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後戸組

うしろどぐみ

「後戸組」とは、東方Projectに登場する丁礼田舞、爾子田里乃、摩多羅隠岐奈の三名による二次創作グループである。
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概要

東方Projectに登場する丁礼田舞爾子田里乃摩多羅隠岐奈の三名によるグループ。

三名はいずれも『東方天空璋』に初登場した。

グループの名称は三名の主な拠点的空間にして所在地である「後戸の国」に由来する。


他者の背後に「扉」を生み出す隠岐奈や隠岐奈の力も受けて他者の背後で踊ることでその潜在能力を引き出す舞と里乃らはいずれも誰か・何かの「後ろ」にその存在性が力をもって顕現する者たちであり、首魁である隠岐奈が象徴的に他者の「目」の届かないという意味においても「後ろ」にその神格を置く「 秘神 」であることもあって、その秘匿性は三名に共通するテーマでもある。


その実、隠岐奈をはじめ三名はいずれも苛烈で力を持つ者らしい他者に対する高圧的な姿勢も時ににじませつつ、あるいは時に他者に極めて人懐っこい愛嬌も寄せるなどパッションとバリエーションに富んだパーソナリティを備えており、「 不気味 」な世界に拠点を構える存在ながら、その人柄の部分には人間もまた理解・共感し得るような面も多分に持つ。


三名はいずれも踊り(隠岐奈の場合は「能楽」)に関連する要素を持ち、これらはいずれも源流は隠岐奈らの元と目される「摩多羅神」の一連の伝承に関連する。舞と里乃の元と目される「丁禮多」、「爾子多」の両名は「二童子」として摩多羅神のために踊る存在であり、隠岐奈はその存在性について後世の研究において能楽の祖とされる秦河勝と同一視する説がある。

また「摩多羅神」の伝承と、後述のような別の可能性を除いて隠岐奈、舞、里乃の三名とする場合の「後戸組」のメンバーを同時に見るとき、三名は原典である「摩多羅神」の伝承にみる「摩多羅神」、「丁禮多」、「爾子多」の三者三尊とそのまま重なる。


後戸の国

「後戸の国」とは隠岐奈が構成する独自の空間であり、こちらもまた先述の「摩多羅神」の伝承に登場する「後戸」に関連するもの。摩多羅神は「後戸の神」とされる。

隠岐奈自身も自らの神性を語る際に「後戸の神」もまた自身が内包する多様な神性の一つであるとしている(『天空璋』)。


『天空璋』ではこの「後戸の国」に鎮座する隠岐奈の命令で舞や里乃が幻想郷を訪れ、様々な存在に対してその能力を行使した。異変は幻想郷で起きたが、この出所不明の奇怪な異変に(一部は結果として)解決者として参加した面々が、舞が閉じ忘れた幻想郷と「後戸の国」の連絡口の一つを見出したことで、作中でも「後戸の国」が暴かれることとなった。


作中には実際の「後戸の国」が登場しており、例えば舞と里乃らが迎撃なり実践テストなりを行うこととなったエリアでは薄暗い空間の中に巨大な緑色の木質の扉が多数浮かび、それが開くとその向こうにはそれぞれが繋がる様々な場所を映し出す。

さらにその深みである隠岐奈の鎮座する空間では闇の向こうから断続的に巨大な戸が迫り、開く。

隠岐奈自身も各スペルカード展開に合わせて戸を開いて季節場面を変更することで各々の季節と連動したスペルカードをさらに表現している。


舞と里乃の登場ステージとなった場所についてZUNは、制作段階で「 音楽とステージの背景だけがある状態 」を目にした際などは「 相当不気味だった 」と回想している(『東方外來韋編』)。『天空璋』においても「 東方の中でもかつて無い程に不気味な世界 」とするなど、その特異性が語られている。


原典である摩多羅神における「後戸」としての神格を見る場合、摩多羅神は本尊に対する護法神としての性質も持ち、例えば日光山輪王寺の常行堂(天台宗における仏像の周りを歩きながら念仏を唱える「常行三昧」の行を行うお堂・仏堂)では、本尊である阿弥陀如来堂の「背後の入り口」に摩多羅神が祀られている(参考1)。

摩多羅神は後戸からの侵入から本尊を守る存在でもあり、例えば日光山輪王寺の摩多羅神は阿弥陀如来とその念仏の守護者にして「(輪王寺の)常行堂の後戸の神」とも。


また仏像自体にもその内部にさらに謂れのある仏具や秘神・秘仏などを収め祀るために戸がつくられることがあり、まさに「後戸」といえる構造がみられることがある。大仏などでその背後から胎内に入ることができる構造のものなどは、まさに現世から「後戸」を介して仏界の一端に入り込んでいる象徴とも言えるだろう。

これは実際に『天空璋』中でみられた、あらゆるものの背中に扉をつくりだす秘神である隠岐奈の力にも象徴的に通じる。


ZUNは隠岐奈については摩多羅神を「 ストレートに元ネタにしたかった 」としており、摩多羅神の性質が隠岐奈に色濃く反映されている(『外來韋編』)。舞と里乃についても作中で明確に隠岐奈から「 二童子 」と呼ばれる点に特によくみられるように摩多羅神における二童子がベースであり、来歴や持ち物への本作ならではのアレンジも加えつつそのデザインや位置づけなどはまさに「後戸の神」でもある摩多羅神の伝承が基となっている。


「後戸組」の後ろ側

三名が初登場した『天空璋』において舞と里乃の二人が出会った相手の次第、そしてその人物に対する隠岐奈の鑑別の次第によっては隠岐奈以外の「後戸組」のメンバーも変化していた可能性がある。

『天空璋』での一連の異変は副次的なものであり、その大本としての隠岐奈の目的が達成されていた場合はむしろ隠岐奈を除いた二名のメンバーチェンジこそが成功の姿と言えるものであった。

もしも隠岐奈の意向が成されていたら、といった想定下に限って「後戸組」をみるとき、ファンの間でも隠岐奈以下、舞と里乃の三名によるいわばメンバーチェンジ前の「後戸組」は例えば「旧後戸組」などと呼ばれていたかもしれない。


実際に隠岐奈は舞と里乃以前には別の人物を配下にしていた可能性もあり、『天空璋』時点での隠岐奈、舞、里乃の三名から成る現行の「後戸組」以前に、まさに先の「旧後戸組」とも言えるような人間関係の枠組みがあった可能性も語られている。


三名の力学としては舞と里乃はその去就を含め実質的に隠岐奈の支配下にあり、舞と里乃が元は「人間」であったとされることをはじめ、隠岐奈との出会い(または被支配の存在になった経緯)がどのようなものであったかファンの間でも様々に想像されている。


「貴方の後ろにいるよ」

先述の通り、舞と里乃は隠岐奈のための存在にして人知れず他者の背後にあり、相手の能力を引き出すことのできるバックダンサーでもある。二人の「 お師匠様 」である隠岐奈もまた神仏や聖域、世界の後戸に鎮座する神にして裏側に追いやられた人々の神でもある。

加えて、三名の原典である摩多羅神自体も邪神と捉えられてその経典・資料が破棄された歴史も持つ(参考2)。


この「他者の後ろに立つもの」、「疎まれたもの」という性質は、三名の登場以前ではメリーさんの都市伝説に関わった古明地こいしにも通じる点である。

こいしもまた人々にも妖怪にも疎まれて、姉であり同じくサトリでもある古明地さとりとともに地底世界に去り、さらにはサトリの能力を自ら閉じるに至る歴史を持つ。代わって得ることとなった無意識の存在性によってさとりを除く他者からの認識の埒外の存在となった。


しかしこいしは以後少しずつ他者とのかかわりを経て、特に『東方心綺楼』で「 希望 」に触れて以後人々との交流にも開かれるようになり、『東方深秘録』では自ら都市伝説をもって人々の中にも飛び込んだ。このときの都市伝説こそ相手の背後ににじり寄る怪異である「メリーさん」であり、実際にこいしは作中、その無意識の性質とそれを生かした各種オカルトアタックやスペルカードを通して複数の面々の「後ろ」に立った。『深秘録』の際のこいしの二つ名に見る「本怖!貴方の後ろにいるよ」などは相手の認識外のままに背後に立つこいしの様を象徴的に示している。


こいしは『深秘録』に続く『東方憑依華』においても霧雨魔理沙の背後で遊ぶなど、他者との関わりを結びながら、引き続き他者の背後をとって楽しんでいる。


『天空璋』は隠岐奈による二童子新メンバー探索であったともに舞と里乃も使いつつ隠岐奈自身が「 目立つ 」ことにもその目的があり、幻想郷の「 賢者達 」を含む全ての存在達に自らの存在性を深く刻印することにもあった。秘神ながら「 最初から、全てを見せている 」神である隠岐奈が、秘めた場所から人々の意識認識の範疇へと自ら姿を現した様は、そのメンタリティや経緯こそ異なるものの、近年のこいしの動向とも共感する。


上位者一名と従者的立場の二名によるグループ

東方Projectの二次創作において、「後戸組」同様に三名によるグループ構成にしてその構成が立場的、力的に上位の一名とその一名に従属・追従する二名という枠組みで捉えられることが多いグループ単位として「八雲一家」(八雲家)がある。二次創作における「八雲一家」は八雲紫と、その式神である八雲藍、さらにその式神であるの三者で捉えられる。『東方憑依華』などでは紫がその怪スペルカードを通して藍と橙を同時に使役する様子が描かれており、また三者が紫を中心に同時に並び立つモーション(決闘開始前)もあるなど、三者が一堂に会する様子も描かれている。


一方で「後戸組」との違いもあり、「後戸組」では舞と里乃の関係性に明確な上下関係がないフラットな間柄であるのに対し、先述のように式神としての橙は藍に使役される立場である点が内部のパワーバランスとして異なる。


この他では豊聡耳神子を頂点に物部布都蘇我屠自古がそれに追従する「豪族乱舞」(グループ名としてのもの)などもその関係性に共感するものを持つ。


一方で上位者相当の存在が二名で、それぞれの形で従属的立場の一名という関係性もみられており、

例えば八坂神奈子洩矢諏訪子の二柱の巫女としての東風谷早苗という関係性に見る守矢一家(ただし早苗の主観では自らが祀るのは神奈子が主。『東方外來韋編』)、ヘカーティア・ラピスラズリ純狐の友人関係を通して純狐に協力したヘカーティア配下のクラウンピースを交えたヘカ純ピースなどの人間関係の在り方も想像されている。


pixivでは

pixivでは本タグの他「まいさとおきな」のタグが用いられている。

pixiv以外でも「後戸組」と「まいさとおきな」の双方とも通じ得る。

一方で広く二次創作ではそれぞれのグループ名称の違いに見る細かなニュアンスの違いもあり、特殊な関係性で成り立つ隠岐奈や舞、里乃らしさもみられるものとなっている。


関連タグ

東方Project

摩多羅隠岐奈 丁礼田舞 爾子田里乃

東方Project(二次創作)

東方Projectのグループ名一覧

まいさとおきな


参考資料(外部リンク)

参考1:

日光山 輪王寺

「境内のご案内」より「常行堂」ページにて輪王寺の摩多羅神も含む神仏の様子が紹介されている。


参考2:

朝日新聞デジタル 2009年3月28日付「摩多羅神、現代人を魅了」記事

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