケーションを取り、恐れ敬われた彼らだったが、セファール襲来とその激突で真体を完全に喪失。
ついに使命を果たすための駆体をも失った彼らはそこでようやく諦めがつき、セファールの分霊であるギガースとの戦いを経て世界に溶け、人類史を見守り続けている。
そしてセファール襲来に際してゼウスが十二神と合体し、即座に消滅させたもしもの未来が星間都市山脈オリュンポスである。
元が機械であるがゆえに、仲間割れや自身の欠如など、本来ならリカバリーに時間がかかる『喪失』をあっさりと割りきれてしまう。これはイアソン曰く「上っツラを真似しただけの感情」だかららしい。
しかしデメテルやゼウスなど、その感情で己の在り方を大きく変えた艦もいる。これはオリオンからすれば、「本物になるよう作ったのだから、その感情は本物だ」ということだろう。
メンバー
名前 | アバター | 真体 | その役割 |
---|---|---|---|
ゼウス | 『星間戦闘用殲滅型機動要塞』オリュンポス船団を率いる旗艦。別の艦の権能を代わりに行使することができるほか、太陽系一帯を破壊可能な『対星系宝具』を有する。その威力は威嚇射撃すらアルテミスの主砲の威力を越える。 | ||
デメテル | 『星間航行物資生産艦』再生の権能。不老不死の果実『アンブロシア』生成能力を有するガイアに最も近い艦。周りの物質を資源に変換することができる。 | ||
アフロディーテ | 『知性体教導用大型端末/霊子情報戦型攻撃機』ハッキングによる戦闘と、知性を教導し導く二つの役割を持つ船。視界をハックしての同士討ちのほか、好意を弄る事が可能。これらは人間には歌に聞こえる。装甲はかなり柔軟な模様 | ||
ヘラ | 不明(おそらく女性型) | 不明 | 役割不明。異聞帯ではエウロペと同化した。 |
アルテミス | 『狙撃型星間戦闘機』機神の残骸でできた島を一撃で、十二の試練を持ち大量のパフを受けたヘラクレスを二撃で落とすことができる主砲『ルナティックビーム』を持つ。他にも精神汚染、重量操作などの豊富な攻撃手段を持つ。 | ||
アテナ | 不明(おそらく女性型) | 不明 | 役割不明。機械仕掛けのフクロウ「ミネルヴァ」を所有 |
ハデス | 不明(おそらく男性型) | 不明 | 役割不明。権能は『分解』であることがわかっている。唯一ゼウスが共存派の神の権能を使った存在 |
ポセイドン | 不明(おそらく男性型) | 『惑星改造用プラント船』星の環境改造を目的として作られた艦。ゼウスに次ぐ力を持ち、深海という領域と四つのバリアフィールドにより鉄壁の防御力を誇る。 | |
アポロン | 不明(おそらく男性型) | 不明 | 役割不明。人型躯体は未登場だが、羊のぬいぐるみがアバターとして登場。アルテミスが金の弓を持つのに対してアポロンは銀の弓を持つとされている。 |
ヘスティア | 不明(おそらく女性型) | 不明 | 役割不明。2部5章前編にてヘスティア島として名前のみ登場している。 |
アレス | 不明(おそらく男性型) | 赤い巨大ロボット(役割は不明)。詳細は不明ながら、セファール戦において最も活躍した神だとされている。セファールへの有効な攻撃手段が物理攻撃である事から、白兵戦が得意な艦であると推測される。 | |
ヘファイストス | 不明(おそらく男性型) | 左側の灯りの方。役割不明。大部分を喪失した状態でアルテミスを討つ長弓や冠位召喚式アイテールなど、型月世界の常識を越えるテクノロジーが製造できる。完全な状態ならば、世界を書き換える筺すら創り出す事が可能 |
その他
テオス・クリロノミアについて
オリュンポス十二神の持つ液状のナノマシンを「テオス・クリロノミア」といい、神の真体を構成する「元素組成金属」の一種で、「魔力供給も可能である擬似的な第二種永久機関」。
サーヴァントに付与することで彼らの権能に由来した能力を発揮させる他、機械類に組み込んで性能を強化することも可能。効果は次の通りである。
ゼウス・クリロノミア |
---|
全能力の向上。注入されたシャルロット・コルデーからは電撃が迸っており、最大励起すればケルベロス程度なら簡単に消滅させる。なお、注入された対象を傀儡として操る事もできる。 |
ポセイドン・クリロノミア |
海での戦闘力の向上。 |
ハデス・クリロノミア |
擬似的な不死能力の付与。 |
アテナ・クリロノミア |
戦闘能力の向上やスキル付与の他、アイギスの如き防御力を与える。また、アテナ誕生の逸話から、ゼウス・クリロノミアを除去するために必須となる。 |
へファイストス・クリロノミア |
付与したサーヴァントの耐久性を向上させる。 |
デメテル・クリロノミア |
与えた対象に高い再生力を付与。 |
ヘラ・クリロノミア |
効能は不明。 |
アレス・クリロノミア |
効能は不明。異聞帯では消失済み。 |
アフロディーテ・クリロノミア |
効能は不明。 |
アポロン・クリロノミア |
効能は不明。異聞帯では消失済み。 |
アルテミス・クリロノミア |
効能は不明。 |
ヘスティア・クリロノミア |
効能は不明。異聞帯では消失済み。 |
メンバーについて
通常、オリュンポス十二神に加わっているヘルメスとディオニュソスはメンバーに数えられていない。特に後者は人から神に成り上がった数少ない存在であるため、詳細が待たれる。(一応、異聞帯の歴史でもヘルメス神は存在していたとの事。他作品ではヘルメスは必須メンバーとされるだけにこのような扱いに驚いたプレイヤーは多かった事だろう。)
型月において、ヘルメスといえばメルブラに登場したロボット型の「霊子演算器ヘルメス」及びアトラス院で使われている「疑似霊子演算器トライヘルメス」、カルデアに提供された「霊子演算装置トリスメギストス」が連想される。作中の発言によるとどうも地球の科学力では作れない代物との事で、関係性は不明。
更に、このアトラス院の本拠はアトラス山(エジプト)にあり、これと同じ名前を関する山脈のあるアルジェリアには神霊たちを恐怖のどん底に突き落としたセファールの壁画が存在している…この奇妙な関係性は一体何を表しているのであろうか…?
オリュンポス以外の機神
オリュンポス十二神以外にも真体を持っていると思わしき存在が複数確認されている。(ネメシス、エリス、テティス、アストライア、タナトス、デイモス、ヘカテ、ヘラクレス、ペルセースの9体)
しかし五周年ファミ通の問答によると、真体を持っているのは十二神の系列(その先祖であるカオス、ティターン等も含む)だけであり、ヘラクレスなどの混血は真体を持っていないとのこと。
生殖能力
メカではあるが、ヘファイストス曰く、「交接ユニット」があり、神話通り性行為ができるようだ。しかしこれでは息子たちが歴とした有機生命体(=半神)である事に説明がつかない為、カルデア陣営は土着の神々や英雄などを神話体系に組み込んだ結果なのではないかと推測している。
もっとも、デメテルは食物の生産を行う「星間航行物資生産艦」である事から、何かしらの生体データや権能を元に息子達やアバターを製作しているのかもしれない。ホムンクルスのような技術なのだろうか…?
また同じく地球外からやってきたヴェルバーの生み出す侵略兵器アンチセルは有機生命体であるため機神も同じように有機体のアバターや子供を作成できる可能性もある。
その他ギリシャの神々
Fateの設定において、ギリシャ神話の神々や英雄全てが宇宙から来た機神やその系譜という訳ではなく、土着神や別の神話体系の神々がギリシャ神話に組み込まれた存在も存在している。
例としてはゴルゴーンやディオスクロイ、オリオン、アキレウスの母テティスがその例である。
神の性質上、余所者であるオリュンポスに反目した者もいるはずだが、詳細不明。
なお、クロノスの末子であり、母親がティターン神族の一人である正真正銘の神ケイローンは父親と同じく機神なのか、それとも上記の神や英雄と同じなのか現状では不明。
ただ、射手座及びケンタウロスの起源がメソポタミア神話の神パピルサグにあるという説はある。
この他、イシュタルは史実においてはアフロディーテなどの原典になったとされているが、Fateにおいては特殊な出自ゆえに、アフロディーテが既に存在していて、神として自身を再定義する際にイシュタルの影響を受けたとも取れる設定になっている。
余談
アイディアモチーフは古代ギリシャの演出技法の一つで、解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在で力づくに終わらせる『デウス・エクス・マキナ』と、ギリシャのオーパーツで天体運行を計算するため作られた歯車式機械であると推定される『アンティキティラ島の機械』だと考えられる。
この機械はダイヤル一つで全世界の時差に合わせられるほか、当時知られてなかったハズの土星や金星の時間にまで対応可能と、本物ならあのモナ・リザをも越える人類の至宝と目されている。
設定ができたのはFate/EXTRA製作中の頃で、きのこが世界観の広がりぶりから、「もういい加減決めないといけない」と腹を括って創り上げたらしい。
関連タグ
機神大戦ギガンティック・フォーミュラ:機械の身体を持ったギリシャの神々という事でこれを連想した人も多いはず。