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哺乳網・ネズミ目(げっ歯目)・リス科・ムササビ属の動物。

概要

頭胴長 30~45cm

尾長 30~40cm

体重 約1㎏


見た目

名前の通り頬の周りが白く、茶色い毛に覆われている。尻尾は黒がほとんどでたまに尻尾の端が白い個体もいる。そういった個体は普通より生存率が低いといわれている。

前足は4本指、後ろ足は5本指。爪は鋭いカギ爪で、幹にしっかりつかまることが出来る。足裏の片側には固い毛が生えており、滑り止めの役目を果たす。

顎の下に黒い毛があり、ここから分泌液を出して匂いをつける。

メスは、自分の縄張りの主張に。

オスは、繁殖期の時に自分の匂いが残るように顎をすりつける。雨などで匂いが薄まらない様に、樹皮をかじってからすりつけることもある。

ムササビには、針状軟骨と呼ばれるものがある。普段は腕に沿うようにしてたたまれているが、滑空の際に針状軟骨を伸ばすことで、皮膜の面積が広がる。滑空中に上に反るのは、航空機の翼のウィングレットと同じで、抑えつける気流の発生を弱める効果がある。ちなみに、針状軟骨はモモンガにもある。


手首と足首の骨は、時速30~40キロの滑空速度で木の幹に着地する衝撃に耐えるため、他のリスの仲間よりも太く頑丈に出来ている。その結果、足首を後ろに回す、地面を速く走る、頭を下にしてすばやく木の幹を降りる、細い枝を逆さまになって移動するといった行動が苦手になってしまった。


滑空の仕方

1、飛び立つ木の高い枝に止まる。

2、頭を上下に動かし、到着する木までの距離を測る。

3、枝を思いきり蹴る。

滑空の最長記録は2019年時点で、東京都奥多摩のムササビの213メートル。


着木

着木の際は、到着する木に近づくと、体を立ててスピードを落とす。この時、失速して墜落しない様に腕前膜(前足の近くの膜)を緩めて揚力を増し、四肢を前に突き出す。


木の登り方

木に登る際、ムササビはジャンプするようにして木に登る。また、天敵から隠れる場合、木の裏側に回り込む。これは、モモンガにもみられる行動。


寿命

野生下 5~10年

飼育下 長くて15年


妊娠期間

約75日

これは、樹上棲リスの中では、2番目に長い。最長はミミゲモモンガの80日。


産仔数

げっ歯類は基本、繁殖力があるが、ムササビは1、2匹しか子を産まない。

これは、樹上を滑空して移動するため、多くの子を抱えると、樹上生活が困難になると考えられる。

妊娠期間の約75日と、子ムササビが外出して採食開始するまで生後約60日の合計135日間を費やすため、1年に繁殖可能なのは2回まで。また、妊娠期間などの長さ以外にも、食物の季節変化に対応するため、という理由がある。

ちなみに、交尾期は初夏と冬。理由は、子ムササビの採食開始を食物が豊富な時期と一致させるためである。


休息姿勢

樹上での休息姿勢は、基本的にはおでこを足元の枝につけて、尾を背中にのせて目を閉じる。


フリージング

ムササビは光を当てられると、フリージングという行動をとる。その場でうずくまって、半眼か完全に目を閉じる。時には、体を丸めて額を足元の枝にあてて、完全な休息姿勢に入る。この行動を始めると、数10分から1時間も続ける。しかし、これは本当の休息ではない。光を当てるのをやめてしばらくすると、フリージングしていたムササビはおもむろに毛づくろいを始め、その場を立ち去ってしまう。

ところが、フリージングは必ず全ての個体がするわけではなく、光の強さや人慣れしていない光になれていない個体が示す行動で、もともとの個体差や人との出会いが多いか少ないかによっても変わる。


食性

場所によって植生が違うため、ムササビはそれに合わせて食性も変わる。下に書いたもの以外の食べ物も食べる。

広葉樹や針葉樹のスギマツ、葉や芽、松ぼっくりも食べる。ムササビが食べた後は、リスと同じく、エビフライのような形(パイナップルのような形になることもある)になる。食べている途中に落とすこともある。その際は、とりに行かない。ムササビは地面を走るのが苦手なため、落としたらそのままにする。

しかし、地面に自ら降りることもある。それは、地面に生えているキノコを食べる時。コナラの林に群生するムレオオフウセンタケを食べるところが観察されている。

ごく稀にセミも食べることがある。また、ヒヨドリのヒナを食べることもある。


大腸などの長さ

ホオジロムササビは他の樹上棲リスと比べると、大腸がかなり長い。

大腸 小腸 盲腸

ホオジロムササビ 183cm 185cm 28㎝

アーベルトリス 74cm 167cm 20cm

トウブキツネリス 48cm 144cm 12cm

トウブハイイロリス 50cm 212cm 10cm

食物繊維を多く含む食物を食べる種ほど、相対的に長い大腸を持っている。


葉っぱの食痕

シイやカシのように固い葉っぱは、二つに折ってから先の方(葉っぱの中心)を食べる。

サクラのように柔らかい葉っぱは、四つに折ってから角(葉っぱの中心)を食べる。

ただし例外もあり、葉っぱを二つ折りにしないで食べることもある。

食べ跡は、V字型の歯型が残っていたり、真ん中に丸く穴が開いていたりする。

ムササビが葉っぱの周りを食べ残すのは、葉っぱの周囲にはタンニンを貯めこんであるかららしい。

余談だが、インドオオリスはノボタンの葉を食べる際に葉を折り曲げて中心部だけを食べ、周囲を食べ残す。食べ跡はドーナツのような形になる。ノボタンの葉の周辺部には、タンニンが含まれていた。


てんぐ巣病とムササビ

ムササビが桜を食べるとき、かじられた部分から菌が入り込むことがある。

てんぐ巣病にかかったサクラは、花が咲かなくなり、やがて枝が枯れてしまう。しかし、感染している枝を食べてくれる、樹木医でもある。


巣材には運ぶ順番があり、

最初にヒノキの青葉を敷き詰め、

ヒノキの青葉がしんなりしたころ、スギやヒノキの樹皮を運び込む。

ヒノキの葉には防カビ・防虫・防菌の効果がある。


入り口が何個もある場合は、自分が出入りする穴以外を巣材で塞ぎ、外からは目立たないようにすることもある。


ムササビは、決まった巣材木を使う。自分の母親が使っていた巣材木にこだわっていると思われる。


子を隠す

母親は巣材を使って、子をきれいに隠す。これは、天敵から子を守るためだろう。


皿巣

枝の上に巣材を集めて皿のような巣をつくり、その上で休息する。皿巣を作成する時、切り取った小枝を積み重ねて台座を作り、その上に細かく裂いたスギの樹皮を厚く敷く。皿の直径は60cmにもなる。なぜ、猛禽類やカラスに襲われる危険性があり、雨が降れば体が濡れるような開放的な巣を作るのか。

理由は、樹洞が豊富な森であれば、皿巣を作ることはなく、樹洞が少なければ必要に応じて皿巣を作るからである。ちなみに、エゾリスやニホンリスは樹洞を巣に使うだけでなく、頻繁に球状巣を作る。太枝の幹の付着点近くに枝を厚く重ねたところで、木の皮を細かく裂いた内装材を内部に挿入して、巣室の空間を作ることによって球状になる。ムササビも、スギやヒノキの樹皮を運んで、枝の上に球状巣を作る個体もいる。球状巣の大きさは、リスが作ったものよりはるかに大きい。


滑空場所

ムササビは避雷針の上や梢(樹木の先の部分)などの出来るだけ高いところから滑空する。滑空距離を出来るだけ多く伸ばすためだろう。しかし、交尾騒動中は、活動時間が長くなり、夕方近くになると活発に鳴きだすカラスと活動時間が重なり、襲われることがある。そこで、ムササビはメスの巣へ向かうとき、樹木の中ほどの高さから滑空する。


天敵

テン、アオダイショウ、フクロウ、スズメバチ

外来種のアライグマ、ハクビシン、がいる。

フクロウはムササビがいる巣穴で、ムササビが滑空するのを待ち伏せする。

ムササビの滑空速度は速くても、時速30~40キロ。対するフクロウは時速72キロ。


テンアオダイショウアライグマハクビシンも木登りが得意なため、巣穴に入り込んで襲ってしまう。しかし、アオダイショウが巣に入り込んだ際、目が開いたばかりの子ムササビ達がいた場合は、力を合わせて撃退する様子が観察されている。


ムササビの巣にスズメバチが巣を作ることがある。そのせいで、子ムササビがスズメバチに襲われて死んでしまうこともある。また、大人のムササビでも、スズメバチに刺されることがある。


鳴き声

興奮 「グルル、グルル」

「グルル」よりも強い興奮 「キュルル、キュルル」

弱いオスが「グルル」と鳴いた際に巣を防衛しているオスが出す声「ゼィ、ゼィ、ゼィ」

交尾日だけにメスが出す声「クゥ、クゥ」等


砂かけ婆などの正体?

砂かけ婆

近畿地方の神社で日暮れて間もなく、マツの木の上からパラパラと砂をかける音がするが、誰もいないので砂かけ婆の仕業とされていたが、この正体はムササビが脱糞する際に糞が枝葉にあたる音だと思われる。


天狗

昔の人は真っ暗闇で突然、顔に感じる風を「天狗の羽団扇」であおられたと思っていたが、ムササビが人の頭上ぎりぎりを滑空すると、風を感じることから。正体はムササビと思われる。


火事を防ぐ?

江戸時代の人達は、ムササビの絵をかまどの近くに貼っておくと、家事を防ぐお守りになったという。これは、夜に提灯を持って歩いていると、どこからともなくムササビが飛んできて提灯の火を消すことから来た言い伝えらしい。しかし、ムササビ自身が火を消すのではなく、提灯を持った人がムササビに驚いて提灯を落としたと思われる。


関連タグ

げっ歯類

ムササビ

晩成性

概要

頭胴長 30~45cm

尾長 30~40cm

体重 約1㎏


見た目

名前の通り頬の周りが白く、茶色い毛に覆われている。尻尾は黒がほとんどでたまに尻尾の端が白い個体もいる。そういった個体は普通より生存率が低いといわれている。

前足は4本指、後ろ足は5本指。爪は鋭いカギ爪で、幹にしっかりつかまることが出来る。足裏の片側には固い毛が生えており、滑り止めの役目を果たす。

顎の下に黒い毛があり、ここから分泌液を出して匂いをつける。

メスは、自分の縄張りの主張に。

オスは、繁殖期の時に自分の匂いが残るように顎をすりつける。雨などで匂いが薄まらない様に、樹皮をかじってからすりつけることもある。

ムササビには、針状軟骨と呼ばれるものがある。普段は腕に沿うようにしてたたまれているが、滑空の際に針状軟骨を伸ばすことで、皮膜の面積が広がる。滑空中に上に反るのは、航空機の翼のウィングレットと同じで、抑えつける気流の発生を弱める効果がある。ちなみに、針状軟骨はモモンガにもある。


手首と足首の骨は、時速30~40キロの滑空速度で木の幹に着地する衝撃に耐えるため、他のリスの仲間よりも太く頑丈に出来ている。その結果、足首を後ろに回す、地面を速く走る、頭を下にしてすばやく木の幹を降りる、細い枝を逆さまになって移動するといった行動が苦手になってしまった。


滑空の仕方

1、飛び立つ木の高い枝に止まる。

2、頭を上下に動かし、到着する木までの距離を測る。

3、枝を思いきり蹴る。

滑空の最長記録は2019年時点で、東京都奥多摩のムササビの213メートル。


着木

着木の際は、到着する木に近づくと、体を立ててスピードを落とす。この時、失速して墜落しない様に腕前膜(前足の近くの膜)を緩めて揚力を増し、四肢を前に突き出す。


木の登り方

木に登る際、ムササビはジャンプするようにして木に登る。また、天敵から隠れる場合、木の裏側に回り込む。これは、モモンガにもみられる行動。


寿命

野生下 5~10年

飼育下 長くて15年


妊娠期間

約75日

これは、樹上棲リスの中では、2番目に長い。最長はミミゲモモンガの80日。


産仔数

げっ歯類は基本、繁殖力があるが、ムササビは1、2匹しか子を産まない。

これは、樹上を滑空して移動するため、多くの子を抱えると、樹上生活が困難になると考えられる。

妊娠期間の約75日と、子ムササビが外出して採食開始するまで生後約60日の合計135日間を費やすため、1年に繁殖可能なのは2回まで。また、妊娠期間などの長さ以外にも、食物の季節変化に対応するため、という理由がある。

ちなみに、交尾期は初夏と冬。理由は、子ムササビの採食開始を食物が豊富な時期と一致させるためである。


休息姿勢

樹上での休息姿勢は、基本的にはおでこを足元の枝につけて、尾を背中にのせて目を閉じる。


フリージング

ムササビは光を当てられると、フリージングという行動をとる。その場でうずくまって、半眼か完全に目を閉じる。時には、体を丸めて額を足元の枝にあてて、完全な休息姿勢に入る。この行動を始めると、数10分から1時間も続ける。しかし、これは本当の休息ではない。光を当てるのをやめてしばらくすると、フリージングしていたムササビはおもむろに毛づくろいを始め、その場を立ち去ってしまう。

ところが、フリージングは必ず全ての個体がするわけではなく、光の強さや人慣れしていない光になれていない個体が示す行動で、もともとの個体差や人との出会いが多いか少ないかによっても変わる。


食性

場所によって植生が違うため、ムササビはそれに合わせて食性も変わる。下に書いたもの以外の食べ物も食べる。

広葉樹や針葉樹のスギマツ、葉や芽、松ぼっくりも食べる。ムササビが食べた後は、リスと同じく、エビフライのような形(パイナップルのような形になることもある)になる。食べている途中に落とすこともある。その際は、とりに行かない。ムササビは地面を走るのが苦手なため、落としたらそのままにする。

しかし、地面に自ら降りることもある。それは、地面に生えているキノコを食べる時。コナラの林に群生するムレオオフウセンタケを食べるところが観察されている。

ごく稀にセミも食べることがある。また、ヒヨドリのヒナを食べることもある。


大腸などの長さ

ホオジロムササビは他の樹上棲リスと比べると、大腸がかなり長い。

大腸 小腸 盲腸

ホオジロムササビ 183cm 185cm 28㎝

アーベルトリス 74cm 167cm 20cm

トウブキツネリス 48cm 144cm 12cm

トウブハイイロリス 50cm 212cm 10cm

食物繊維を多く含む食物を食べる種ほど、相対的に長い大腸を持っている。


葉っぱの食痕

シイやカシのように固い葉っぱは、二つに折ってから先の方(葉っぱの中心)を食べる。

サクラのように柔らかい葉っぱは、四つに折ってから角(葉っぱの中心)を食べる。

ただし例外もあり、葉っぱを二つ折りにしないで食べることもある。

食べ跡は、V字型の歯型が残っていたり、真ん中に丸く穴が開いていたりする。

ムササビが葉っぱの周りを食べ残すのは、葉っぱの周囲にはタンニンを貯めこんであるかららしい。

余談だが、インドオオリスはノボタンの葉を食べる際に葉を折り曲げて中心部だけを食べ、周囲を食べ残す。食べ跡はドーナツのような形になる。ノボタンの葉の周辺部には、タンニンが含まれていた。


てんぐ巣病とムササビ

ムササビが桜を食べるとき、かじられた部分から菌が入り込むことがある。

てんぐ巣病にかかったサクラは、花が咲かなくなり、やがて枝が枯れてしまう。しかし、感染している枝を食べてくれる、樹木医でもある。


巣材には運ぶ順番があり、

最初にヒノキの青葉を敷き詰め、

ヒノキの青葉がしんなりしたころ、スギやヒノキの樹皮を運び込む。

ヒノキの葉には防カビ・防虫・防菌の効果がある。


入り口が何個もある場合は、自分が出入りする穴以外を巣材で塞ぎ、外からは目立たないようにすることもある。


ムササビは、決まった巣材木を使う。自分の母親が使っていた巣材木にこだわっていると思われる。


子を隠す

母親は巣材を使って、子をきれいに隠す。これは、天敵から子を守るためだろう。


皿巣

枝の上に巣材を集めて皿のような巣をつくり、その上で休息する。皿巣を作成する時、切り取った小枝を積み重ねて台座を作り、その上に細かく裂いたスギの樹皮を厚く敷く。皿の直径は60cmにもなる。なぜ、猛禽類やカラスに襲われる危険性があり、雨が降れば体が濡れるような開放的な巣を作るのか。

理由は、樹洞が豊富な森であれば、皿巣を作ることはなく、樹洞が少なければ必要に応じて皿巣を作るからである。ちなみに、エゾリスやニホンリスは樹洞を巣に使うだけでなく、頻繁に球状巣を作る。太枝の幹の付着点近くに枝を厚く重ねたところで、木の皮を細かく裂いた内装材を内部に挿入して、巣室の空間を作ることによって球状になる。ムササビも、スギやヒノキの樹皮を運んで、枝の上に球状巣を作る個体もいる。球状巣の大きさは、リスが作ったものよりはるかに大きい。


滑空場所

ムササビは避雷針の上や梢(樹木の先の部分)などの出来るだけ高いところから滑空する。滑空距離を出来るだけ多く伸ばすためだろう。しかし、交尾騒動中は、活動時間が長くなり、夕方近くになると活発に鳴きだすカラスと活動時間が重なり、襲われることがある。そこで、ムササビはメスの巣へ向かうとき、樹木の中ほどの高さから滑空する。


天敵

テン、アオダイショウ、フクロウ、スズメバチ

外来種のアライグマ、ハクビシン、がいる。

フクロウはムササビがいる巣穴で、ムササビが滑空するのを待ち伏せする。

ムササビの滑空速度は速くても、時速30~40キロ。対するフクロウは時速72キロ。


テンアオダイショウアライグマハクビシンも木登りが得意なため、巣穴に入り込んで襲ってしまう。しかし、アオダイショウが巣に入り込んだ際、目が開いたばかりの子ムササビ達がいた場合は、力を合わせて撃退する様子が観察されている。


ムササビの巣にスズメバチが巣を作ることがある。そのせいで、子ムササビがスズメバチに襲われて死んでしまうこともある。また、大人のムササビでも、スズメバチに刺されることがある。


鳴き声

興奮 「グルル、グルル」

「グルル」よりも強い興奮 「キュルル、キュルル」

弱いオスが「グルル」と鳴いた際に巣を防衛しているオスが出す声「ゼィ、ゼィ、ゼィ」

交尾日だけにメスが出す声「クゥ、クゥ」等


砂かけ婆などの正体?

砂かけ婆

近畿地方の神社で日暮れて間もなく、マツの木の上からパラパラと砂をかける音がするが、誰もいないので砂かけ婆の仕業とされていたが、この正体はムササビが脱糞する際に糞が枝葉にあたる音だと思われる。


天狗

昔の人は真っ暗闇で突然、顔に感じる風を「天狗の羽団扇」であおられたと思っていたが、ムササビが人の頭上ぎりぎりを滑空すると、風を感じることから。正体はムササビと思われる。


火事を防ぐ?

江戸時代の人達は、ムササビの絵をかまどの近くに貼っておくと、家事を防ぐお守りになったという。これは、夜に提灯を持って歩いていると、どこからともなくムササビが飛んできて提灯の火を消すことから来た言い伝えらしい。しかし、ムササビ自身が火を消すのではなく、提灯を持った人がムササビに驚いて提灯を落としたと思われる。


関連タグ

げっ歯類

ムササビ

晩成性

コメント

コメントはまだありません
ホオジロムササビ
1
ホオジロムササビ
1
哺乳網・ネズミ目(げっ歯目)・リス科・ムササビ属の動物。

概要

頭胴長 30~45cm

尾長 30~40cm

体重 約1㎏


見た目

名前の通り頬の周りが白く、茶色い毛に覆われている。尻尾は黒がほとんどでたまに尻尾の端が白い個体もいる。そういった個体は普通より生存率が低いといわれている。

前足は4本指、後ろ足は5本指。爪は鋭いカギ爪で、幹にしっかりつかまることが出来る。足裏の片側には固い毛が生えており、滑り止めの役目を果たす。

顎の下に黒い毛があり、ここから分泌液を出して匂いをつける。

メスは、自分の縄張りの主張に。

オスは、繁殖期の時に自分の匂いが残るように顎をすりつける。雨などで匂いが薄まらない様に、樹皮をかじってからすりつけることもある。

ムササビには、針状軟骨と呼ばれるものがある。普段は腕に沿うようにしてたたまれているが、滑空の際に針状軟骨を伸ばすことで、皮膜の面積が広がる。滑空中に上に反るのは、航空機の翼のウィングレットと同じで、抑えつける気流の発生を弱める効果がある。ちなみに、針状軟骨はモモンガにもある。


手首と足首の骨は、時速30~40キロの滑空速度で木の幹に着地する衝撃に耐えるため、他のリスの仲間よりも太く頑丈に出来ている。その結果、足首を後ろに回す、地面を速く走る、頭を下にしてすばやく木の幹を降りる、細い枝を逆さまになって移動するといった行動が苦手になってしまった。


滑空の仕方

1、飛び立つ木の高い枝に止まる。

2、頭を上下に動かし、到着する木までの距離を測る。

3、枝を思いきり蹴る。

滑空の最長記録は2019年時点で、東京都奥多摩のムササビの213メートル。


着木

着木の際は、到着する木に近づくと、体を立ててスピードを落とす。この時、失速して墜落しない様に腕前膜(前足の近くの膜)を緩めて揚力を増し、四肢を前に突き出す。


木の登り方

木に登る際、ムササビはジャンプするようにして木に登る。また、天敵から隠れる場合、木の裏側に回り込む。これは、モモンガにもみられる行動。


寿命

野生下 5~10年

飼育下 長くて15年


妊娠期間

約75日

これは、樹上棲リスの中では、2番目に長い。最長はミミゲモモンガの80日。


産仔数

げっ歯類は基本、繁殖力があるが、ムササビは1、2匹しか子を産まない。

これは、樹上を滑空して移動するため、多くの子を抱えると、樹上生活が困難になると考えられる。

妊娠期間の約75日と、子ムササビが外出して採食開始するまで生後約60日の合計135日間を費やすため、1年に繁殖可能なのは2回まで。また、妊娠期間などの長さ以外にも、食物の季節変化に対応するため、という理由がある。

ちなみに、交尾期は初夏と冬。理由は、子ムササビの採食開始を食物が豊富な時期と一致させるためである。


休息姿勢

樹上での休息姿勢は、基本的にはおでこを足元の枝につけて、尾を背中にのせて目を閉じる。


フリージング

ムササビは光を当てられると、フリージングという行動をとる。その場でうずくまって、半眼か完全に目を閉じる。時には、体を丸めて額を足元の枝にあてて、完全な休息姿勢に入る。この行動を始めると、数10分から1時間も続ける。しかし、これは本当の休息ではない。光を当てるのをやめてしばらくすると、フリージングしていたムササビはおもむろに毛づくろいを始め、その場を立ち去ってしまう。

ところが、フリージングは必ず全ての個体がするわけではなく、光の強さや人慣れしていない光になれていない個体が示す行動で、もともとの個体差や人との出会いが多いか少ないかによっても変わる。


食性

場所によって植生が違うため、ムササビはそれに合わせて食性も変わる。下に書いたもの以外の食べ物も食べる。

広葉樹や針葉樹のスギマツ、葉や芽、松ぼっくりも食べる。ムササビが食べた後は、リスと同じく、エビフライのような形(パイナップルのような形になることもある)になる。食べている途中に落とすこともある。その際は、とりに行かない。ムササビは地面を走るのが苦手なため、落としたらそのままにする。

しかし、地面に自ら降りることもある。それは、地面に生えているキノコを食べる時。コナラの林に群生するムレオオフウセンタケを食べるところが観察されている。

ごく稀にセミも食べることがある。また、ヒヨドリのヒナを食べることもある。


大腸などの長さ

ホオジロムササビは他の樹上棲リスと比べると、大腸がかなり長い。

大腸 小腸 盲腸

ホオジロムササビ 183cm 185cm 28㎝

アーベルトリス 74cm 167cm 20cm

トウブキツネリス 48cm 144cm 12cm

トウブハイイロリス 50cm 212cm 10cm

食物繊維を多く含む食物を食べる種ほど、相対的に長い大腸を持っている。


葉っぱの食痕

シイやカシのように固い葉っぱは、二つに折ってから先の方(葉っぱの中心)を食べる。

サクラのように柔らかい葉っぱは、四つに折ってから角(葉っぱの中心)を食べる。

ただし例外もあり、葉っぱを二つ折りにしないで食べることもある。

食べ跡は、V字型の歯型が残っていたり、真ん中に丸く穴が開いていたりする。

ムササビが葉っぱの周りを食べ残すのは、葉っぱの周囲にはタンニンを貯めこんであるかららしい。

余談だが、インドオオリスはノボタンの葉を食べる際に葉を折り曲げて中心部だけを食べ、周囲を食べ残す。食べ跡はドーナツのような形になる。ノボタンの葉の周辺部には、タンニンが含まれていた。


てんぐ巣病とムササビ

ムササビが桜を食べるとき、かじられた部分から菌が入り込むことがある。

てんぐ巣病にかかったサクラは、花が咲かなくなり、やがて枝が枯れてしまう。しかし、感染している枝を食べてくれる、樹木医でもある。


巣材には運ぶ順番があり、

最初にヒノキの青葉を敷き詰め、

ヒノキの青葉がしんなりしたころ、スギやヒノキの樹皮を運び込む。

ヒノキの葉には防カビ・防虫・防菌の効果がある。


入り口が何個もある場合は、自分が出入りする穴以外を巣材で塞ぎ、外からは目立たないようにすることもある。


ムササビは、決まった巣材木を使う。自分の母親が使っていた巣材木にこだわっていると思われる。


子を隠す

母親は巣材を使って、子をきれいに隠す。これは、天敵から子を守るためだろう。


皿巣

枝の上に巣材を集めて皿のような巣をつくり、その上で休息する。皿巣を作成する時、切り取った小枝を積み重ねて台座を作り、その上に細かく裂いたスギの樹皮を厚く敷く。皿の直径は60cmにもなる。なぜ、猛禽類やカラスに襲われる危険性があり、雨が降れば体が濡れるような開放的な巣を作るのか。

理由は、樹洞が豊富な森であれば、皿巣を作ることはなく、樹洞が少なければ必要に応じて皿巣を作るからである。ちなみに、エゾリスやニホンリスは樹洞を巣に使うだけでなく、頻繁に球状巣を作る。太枝の幹の付着点近くに枝を厚く重ねたところで、木の皮を細かく裂いた内装材を内部に挿入して、巣室の空間を作ることによって球状になる。ムササビも、スギやヒノキの樹皮を運んで、枝の上に球状巣を作る個体もいる。球状巣の大きさは、リスが作ったものよりはるかに大きい。


滑空場所

ムササビは避雷針の上や梢(樹木の先の部分)などの出来るだけ高いところから滑空する。滑空距離を出来るだけ多く伸ばすためだろう。しかし、交尾騒動中は、活動時間が長くなり、夕方近くになると活発に鳴きだすカラスと活動時間が重なり、襲われることがある。そこで、ムササビはメスの巣へ向かうとき、樹木の中ほどの高さから滑空する。


天敵

テン、アオダイショウ、フクロウ、スズメバチ

外来種のアライグマ、ハクビシン、がいる。

フクロウはムササビがいる巣穴で、ムササビが滑空するのを待ち伏せする。

ムササビの滑空速度は速くても、時速30~40キロ。対するフクロウは時速72キロ。


テンアオダイショウアライグマハクビシンも木登りが得意なため、巣穴に入り込んで襲ってしまう。しかし、アオダイショウが巣に入り込んだ際、目が開いたばかりの子ムササビ達がいた場合は、力を合わせて撃退する様子が観察されている。


ムササビの巣にスズメバチが巣を作ることがある。そのせいで、子ムササビがスズメバチに襲われて死んでしまうこともある。また、大人のムササビでも、スズメバチに刺されることがある。


鳴き声

興奮 「グルル、グルル」

「グルル」よりも強い興奮 「キュルル、キュルル」

弱いオスが「グルル」と鳴いた際に巣を防衛しているオスが出す声「ゼィ、ゼィ、ゼィ」

交尾日だけにメスが出す声「クゥ、クゥ」等


砂かけ婆などの正体?

砂かけ婆

近畿地方の神社で日暮れて間もなく、マツの木の上からパラパラと砂をかける音がするが、誰もいないので砂かけ婆の仕業とされていたが、この正体はムササビが脱糞する際に糞が枝葉にあたる音だと思われる。


天狗

昔の人は真っ暗闇で突然、顔に感じる風を「天狗の羽団扇」であおられたと思っていたが、ムササビが人の頭上ぎりぎりを滑空すると、風を感じることから。正体はムササビと思われる。


火事を防ぐ?

江戸時代の人達は、ムササビの絵をかまどの近くに貼っておくと、家事を防ぐお守りになったという。これは、夜に提灯を持って歩いていると、どこからともなくムササビが飛んできて提灯の火を消すことから来た言い伝えらしい。しかし、ムササビ自身が火を消すのではなく、提灯を持った人がムササビに驚いて提灯を落としたと思われる。


関連タグ

げっ歯類

ムササビ

晩成性

概要

頭胴長 30~45cm

尾長 30~40cm

体重 約1㎏


見た目

名前の通り頬の周りが白く、茶色い毛に覆われている。尻尾は黒がほとんどでたまに尻尾の端が白い個体もいる。そういった個体は普通より生存率が低いといわれている。

前足は4本指、後ろ足は5本指。爪は鋭いカギ爪で、幹にしっかりつかまることが出来る。足裏の片側には固い毛が生えており、滑り止めの役目を果たす。

顎の下に黒い毛があり、ここから分泌液を出して匂いをつける。

メスは、自分の縄張りの主張に。

オスは、繁殖期の時に自分の匂いが残るように顎をすりつける。雨などで匂いが薄まらない様に、樹皮をかじってからすりつけることもある。

ムササビには、針状軟骨と呼ばれるものがある。普段は腕に沿うようにしてたたまれているが、滑空の際に針状軟骨を伸ばすことで、皮膜の面積が広がる。滑空中に上に反るのは、航空機の翼のウィングレットと同じで、抑えつける気流の発生を弱める効果がある。ちなみに、針状軟骨はモモンガにもある。


手首と足首の骨は、時速30~40キロの滑空速度で木の幹に着地する衝撃に耐えるため、他のリスの仲間よりも太く頑丈に出来ている。その結果、足首を後ろに回す、地面を速く走る、頭を下にしてすばやく木の幹を降りる、細い枝を逆さまになって移動するといった行動が苦手になってしまった。


滑空の仕方

1、飛び立つ木の高い枝に止まる。

2、頭を上下に動かし、到着する木までの距離を測る。

3、枝を思いきり蹴る。

滑空の最長記録は2019年時点で、東京都奥多摩のムササビの213メートル。


着木

着木の際は、到着する木に近づくと、体を立ててスピードを落とす。この時、失速して墜落しない様に腕前膜(前足の近くの膜)を緩めて揚力を増し、四肢を前に突き出す。


木の登り方

木に登る際、ムササビはジャンプするようにして木に登る。また、天敵から隠れる場合、木の裏側に回り込む。これは、モモンガにもみられる行動。


寿命

野生下 5~10年

飼育下 長くて15年


妊娠期間

約75日

これは、樹上棲リスの中では、2番目に長い。最長はミミゲモモンガの80日。


産仔数

げっ歯類は基本、繁殖力があるが、ムササビは1、2匹しか子を産まない。

これは、樹上を滑空して移動するため、多くの子を抱えると、樹上生活が困難になると考えられる。

妊娠期間の約75日と、子ムササビが外出して採食開始するまで生後約60日の合計135日間を費やすため、1年に繁殖可能なのは2回まで。また、妊娠期間などの長さ以外にも、食物の季節変化に対応するため、という理由がある。

ちなみに、交尾期は初夏と冬。理由は、子ムササビの採食開始を食物が豊富な時期と一致させるためである。


休息姿勢

樹上での休息姿勢は、基本的にはおでこを足元の枝につけて、尾を背中にのせて目を閉じる。


フリージング

ムササビは光を当てられると、フリージングという行動をとる。その場でうずくまって、半眼か完全に目を閉じる。時には、体を丸めて額を足元の枝にあてて、完全な休息姿勢に入る。この行動を始めると、数10分から1時間も続ける。しかし、これは本当の休息ではない。光を当てるのをやめてしばらくすると、フリージングしていたムササビはおもむろに毛づくろいを始め、その場を立ち去ってしまう。

ところが、フリージングは必ず全ての個体がするわけではなく、光の強さや人慣れしていない光になれていない個体が示す行動で、もともとの個体差や人との出会いが多いか少ないかによっても変わる。


食性

場所によって植生が違うため、ムササビはそれに合わせて食性も変わる。下に書いたもの以外の食べ物も食べる。

広葉樹や針葉樹のスギマツ、葉や芽、松ぼっくりも食べる。ムササビが食べた後は、リスと同じく、エビフライのような形(パイナップルのような形になることもある)になる。食べている途中に落とすこともある。その際は、とりに行かない。ムササビは地面を走るのが苦手なため、落としたらそのままにする。

しかし、地面に自ら降りることもある。それは、地面に生えているキノコを食べる時。コナラの林に群生するムレオオフウセンタケを食べるところが観察されている。

ごく稀にセミも食べることがある。また、ヒヨドリのヒナを食べることもある。


大腸などの長さ

ホオジロムササビは他の樹上棲リスと比べると、大腸がかなり長い。

大腸 小腸 盲腸

ホオジロムササビ 183cm 185cm 28㎝

アーベルトリス 74cm 167cm 20cm

トウブキツネリス 48cm 144cm 12cm

トウブハイイロリス 50cm 212cm 10cm

食物繊維を多く含む食物を食べる種ほど、相対的に長い大腸を持っている。


葉っぱの食痕

シイやカシのように固い葉っぱは、二つに折ってから先の方(葉っぱの中心)を食べる。

サクラのように柔らかい葉っぱは、四つに折ってから角(葉っぱの中心)を食べる。

ただし例外もあり、葉っぱを二つ折りにしないで食べることもある。

食べ跡は、V字型の歯型が残っていたり、真ん中に丸く穴が開いていたりする。

ムササビが葉っぱの周りを食べ残すのは、葉っぱの周囲にはタンニンを貯めこんであるかららしい。

余談だが、インドオオリスはノボタンの葉を食べる際に葉を折り曲げて中心部だけを食べ、周囲を食べ残す。食べ跡はドーナツのような形になる。ノボタンの葉の周辺部には、タンニンが含まれていた。


てんぐ巣病とムササビ

ムササビが桜を食べるとき、かじられた部分から菌が入り込むことがある。

てんぐ巣病にかかったサクラは、花が咲かなくなり、やがて枝が枯れてしまう。しかし、感染している枝を食べてくれる、樹木医でもある。


巣材には運ぶ順番があり、

最初にヒノキの青葉を敷き詰め、

ヒノキの青葉がしんなりしたころ、スギやヒノキの樹皮を運び込む。

ヒノキの葉には防カビ・防虫・防菌の効果がある。


入り口が何個もある場合は、自分が出入りする穴以外を巣材で塞ぎ、外からは目立たないようにすることもある。


ムササビは、決まった巣材木を使う。自分の母親が使っていた巣材木にこだわっていると思われる。


子を隠す

母親は巣材を使って、子をきれいに隠す。これは、天敵から子を守るためだろう。


皿巣

枝の上に巣材を集めて皿のような巣をつくり、その上で休息する。皿巣を作成する時、切り取った小枝を積み重ねて台座を作り、その上に細かく裂いたスギの樹皮を厚く敷く。皿の直径は60cmにもなる。なぜ、猛禽類やカラスに襲われる危険性があり、雨が降れば体が濡れるような開放的な巣を作るのか。

理由は、樹洞が豊富な森であれば、皿巣を作ることはなく、樹洞が少なければ必要に応じて皿巣を作るからである。ちなみに、エゾリスやニホンリスは樹洞を巣に使うだけでなく、頻繁に球状巣を作る。太枝の幹の付着点近くに枝を厚く重ねたところで、木の皮を細かく裂いた内装材を内部に挿入して、巣室の空間を作ることによって球状になる。ムササビも、スギやヒノキの樹皮を運んで、枝の上に球状巣を作る個体もいる。球状巣の大きさは、リスが作ったものよりはるかに大きい。


滑空場所

ムササビは避雷針の上や梢(樹木の先の部分)などの出来るだけ高いところから滑空する。滑空距離を出来るだけ多く伸ばすためだろう。しかし、交尾騒動中は、活動時間が長くなり、夕方近くになると活発に鳴きだすカラスと活動時間が重なり、襲われることがある。そこで、ムササビはメスの巣へ向かうとき、樹木の中ほどの高さから滑空する。


天敵

テン、アオダイショウ、フクロウ、スズメバチ

外来種のアライグマ、ハクビシン、がいる。

フクロウはムササビがいる巣穴で、ムササビが滑空するのを待ち伏せする。

ムササビの滑空速度は速くても、時速30~40キロ。対するフクロウは時速72キロ。


テンアオダイショウアライグマハクビシンも木登りが得意なため、巣穴に入り込んで襲ってしまう。しかし、アオダイショウが巣に入り込んだ際、目が開いたばかりの子ムササビ達がいた場合は、力を合わせて撃退する様子が観察されている。


ムササビの巣にスズメバチが巣を作ることがある。そのせいで、子ムササビがスズメバチに襲われて死んでしまうこともある。また、大人のムササビでも、スズメバチに刺されることがある。


鳴き声

興奮 「グルル、グルル」

「グルル」よりも強い興奮 「キュルル、キュルル」

弱いオスが「グルル」と鳴いた際に巣を防衛しているオスが出す声「ゼィ、ゼィ、ゼィ」

交尾日だけにメスが出す声「クゥ、クゥ」等


砂かけ婆などの正体?

砂かけ婆

近畿地方の神社で日暮れて間もなく、マツの木の上からパラパラと砂をかける音がするが、誰もいないので砂かけ婆の仕業とされていたが、この正体はムササビが脱糞する際に糞が枝葉にあたる音だと思われる。


天狗

昔の人は真っ暗闇で突然、顔に感じる風を「天狗の羽団扇」であおられたと思っていたが、ムササビが人の頭上ぎりぎりを滑空すると、風を感じることから。正体はムササビと思われる。


火事を防ぐ?

江戸時代の人達は、ムササビの絵をかまどの近くに貼っておくと、家事を防ぐお守りになったという。これは、夜に提灯を持って歩いていると、どこからともなくムササビが飛んできて提灯の火を消すことから来た言い伝えらしい。しかし、ムササビ自身が火を消すのではなく、提灯を持った人がムササビに驚いて提灯を落としたと思われる。


関連タグ

げっ歯類

ムササビ

晩成性

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