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イバリューダー

いばりゅーだー

イバリューダーとは、1991年に発売されたOVA「DETONATORオーガン」に登場した異星人であり、同作における敵役である。
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概要

イバリューダーとは、1991年に発売されたOVA「DETONATORオーガン」に登場した敵の集団である。


月の1/4ほどの大きさを持つ、巨大戦闘惑星「ゾーマ」を拠点とする機械生命体の一群。


機械の身体「ソリッドアーマー」に、有機生体中枢神経を内蔵させた機械生命体であり、基本は人型。

その生物種としての構成は、蟻や蜂のように、頂点に立つ存在が命令を下し、末端の個体が頂点からの命令を受ける存在として成立している。

雌雄は存在するが、繁殖には関係ない。新たな個体の誕生は、ゾーマ内で行われる。

ソリッドアーマーは、ブラックホールの重力にも耐える頑丈さを持ち、超光速での恒星間の航行能力や、単騎で一つの惑星を壊滅可能な火力を有し、内蔵されたセンサーの探知能力も優れている。


その行動原理は、「戦い」であり、生物種として戦いに特化した戦闘種族である。「戦いには生存の為にありとあらゆる全ての技術や資源が投じられる」という基本概念から戦闘を通じて相手の優れた技術を接収し進化していく事が、彼らにとっての存在意義。

ゾーマと共に、宇宙を移動。進む先々に知的生命体とその文明を感知すると、戦いを挑み滅ぼし、そのテクノロジーを吸収し、己の進化に用いるが、テクノロジーを吸収し尽くしたと判断するとゾーマの反物質砲で相手を速やかに消し去ってしまう。そんな「出す物を出し切った滓には何の価値もない」というドライかつ極度に効率化している

総統ミークを頂点とし、総司令官ゾアがミークの命令を部下に下し、宇宙を進んでいく。そして目標とした文明を滅ぼしては、そのテクノロジーを奪い残り滓は消去し、戦闘生命体として進化し続けていく。

彼らにとっては、「破壊」「殺戮」が宇宙における存在意義の全てであり、それ以外の思想や概念……例えば、創造や慈愛などは、彼らにとっては「存在しない戯言」であり、興味を示すだけでも「狂気」としかとらえられない。

ノベライズでは、イバリューダーの製造初期段階において低確率でそのような考えに至る個体も出現はするが、故障品として処分されるため、同意する者の出現や、意識や思想の改革といった事は行われる事は無くオーガンの程の長い運用期間を経てその様な考えに至った個体はそれまで居なかった。


イバリューダーの構成員

ミーク

(CV:笠原弘子

イバリューダーの総統。予知能力を有し、彼女の予知によりイバリューダーは行動する。その正体の詳細は下記参照。

ゾア

ゾア総司令(ハイパー・ゾア)

(CV:内海賢二

イバリューダー総司令官。イバリューダーにおける戦術面の最高司令官にして、最強の戦士。

普段はマントを着用して、ゾーマ内でイバリューダーの指揮を執っている。

ミークからの予言を部下のイバリューダーへと伝えており、その信仰も用いて、実質的な思想統制と、イバリューダーそのものの支配は、ゾア自身が行っていた。

戦闘時にはマントを脱ぎ捨て、オーガン同様に戦いを挑む。

胸部にビーム砲を内蔵しており、胸部アーマーを展開する事で放つ事が可能。

戦士としての実力も、オーガンよりはるかに上であり、再生オーガンの体内の反物質溶鉱炉を手で抉り取ってしまったほど。戦闘形態は、『ハイパー・ゾア』と呼称される。

また、彼や幹部クラス、戦艦用イバリューダーの顔面部には、祖先の『顔』を立体フォログラフで映し出す事ができる(後述)。

ラング

ラング

(CV:若本規夫

イバリューダーにおいて、『ヘッド・デトネイター』と呼ばれる、デトネイター内でも最も優れた存在の一人。

オーガンの元戦友で元上司。オーガンと共に最前線で戦い続けてきた。その戦闘力はオーガンより若干上。オーガンには無い『相手の思考を読み取る』能力を有する。小説版では内部の神経組織が寿命の後半台に差し掛かりオーガンを後継者と見做し自分の全ての知識を譲り渡そうと目論んでいた所オーガンは突然脱走した為、より強い怒りの感情を向けていたという事が判明している

女子供であっても、容赦なく殺戮する(というより「弱者は消え去るべきなのだ」という本人の台詞通り「弱者は存在する事自体が許されてはいけない」という弱肉強食を極端にした様な論理観に基づいている)冷酷さを有する。オーガンのようなハンドカッターと、腕からの多種多様な投射(ビームだけでなく衝撃波そのものを放つ事も可能)が可能なエネルギー砲を武器とする。

OVA二巻にて、オーガンと共にある惑星を襲撃。赤子を抱いた母親をオーガンに殺せと命じたが、オーガンはそれを拒否していた。

地球に逃亡したオーガンを追い、地球に来訪。地球のエディフィ軍を一掃した後、再生したオーガンと相対。戦いを挑む。最期は自身の反物質溶鉱動力炉を臨界させ対消滅爆発による自爆を試みるがリーブにより高空に連れて行かれ最低限の被害しか起きない空中で自壊爆散する事となった。

リーブ

(CV:冬馬由美

オーガンの元同僚のイバリューダー。女性型とされるソリッドアーマー。そのボディのラインもまた、本来戦闘の為には不要な女性的なフォルムを持つ。

ラングを追ってオーガンの元へと向かい、ラングの『思考を読み取る』能力の事を、オーガンに伝えた。

ラングを羽交い締めにし抱えて高空に上昇する際にイバリューダーの全データをオーガン内に転送(ただし容量が膨大過ぎた為トモルの脳内の記憶部分に圧縮された形で記録される事となった)。ラングと共に自爆し果てた。リーブ自身のデータは、地球産の女性型ソリッドアーマーの原型となった。

エイド

OVA一巻に登場した、イバリューダーのデストロイヤー。隕石に偽装して地球圏に落下。再生したオーガンを狙いエディフィのビルへと強襲した。同型のデストロイヤーが多数いる為「エイド」は個体名ではなくこの仕様のデストロイヤーの機種呼称である事が分かる。

巨体で、全身に兵器を内蔵。その破壊力は、一体で都市一つを完全に破壊できるほど強力。外

エディフィの正規軍が操る兵器「エクテアーマー」部隊と交戦。美剣陽子率いる航空部隊「バードマン」を飛行能力で翻弄し、陸上部隊「タンクマン」の砲撃すら効果が無く、そのまま一掃した。

その後、トモルとリンクした再生オーガンと交戦。外部のユニットを、オーガンのニードルにより破壊されるが、内部のウォーリアー「エイドⅡ」(小説版によると本来デストロイヤークラスでは格上のデトネイターには対抗し切れない為、ウォリアーズクラスのエイドⅡを”特別に内蔵した”という記述が有る。)が飛び出し、格闘戦を挑む。しかしオーガンの敵ではなく、更にその内部の本体(生体神経組)織を見られ、オーガンのペクサーキャノンを受け、そのまま消滅した。


イバリューダーの戦力・兵器・戦術

イバリューダーは戦闘種族故に、そのソリッドアーマーの一体毎が、強力な兵器である。ソリッドアーマー一体で、惑星一つを完全に滅ぼす事が可能。

その戦闘プロセスも一般的な軍隊とは異なり、

:ソリッドアーマーによる各個撃破、

:艦砲による打撃、

:要塞砲による殲滅

という、通常とは逆のプロセスであり、戦闘情報(経験)収集と勝利・敵殲滅のみに主眼が置かれていて資源接収などは考えられていない。

ソリッドアーマー

イバリューダーの身体を構成する、メカニックのボディにして動く鎧。

ウォーリアーズ(戦士)、デストロイヤー(重兵士)、デトネイター(突撃隊長)、スカウト(斥候)の各タイプが存在する。

その身体はブラックホールの重力にも耐え、恒星間を超光速で航行が可能。一つの惑星を単騎での壊滅が可能な火力、優れた探知能力を持つ。

地球製の兵器では有効なダメージを与えられず(口腔内に銃器を突っ込んで発砲しても、傷ひとつつかなかった)、そのために地球製ソリッドアーマーが完成するまではオーガンに頼らざるを得なかった。

ウォーリアーズ

イバリューダーの一般攻撃兵。

スカウト

イバリューダーの偵察兵。情報収集をメインとし一部の者は衛生兵として現地での応急修理などを担う為、全てのソリッドアーマーの型式ライフデータを有する。

デトネイター

イバリューダーの突撃隊長。ウォーリアーズ以上の火力及び格闘能力を持ち、イバリューダーの切り込み隊長として攻撃目標へと向かう。

デストロイヤー

イバリューダーの重兵士。デトネイター以上の巨体と火力を用いて、デトネイターが攻撃した後、砲撃により広域を掃討する事が可能。

イバリューダー戦艦

イバリューダーは、戦艦も所有している。200m級で、本来は多数のイバリューダーの輸送空母、および惑星の広域掃討に用いられる。攻撃用の砲も内蔵し、劇中では脱走したオーガンにも攻撃を仕掛けようとしていた。

内部には、マントを付けた操縦士イバリューダーが搭乗し操縦。その身体に直接機械を接続し、操作している。

戦闘要塞ゾーマ

本拠地たるゾーマもまた、それ一つが巨大な兵器である。ゾーマは中心部に球状の本性があり、その周囲を破片状の宇宙塵が半球状に集まり、重なり合う事で構成されている。この宇宙塵部分を変形させ、惑星一つを一撃で粉砕する反物質砲の発射形態に変形させ、侵略後に止めを刺す。


正体

ソリッドアーマー内には、イバリューダーの本体ともいうべき生体部分が内蔵されている。その手足は貧弱になり、1Gの重力下でも歩行どころか立つ事すら不可能な形状になっている。

いわば、イバリューダーは「脳と神経などの僅かな生体組織に進化(退化?)した生命体が、ソリッドアーマーという機械の鎧を着ている」という身体構造になっているのだ。



※注意

本記事は、OVA「DETONATORオーガン」の設定および作品世界と密接な関連があるために、この後の詳細な解説は、ネタバレとなります。


























イバリューダーの正体、それは、


かつて、宇宙探検にと外宇宙に旅立った、人類である。


劇中の200年前。白鳥座付近の異常重力源(ブラックホール)を調査する計画が実行された。

「シグナライト計画」と呼称されたそれは、調査中に連絡が途絶してしまい、行方不明になり現在に至っている。

しかし、実際は乗組員達は生存していた。重力源に巻き込まれ、通常と異なる時間の流れの中での生存を余儀なくされた。

その結果、シグナライト計画に参加した調査員=人間達は、宇宙空間という過酷な環境に適応するため、その身体を進化させていった。

異常重力源による時間の流れの変化により、200年は数千年の時間となり、その時間を用いてソリッドアーマーに取り込まれる形に変化していった結果人体は神経組織の一部を残して退化した。

そして、ほとんどのメンバーは、クローン技術で複製される内、記憶を失ってしまった。

その行動原理も表層記憶の「戦闘を繰り返し、優れた技術を得る」事と「地球に帰還しデータを持ち帰る」という無意識下に残された物だけになる。このために、地球に辿り着くまで、幾多の惑星や文明を滅ぼしている。

一部のイバリューダーがソリッドアーマーに、人間の顔をフォログラフ映像で映し出す事ができるのは、自分たちの先祖である「人間」の時の名残である。



だが、オーガンはこの中で、自分がかつて地球人だった事を思い出したため、自らの過去を、地球を守るために逃亡し、地球へと向かったのだった。


オーガンがトモルをパートナーとして選んだのは、トモルがオーガンと共通のライフデータを持っている共通の祖先から派生した子孫だったからである。

また、未知もリーブの子孫であり、特殊な超能力者である久美・ジェファーソンはミークの子孫であるだけでなく彼女の「鏡像的な存在」でもある。

メイン画像はミークであり、ミークのみが有る事情によって人間と同じ姿を保っている。


※なお、主演の山寺氏および、冬馬氏、笠原氏が二役を演じているが、彼らの演じたキャラクターは祖先と子孫の関係で繋がっている。また、若本氏もオーガンの元上司のラングと、トモルの兄とを兼任している。


後にリーブを通じ、オーガン内に転送されたイバリューダーのデータから、地球でも対イバリューダー戦闘用の地球製ソリッドアーマーを量産。イバリューダーとの対抗策とする。

イバリューダーは地球圏に突入するも、自分達と同じ力・テクノロジーを持つ相手に対し、

「自らと同じ技術を持つ、同じ相手と戦っても、得られる技術はあるのか」と、混乱。

ゾアと対戦し、オーガンはこれを倒す。その後、オーガンがゾーマの反物質砲を相殺する為に放ったグランドクルスアタックで、イバリューダーはその戦力のほとんどを失う。


崩壊したゾーマの最奥部に有るかつてシグナライト号だった物の残骸に形成されたミークの保管所からミークがその姿を現す。そして残存したイバリューダーは、ミークの超能力によって戦闘で生じた残骸を敵味方問わず接収し新たな宇宙船兼機械惑星を形成する。

人類から「慈愛」を学んだイバリューダーは、ミークに導かれ、新天地へと向かっていくのだった。


関連タグ

DETONATORオーガン


ラダム:『宇宙の騎士テッカマンブレード』で登場した敵役。『スーパーロボット大戦W』ではクロスオーバー設定で「イバリューダーが誕生した元凶」として扱われた。


ソリッドスーツ「ソリッド」を冠したパワードスーツ繋がり。ただし、コンセプトがソリッドアーマーとは真逆である。

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