概要
フリーダムガンダムの翼を全開にし、全ての武器を一斉発射する技。
Gで言うところの石破天驚拳、Wで言うところのツインバスターライフルのような機体を象徴する必殺技となっている。
フリーダムガンダムのマルチロックオンシステムは最大40機を同時にロックオンすることが可能であり、キラの超人的な操作技術により、コックピットを外して撃つという離れ業まで行えた。
イレギュラーな必殺技
しかし、大河原邦男による設定では全ての翼を放射状に広角展開する姿の「ハイマットモード」と、ウイングは縦並列させたままクスィフィアス砲とバラエーナ砲を同時展開する「フルバーストモード」の2種類しか存在していない。
それというのも、原案では「ハイマットモード」と「フルバーストモード」は両立不可だったのだが、福田監督がアニメ的な“魅せ”を求めてこの設定を変更。
そもそもフリーダムガンダムは、半固定砲台状態の「フルバーストモード」で敵の戦線を乱し、高速戦闘形態である「ハイマットモード」で突撃して各個撃破を狙う、縦横無尽なスイッチ戦法が売りの機体のはずだったという。
結果的にはフリーダムのカッコよさをより引き立たせ、本作を代表する必殺技となった。
だが、この形態が登場した代償に本来ジャスティスガンダムが担うはずであった「ファトゥム-00によるフルバーストモードの補佐」という役割が自然消滅している。
またガンプラの初期グレード等では、元々ハイマットフルバースト自体が想定になかったため、再現には改造が必須となってしまう。後に出たガンプラではバラエーナ基部に横回転軸が加わったため、この点は解消されている。
(1/100スケールではMG、1/144スケールではRGから。1/144リマスター版は旧キットのリデコのため除外。しかしHGCEでフリーダムが最新技術でリメイクされたためHGブランドでも再現可能に。)
とは言え、このバラエーナの可動部は後付けの分、非常に不格好なため、プラモデル作例ではこの部分が見えないように写すのが常となっている。
アニメ本編ではハイマット形態で武器を前方に向け、一斉射撃する光景が描かれており、これを便宜上「ハイマットフルバースト」と呼んでいる。
類似
ハイマットフルバーストに類似した全兵装一斉射撃は、実はV2アサルトバスターガンダムが「SDガンダムGジェネレーションNEO」(2002年)で先駆けて行っている。本作はガンダムSEEDとほぼ同時期かつフリーダムガンダムが世に出る前に発売されたゲームである事から、照射と連射という明確な違いがあれど「フリーダムガンダムよりも先にハイマットフルバーストを行っている」と解釈する事も出来る。
これ以降のゲームや特典映像一斉射撃はビームを照射している表現が多くなったが、アニメ本編(1993年放映)では行っていない。これは富野監督が、複数種兵装の同時射撃という実用性の低い魅せ技的な演出を嫌っているためと思われる。
また、ガンダムヘビーアームズ(フルオープンアタック)も同様な「全武器一斉発射」を行っている。ただし直線的なビームがメインのハイマットフルバーストに対し、フルオープンアタックはガトリングやミサイルなどの実弾メインのため画的には全く印象が異なる。