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壊血病

かいけつびょう

皮膚や血管から出血する病気。大航海時代の船乗りがよく患った。
目次 [非表示]

概要

壊血病は継続的なビタミンCの欠乏によって起きる病気。


主な症状は、皮膚や粘膜などの体の柔らかい部分からの出血、また傷の治癒の遅れ・免疫力低下。

症状が消えるまでビタミンCの錠剤を飲み、栄養の豊富な食事を摂ることで治る。


昔の船員の病気として知られるが、新鮮な食べ物を長期間食べないことでおきる。食材の中のビタミンCは酸素との接触や加熱によって壊れていくためである。ただし、加熱しても野菜や果物には多少のビタミンCが含まれており、キャベツの漬物であるザワークラウトなどからも摂取できるため、陸上で暮らす人が壊血病にまで至ることは少なかった。仮に、飢饉などで食料そのものが足りない場合は、壊血病発症の前にカロリー不足により死ぬ(いわゆる餓死)。


これが特に深刻な問題になったのが、航海技術が発達し、頻繁に大西洋を横断するようになる大航海時代である。沿岸を航海していれば寄港地で生鮮食品を仕入れれば良いが、大航海時代には何ヶ月もかけて大洋を横断する事が出てきた。これほど長く航海すれば果物はもちろん、タマネギニンジンなど保存のきく野菜も底をつく。当時の保存食は干物塩漬けで、飲み物はワインビールラム酒だった。これらにはビタミンCが含まれていなかった。


17世紀初めには経験的に柑橘類が効くという説があったが、あくまで噂レベルで、砂糖干し果物ニンニク、その他スパイスなども予防に使われていた(ニンニクはともかく、砂糖や乾燥ハーブに壊血病の予防効果は全くない)。一部の高級士官はプランターで栽培した野菜サラダを食べられたが全ての船員に行き渡らせるのは無理な話で、18世紀末に英国海軍が予防のためにザワークラウトを取り入れ、レモンライムやその果汁を支給するようになるまで壊血病は猛威をふるった。それでも水兵がザワークラウトを拒否したり、加熱乾燥した果汁(ビタミンCは壊れている)を使ってしまったりしたために壊血病患者は散発し、完全に克服されるのは、ビタミンCを人工合成できるようになった1933年のことである。


なお、イギリス人を指すスラング「ライム野郎 (limey) 」は19世紀のイギリス海兵が壊血病予防のためにライムジュースをよく飲んでいたことに由来する。同様に壊血病予防にザワークラウトを使っていたドイツ人は「キャベツ野郎(kraut)」と呼ばれた。


関連記事

脚気ビタミンB1の欠乏症。

ヨサク:『ONEPIECE』の登場人物。作中で壊血病を発症したキャラ。

外部リンク

ピタミンC(厚生労働省eJIM)

知らず知らずのうちに壊血病になる(東京都健康長寿医療センター研究所)

大航海時代の船乗りを震え上がらせた壊血病(ナショナル・ジオグラフィック)

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