概要
カマラ・デヴィ・ハリス（英語：Kamala Devi Harris、ヒンディー語：कमला हैरिस、1964年10月20日 – ）は、アメリカ合衆国の政治家。第49代アメリカ合衆国副大統領。ジャマイカ系アメリカ人の父とインド人の母の間に誕生し、ハリスの家族には政治・学界で著名な人物が何人か存在する。2008年5月にニューヨーク・タイムズに掲載された記事でも、ハリスは大統領になる可能性のある女性であると特定され、「タフなファイター」としてのハリスの評判が強調された。
経歴
初期
1964年10月20日にカリフォルニア州サンフランシスコにて、2人姉妹の長女として誕生した。7歳の時に両親が離婚して母に育てられ、12歳の時に母・妹と共にモントリオール（カナダ）に引っ越した。ハリスは週末に妹と一緒にパロアルト（カリフォルニア州）の父親を訪ねた時、近所の他の子供たちは黒人だったので一緒に遊ぶ事を許されなかったと語った。1986年5月にハワード大学・1989年5月にカリフォルニア大学ヘイスティングス・ロー・スクールを卒業し、前者は政治学と経済学の学位・後者は法学博士号を取得した。
1990年6月にカリフォルニア州の弁護士資格を取得し、後にアラメダ郡の地方検事局でキャリアを開始させた。この時にハリスは有能な検察官と評価され、その後はサンフランシスコ市の地方検事局、後に同市の検事局に採用された。2004年1月に第27代サンフランシスコ地方検事、2011年1月にカリフォルニア州司法長官に就任した。
連邦上院議員
2017年1月にカリフォルニア州選出の連邦上院議員に就任し、同州で3人目の女性の上院議員となった。黒人女性が上院議員になるのはハリスで2人目であった。上院議員時代のハリスは単一医療保険制度・大麻の連邦政府による合法化・不法移民の為の市民権への道・DREAM法・暴行武器の禁止・累進課税制度を支持し、公聴会における検察官らしい質問の仕方は民主党の左派から好評を博した。特に連邦最高裁判事に指名されたブレット・カバノーの承認公聴会での厳しい尋問ぶりと、ロシア疑惑の捜査報告書についてウィリアム・バー司法長官を追及したのが話題になった。
2020年アメリカ合衆国大統領選挙
2020年アメリカ合衆国大統領選挙では、民主党の大統領候補であるジョー・バイデン前副大統領から副大統領候補に内定された。主要政党の副大統領候補としては初のアフリカ系（黒人）・アジア系アメリカ人であり、ジェラルディン・フェラーロ元下院議員とアラスカ州のサラ・ペイリン元州知事に次ぐ3番目の女性の副大統領候補となった。バイデン前副大統領と共に、共和党のドナルド・トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領のペアを306人の選挙人を獲得して破った。
副大統領
2021年1月に副大統領に就任し、初の女性・アフリカ系・南アジア系の副大統領となった。同年11月に就任から10か月近く経過し、バイデンとハリスの支持率はそれぞれ38パーセントと28パーセントであった。同月にバイデン大統領は大腸内視鏡検査を受け、それによって大統領の権限を臨時に代行した。ハリスは憲法修正第25条に基づいて大統領の権限と義務を引き継いだ最初の女性であり、全体で3人目となった。
外交
日本
2021年4月にアメリカを訪問した日本の菅義偉首相と会見し、同年3月にオンラインで開催された日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4か国による首脳会合に触れて「インド太平洋地域の平和と安定を維持していく為の両国の決意について議論する事を楽しみにしている。」と述べた。菅首相は「コロナ禍の中で、初めての外国首脳としてお招き頂いた事を大変感謝している。バイデン・ハリス政権が同盟国との協調を重視している事を高く評価している。」と応じ、菅首相が東京オリンピックの開催を実現する決意を述べた事に対して支持を表明した。
2022年9月に安倍晋三元首相の国葬に参列する為に訪日し、その日の夕方に迎賓館にて岸田文雄首相と会談した。この会談で安倍元首相の死去に哀悼の意を示し、日米同盟の擁護者だった安倍元首相の功績を称えた。岸田首相はこれに謝意を表明し、両者は安倍元首相の遺志を引き継いで日米同盟の更なる強化・自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、引き続き緊密に連携する事で一致した。半導体産業の日本企業の幹部らと会合を開催し、この会合では日本企業によるアメリカの半導体産業に対する最近及び将来の投資・研究開発での両国の協力の促進などについて議論した。
家族
2014年8月にダグ・エムホフと結婚し、2人の子女が誕生した。夫のダグとは共通の友人を通じて出会い、2019年8月時点で両者の推定純資産は580万ドルであった。
